2024年11月21日
アイデアよもやま話 No.6058 医療で使われる最新技術による新たな市場の創出 その1 iPS細胞による肌の活性化!
7月31日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で医療で使われる最新技術による新たな市場の創出について取り上げていたので2回にわたったご紹介します。
1回目は、iPS細胞による肌の活性化についてです。

iPS細胞とは、体のあらゆる細胞に変化することが出来る“万能細胞”のこと。
今、医療分野で様々な研究が進んでいます。
ベンチャー企業、アイ・ピース株式会社(添付1参照)は血液から自分だけのiPS細胞を作り、凍結保存するサービスを手掛けています。
そのiPS細胞を培養し、培養液をろ過します。
今回の実証実験に使うのは、このろ過した液体の中にある成分が含まれています。
iPS細胞を培養すると、細胞の成長を促す成長因子と呼ばれる成分などが出てきます。
その成分がコラーゲンやヒアルロン酸などを生み出す力を高めるなどし、肌が活性化するといいます。
これは実際に利用した写真。
緑色で示したしわが減っています。
更に、この成分を頭皮に使用すると、血管の新生が促進され、毛髪の幹の成長を促すといいます。
レジュ株式会社((添付2参照))のシニア研究員、島本簾さんは次のようにおっしゃっています。
「毛髪に対する効果も期待されるところです。」

今回の実証実験でiPS細胞の可能性が美容など、身近な分野に広がると期待しています。
アイ・ピースの田邉剛士CEOは次のようにおっしゃっています。
「これまで(iPS細胞は)再生医療や創薬の分野が一番大きかったんですけど、皆さんの近く感じれるようなiPS細胞の仕様(使い方)を出来るだけ早く作れればいいと。」

今回の実証実験に参加知るコーセーはiPS細胞を使い、一人一人に合った商品の開発を目指します。
コーセー 経営戦略室の田中健一室長は次のようにおっしゃっています。
「年々多様化する美容のニーズに対応するために非常に多くの化粧品が作られているわけですが、真に私だけの化粧品を中々作り出すことが出来ずに苦労しておりました。」
「私だけの化粧品を一人一つ持てるような時代にしていきたい。」

実証実験には都内の美容室、銀座よしえクリニック池袋院(豊島区)も参加。
この日、女性が訪れました。
40代の山本さん(仮名)、実証実験に参加予定で、次のようにおっしゃっています。
「実際にメスを入れるのはちょっと抵抗があるんですね。」
「自分の細胞から作ったもので自分の肌が若返ることに対する期待はとても高いです。」

この日、医師から詳しい説明を受けました。
これが山本さんに渡されるiPS細胞の抽出成分。
この成分にコーセーが新たに開発した乳液などを混ぜ合わせます。
価格は肌の診断費用などを含めて年間100万円前後になる予定です。
今後2年かけてシワなどが改善するかや安全性などを確認します。
コーセーの田中さんは次のようにおっしゃっています。
「高い効果を期待させつつも、毎日使って安心出来るかどうかという品質のチェックをこれから実証実験の中で、その部分も確かめていきます。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(iPS細胞について)
・iPS細胞とは、体のあらゆる細胞に変化することが出来る“万能細胞”のことである
・今、医療分野で様々な研究が進んでいる

(iPS細胞を使ったアイ・ピースの取り組み)
・ベンチャー企業、アイ・ピースは血液から自分だけのiPS細胞を作り、凍結保存するサービスを手掛けている
・そのiPS細胞を培養し、培養液をろ過する
・今回の実証実験に使うのは、このろ過した液体、この中にある成分が含まれている
 -iPS細胞を培養すると、細胞の成長を促す成長因子と呼ばれる成分などが出てくる
 -その成分がコラーゲンやヒアルロン酸を生み出す力を高めるなどし、肌が活性化するという
 -写真で確認するとしわが減っている
 -更に、この成分を頭皮に使用すると、血管の新生が促進され、毛髪の幹の成長を促すという
・今回の実証実験でiPS細胞の可能性が美容など、身近な分野に広がると期待している

(iPS細胞を使ったコーセーの取り組み)
・今回の実証実験に参加するコーセーはiPS細胞を使い、一人一人に合った商品の開発を目指すという
・実証実験には都内の美容室、銀座よしえクリニック池袋院(豊島区)も参加している
・iPS細胞の抽出成分にコーセーが新たに開発した乳液などを混ぜ合わせる
・価格は肌の診断費用などを含めて年間100万円前後になる予定である
・今後2年かけてシワなどが改善するかや安全性などを確認する

今回ご紹介したのは、iPS細胞から抽出した成分の活用により肌を活性化させてシワが減ったり、この成分を頭皮に使用すると、血管の新生が促進され、毛髪の幹の成長を促すというような効果が期待出来るのです。
これらが製品化されれば、これまでにない成果が得られて、既存の関連商品を凌駕することが見込まれます。

そもそもiPS細胞は体のあらゆる細胞に変化することが出来る“万能細胞”なのですから、原理的には体のどの部位も再生ることが出来るのです。
ですから、今後とも医療においても美容においてもこうした事例がどんどん登場してくると期待出来ます。

なお、今回ご紹介した、iPS細胞による肌の活性化に取り組んでいるような企業は今のところないようです。(添付3参照)


添付1)

ベンチャー企業、アイ・ピースについて
ChatGPT

アイ・ピース株式会社は、iPS細胞を活用した個人向けバンキングサービスや細胞製造受託サービスを提供する京都拠点の企業です。同社は、山中伸弥教授の研究室出身でiPS細胞研究に深く関わる田邊剛士氏によって設立されました。アイ・ピースは、細胞製造施設「Peace Engine Kyoto」がアメリカ食品医薬品局(FDA)に認可されるなど、国内外での再生医療の基盤構築にも貢献しています。
主な取り組みとして、個人の体細胞から作成したiPS細胞を保存・利用する「My Peace」サービスや、医療用細胞の製造受託があります。また、iPS細胞由来成分を美容や健康分野に応用するためにコーセーやレジュと提携しており、パーソナライズ美容商品の開発にも注力しています。

添付2)

ベンチャー企業、レジュについて
ChatGPT

レジュ株式会社は、2023年12月に設立されたバイオテクノロジー分野の企業で、iPS細胞技術を活用した美容・健康分野への応用を目指しています。最近では、iPS細胞を用いたパーソナライズされた美容商品の開発に向けて、他企業と技術提携を行っています

スピーダ スタートアップ情報リサーチ BeautyTech.jp


添付3)

どこの企業がiPS細胞による肌の活性化に取り組んでいるか?
ChatGPT

現在、iPS細胞を活用した肌の活性化に取り組む企業としては、コーセーが注目されています。同社は、アイ・ピースやレジュと技術提携を行い、iPS細胞技術を利用したパーソナライズ美容商品を開発しています。この取り組みでは、個人の肌や美容ニーズに合わせた真の「パーソナライズ美容」の実現を目指しており、医療機関を通じて商品を提供する計画です。
この技術を活用した美容液などは2026年度までの本格展開を予定しており、北米や中国市場などへのグローバル進出も計画されています。価格設定は同社の高級化粧品の範囲内に収める方針で、まずは高所得層をターゲットにしていますが、将来的にはより多くの人々に利用できる商品を目指しています【202】【203】。
詳しくは、コーセーの公式サイトや関連ニュースをご確認ください。

 
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2024年11月20日
アイデアよもやま話 No.6057 なぜ日本はドイツにGDPで追い抜かれたのか?
7月23日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でなぜ日本はドイツにGDPで追い抜かれたのかについて取り上げていたのでご紹介します。 

最低賃金の議論が大詰めを迎えていますが、日経ビジネスの編集委員、山川龍雄さんは次のようにおっしゃっています。
「私は、日本は(最低賃金の)引き上げのペースが遅過ぎると思うんですよね。」
ここにありますように、ドイツとの比較でいうと、最低賃金はドイツは日本の約2倍ですね。」
「ちなみに、このまま(毎年)5%ずつぐらい上昇させていったとしても、今のドイツの水準に追いつくのに15年かかります。」
「その頃、ドイツは先を行っているわけですね。」
「私は何よりも、最近GDPで(ドイツに)抜かれましたけども、これは為替の影響は勿論ありますけど、最低賃金が関わっていると思ってるんですよ。」
「(なぜ最低賃金がGDP成長率に影響するのかという問いに対して、)これ新陳代謝に関わってくると思うんですよね。」
「これ、ご覧の通りドイツと比較すると、開業率も廃業率も日本は非常に低いんですよ。」
「で、ドイツというのは、結局、賃金上昇に絶えられなくなった会社はみんな統廃合の対象になっていくわけです。」
「だからドイツの中堅中小企業は生産性が高いわけですよ。」
「それに比べると日本は使命を失ったような企業を守り過ぎたことによって、結果として国民が犠牲になってるんじゃないかなと私は思います。」
「(企業の新陳代謝が必要だということかという問いに対して、)そう思います。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、最低賃金とGDPの関連について、日経ビジネスの編集委員、山川さんの見解について以下にまとめてみました。
・日本は最低賃金の引き上げのペースが遅過ぎる
・ドイツとの比較でいうと、最低賃金はドイツは日本の約2倍である
・このまま毎年5%ずつぐらい上昇させていったとしても、今のドイツの水準に追いつくのに15年かかるが、その頃、ドイツは先を行っている
・最近GDPでドイツに抜かれたが、これは為替の影響もあるが、最低賃金が関わっている
・最低賃金がGDP成長率に影響する要因として、新陳代謝が挙げられる
 -ドイツと比較すると、開業率も廃業率も日本は非常に低い
 -ドイツは、賃金上昇に絶えられなくなった会社はみんな統廃合の対象になっていく
 -だからドイツの中堅中小企業は生産性が高い
 -それに比べると日本は使命を失ったような企業を守り過ぎたことによって、結果として国民が犠牲になっている
・GDPの成長には企業の新陳代謝が必要である

要するに、今のような技術革新が激しく、それに対応して企業の新陳代謝が求められる時代には、どうしても技術の変化をうまく経営に活かしていく企業とそうでない企業が出てくるのです。
そして、そうでない企業は技術の変化をうまく経営に活かしていく企業に比べて生産性が低くなるので相対的に賃金を低くせざるを得ません。
まさに日本は“失われた30年”と言われる長い期間、こうした企業の生き残りに照準を合わせて企業の生き残り政策を続けてきた結果、ドイツにGDPで追い抜かれるような状況になってしまったのです。
このままでは2,3年後にはインドにも追い抜かれてしまいます。
ちなみにGDPの世界ランキングは添付1を参照下さい。

さて、現在も最低賃金を巡って与野党間での議論が進んでいます。(添付2参照)
しかし、どの政党も最低賃金とGDPの関連の視点から最低賃金について議論を進めているところはないようです。
なお、最低賃金がGDPに与える影響については添付3を参照下さい。

一方で、少子高齢化が進みつつあり、既に人手不足が注目されています。
そこで、何とかうまい方法で、国には以下の政策を進めていただきたいと思います。
・最低賃金を毎年のように継続的に上げていき、いずれドイツと同等のレベルにまで引き上げること
・将来的に成長が期待出来るベンチャー企業に資金、人材などの面で支援すること
・今後とも成長が期待出来る中小企業で最低賃金に近い賃金の企業と大企業、あるいは中企業とのマッチングにより統廃合を推進すること

いずれにしても、AI関連を中心に技術革新が驚異的、かつ継続的に進んでいる中(参照:No.6042 ちょっと一休み その953 『目を見張るAIの驚異的な進歩!』)、こうした大きな変化に対応し続けるような柔軟な経営力を持った企業をより増やしていくことが国として求められるのです。
こうした企業は増えていけば、自ずと毎年、最低賃金を上げていく一方で、企業の国際的な競争力を高め、更にGDPの世界ランキングも上位に位置し続けることが出来るのです。


添付1)

GDPの世界ランキングは?
ChatGPT

2024年の世界GDPランキング(名目値)では、以下の国々が上位を占めています:
1.アメリカ合衆国:28.78兆ドル
世界最大の経済であり、多様な産業(サービス、製造業、金融、テクノロジー)に支えられています。
2.中国:18.53兆ドル
製造業、輸出、投資を中心に成長を遂げる第二位の経済大国です。
3.ドイツ:4.59兆ドル
高度なエンジニアリングや自動車産業で知られる輸出主導型経済です。
4.日本:4.11兆ドル
自動車やエレクトロニクス分野の技術力で世界的に有名です。
5.インド:3.94兆ドル
高い成長率(7%)を誇り、情報技術、農業、製造業が主な成長要因です。

以下にはイギリス(3.49兆ドル)、フランス(3.13兆ドル)、ブラジル(2.33兆ドル)が続きます
Forbes India Statista Financial World News -。

各国のGDPに関する詳細や背景について、さらに知りたい場合は上記の出典を参照してください。

添付2)

現在、最低賃金を巡って与野党間での議論が進んでいるが、その論点は?
ChatGPT

現在、最低賃金の引き上げを巡る議論では、与野党間で以下のような主要な論点があります。
1.最低賃金の目標額とペース
多くの政党が最低賃金の全国平均を「時給1,500円」に引き上げることを掲げていますが、その実現までの期間や具体的な方法に違いがあります。例えば、自民党は「物価に負けない賃上げ」を公約に掲げる一方、立憲民主党や共産党は全国一律の最低賃金制を提案しています【103】【105】。
2.地方格差の解消
最低賃金引き上げの一環で、地方格差をどう解消するかが議論されています。現在、最低賃金には地域差があり、地方での急速な引き上げは中小企業に大きな負担となるため、支援策が求められています【104】【105】。
3.年収の壁の問題
最低賃金が上がると、扶養控除の上限(いわゆる「年収の壁」)を超える人が増え、働く時間を控える動きが懸念されています。このため、最低賃金引き上げと併せて扶養控除の仕組みの見直しも必要とされています【104】。
4.中小企業への影響と支援策
急速な最低賃金引き上げは中小企業の人件費負担を増大させるため、事業主向けの補助金や減税などの支援策が不可欠です。また、急激な引き上げは企業の経営や雇用にも影響を及ぼすリスクが指摘されています【105】。

これらの議論は、単に最低賃金を上げるだけでなく、物価上昇や企業経営への影響、社会保障制度の改革など、包括的な政策を伴う必要性を示しています。

添付3)

最低賃金がGDPに与える影響は?
ChatGPT

最低賃金がGDP(国内総生産)に与える影響は、経済全体の需要と供給、労働市場、消費活動に大きく関係します。この影響は短期的なものと長期的なものがあり、国の経済構造や政策の運用次第で異なる結果をもたらします。
________________________________________
1. 最低賃金引き上げがGDPにプラスの影響を与える場合
1.1. 消費の拡大
・購買力の向上:
最低賃金が上昇すると、低所得層の所得が増え、消費が拡大します。特に低所得者層は所得の大部分を消費に回す傾向が強く、これが経済全体の需要を押し上げます。
・内需主導の経済成長:
国内消費が増加すると、企業の売上が拡大し、生産や雇用の増加につながり、GDPが成長します。
1.2. 労働生産性の向上
・効率化への投資:
最低賃金の引き上げにより、企業が効率化や技術投資を進め、労働生産性が向上することがあります。これがGDP成長に貢献します。
・高付加価値産業への移行:
低賃金労働に依存する産業から、高付加価値の産業へのシフトが進む場合、経済の質が向上します。
1.3. 社会的安定
・所得格差の縮小:
最低賃金の引き上げが所得格差を緩和し、社会的安定をもたらすことで、持続可能な経済成長を支えることがあります。
________________________________________
2. 最低賃金引き上げがGDPにマイナスの影響を与える場合
2.1. 失業の増加
・企業の雇用削減:
最低賃金の引き上げにより、特に中小企業や労働集約型産業で雇用コストが増加し、解雇や採用抑制が進む可能性があります。これが失業率を上昇させ、GDPにマイナスの影響を与えることがあります。
・非正規労働の拡大:
雇用が維持されても、企業が正社員から非正規社員に切り替える場合、労働者の可処分所得が減少し、消費が抑制される可能性があります。
2.2. 企業の競争力低下
・生産コストの増加:
最低賃金の引き上げが急激に行われると、特に輸出競争力が低下し、企業の収益が減少する場合があります。
・海外移転:
一部の企業が労働コストの低い国へ生産拠点を移転することで、国内の生産活動が減少し、GDPが低下する可能性があります。
2.3. 価格上昇(インフレーション)
・コストプッシュ型インフレ:
労働コストが増加することで、商品やサービスの価格が上昇し、消費が抑制されることがあります。この場合、経済全体の成長が鈍化する可能性があります。
________________________________________
3. 短期的影響と長期的影響の違い
・短期的影響:
最低賃金引き上げ直後は、失業や企業コスト増加の影響が目立ちやすく、GDPにネガティブな影響が出ることもあります。
・長期的影響:
適切な調整が行われれば、最低賃金の引き上げが消費拡大や労働生産性の向上を通じてGDP成長を促進する可能性があります。
________________________________________
4. 実例とケーススタディ
米国
・2020年代の一部の州で最低賃金が大幅に引き上げられた結果、消費が拡大し、地元経済が活性化した例があります。ただし、一部の低賃金産業では雇用が減少したケースも見られました。
日本
・日本では最低賃金の緩やかな引き上げが行われていますが、円安や物価上昇の影響で実質賃金の改善が遅れており、消費の拡大に十分寄与していないとの指摘があります。
新興国
・最低賃金引き上げが急激に進むと、低コスト労働を求める企業が撤退し、失業増加が経済全体を停滞させるリスクが報告されています。
________________________________________
5. バランスの重要性
最低賃金の引き上げがGDPに与える影響は、以下の要因に大きく左右されます:
・引き上げ幅: 急激な引き上げはマイナス影響を強めるリスクがありますが、段階的かつ適切な幅での引き上げはプラスの影響をもたらしやすいです。
・経済の柔軟性: 労働市場の適応力や産業構造の多様性が重要です。
・政策の補完性: 中小企業支援策や雇用創出施策が伴えば、マイナス影響を緩和できます。
________________________________________
まとめ
最低賃金の引き上げがGDPに与える影響は、一面的ではなく、消費拡大によるプラス効果と、コスト増加によるマイナス効果が複雑に絡み合います。適切な政策設計と段階的な調整が行われれば、最低賃金引き上げはGDPの成長に貢献する可能性が高いといえます。

 
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2024年11月19日
アイデアよもやま話 No.6056 ペニシリン系の抗菌薬の原液が30年ぶりの国産化へ!
7月22日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でペニシリン系の抗菌薬の原液が30年ぶりに国産化されることについて取り上げていたのでご紹介します。

現在、抗菌薬のもととなる原薬の多くは海外からの輸入に頼っていて、その供給が途絶えれば、薬が生産出来なくなる恐れがあります。
原薬の国産化は日本にとって今が最後のチャンスと言われる中、今日、1つの取り組みが動き出しました。
今日、製薬大手、明治製菓 ファルマ(Meiji Seika ファルマ株式会社)の岐阜工場(岐阜県北方町)で行われた起工式。
新たに建設する工場で生産するのはペニシリン系の抗菌薬です。
明治製菓 ファルマの小林大吉郎社長は次のようにおっしゃっています。
「完成の暁には我が国のペニシリン原液のほぼ全てをここで生産するということに相成ります。」

そもそもペニシリン系の抗菌薬はどんな時に使うものなのでしょうか。
病院で聞きました。
東京医科歯科大学病院の永田将司薬剤部長は次のようにおっしゃっています。
「ペニシリン系抗菌薬は幅広く使われているんですけども、中耳炎とか簡単なものから肺炎ですとか、けっこう重たい病気まで様々に使われています。」

治療や手術時の感染予防など、幅広く使われているペニシリン系抗菌薬。
カビ菌が発酵によって作り出した世界で初めての抗生物質です。
医療現場で欠かせない薬の一つですが、その原液は全て輸入に依存しているといいます。
永田さんは次のようにおっしゃっています。
「現状、中国で作っているということなので、もし何かが起きると、基本的に全部使えなくなってしまう。」

中国では巨大な設備で抗菌薬の原薬を大量生産し、世界中に輸出しています。
日本の製薬メーカー、各社も価格の安さからほぼ100%中国から輸入した原液をもとに製造しています。

ところが、2019年の中国の工場停止などにより供給がストップ。
日本の医療機関でも抗菌薬が不足し、手術が延期されるなどの影響が出ました。

抗菌薬の安定供給が課題となる中、明治製菓 ファルマは国内で原薬の生産から契約までを一貫して手掛けることを決めたのです。
その場として選ばれたのがこの岐阜工場です。

国内生産の再開に向けて動き出した明治製菓 ファルマ、ペニシリン系抗菌薬の原薬の生産に向けて準備が進んでいました。
明治製菓 ファルマご岐阜工場の宮下隆製造部長は次のようにおっしゃっています。
「こちらのタンクが165トン槽。」
「ペニシリンていろいろな栄養源を入れたりしまして、非常に大きい槽でないと培養って難しいですので。」
「で、このレベルだと国内にあるのは岐阜工場だけですので。」

一部しか見えていませんが、床下に隠れている部分を含めると、全長11mという、この巨大な設備。
ペニシリンを作り出す青カビを効率よく培養するためには大型のタンクが必要だといいます。
このタンクが2基稼働すれば、国内需要を賄えるといいます。
宮下さんは次のようにおっしゃっています。
「こちらは1984年にできた設備になります。」

使い込まれていますが、それもそのはず。
1994年までは、この装置を使ってペニシリンの原薬を作っていたのです。
そして今が再開の最後のチャンスと言われる理由が技術者の存在です。
1984年に入社し、生産を中止するまでの10年間ペニシリン生産に携わっていた明治製菓 ファルマ岐阜工場の山田浩一郎さん(58歳)は次のようにおっしゃっています。
「まさか、またペニシリンの製造が再開するとは思っても見ませんでした。」

「165トン槽を滅菌するためには高圧の蒸気を大量に使用します。」
「それを自動でやろうとすると、配管などに急激に負荷がかかり、設備を損傷させる可能性があります。」
「そのためには、やっぱり(発酵)タンクの特性を知る職人技が必要になってきます。」

量産を手掛けた技術者がまだ残っていたことが30年ぶりに再開する決め手だったのです。

そして、生産を担う若手の育成にも余念がありません。
ベテランの技術を伝えるとともに生産効率を高める取り組みも同時に進め、2025年度の本格稼働を目指します。

しかし、課題も。
生産や培養後の廃液処理などに多くの電力を使うことなどから中国と比べると製造コストは5倍以上になるといいます。
一方で、医薬品は公定価格のため、製造原価に見合う値段をつけることが出来ません。

政府も対応を進めていますが、まだ課題は残されたままです。
小林社長は次のようにおっしゃっています。
「経済合理性が無いから撤退出来るジャンルでは当然ないと思ってますから、令和のペニシリン工場としてリスタートして、日本の医療を支える。」
「それから抗菌剤市場を活性化するために投資可能な領域にしたいなと。」

政府も抗菌薬の国産化を後押ししています。
明治製菓 ファルマを含む2つのプロジェクトに対し、合わせて550億円を補助しています。
抗菌薬は安定共有が必要不可欠ですから、経済安全保障や国民の生命を守るという観点からも重要な取り組みの一つです。
ただ、補助金の対象はあくまでも製造設備に対するものですので、中国と比べると生産コストが高い国産の原薬を継続して使えるようにするための仕組みづくりが必要とされています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(ペニシリン系の抗菌薬の効用)
・中耳炎や肺炎とか、けっこう重たい病気の治療や手術時の感染予防など、幅広く使われている

(ペニシリン系の抗菌薬の原液は全て中国に依存)
・カビ菌が発酵によって作り出した世界で初めての抗生物質である
・明治製菓 ファルマの岐阜工場で1984年にできた装置を使って1994年までは、この装置を使ってペニシリンの原薬を作っていた
・中国では巨大な設備で抗菌薬の原薬を大量生産し、世界中に輸出している
・医療現場で欠かせない薬の一つだが、日本の製薬メーカー、各社も価格の安さからほぼ100%中国から輸入した原液をもとに製造している

(ペニシリン系の抗菌薬の安定供給対策)
・もし中国で何かが起きると、ペニシリン系の抗菌薬は基本的に全部使えなくなってしまう
・ところが、2019年の中国の工場停止などにより供給がストップしたので、日本の医療機関でも抗菌薬が不足し、手術が延期されるなどの影響が出た
・ペニシリン系の抗菌薬の安定供給が課題となる中、製薬大手の明治製菓 ファルマは国内で原薬の生産から契約までを一貫して手掛けることを決めた
 -明治製菓 ファルマの岐阜工場で7月22日に起工式が行われた
 -新たに建設する工場で生産するのはペニシリン系の抗菌薬である
 -完成の暁には我が国のペニシリン原液のほぼ全てをここで生産することが出来る

(明治製菓 ファルマの岐阜工場でペニシリン系の抗菌薬の原液の製造を再開することになった決め手は?)
・今が再開の最後のチャンスと言われる理由が技術者の存在である
 -発酵タンクの特性を知る職人技が必要になるが、かつて量産を手掛けた技術者がまだ残っていたことが30年ぶりに再開する決め手だった
 -ベテランの技術を若手に伝えるとともに生産効率を高める取り組みも同時に進め、2025年度の本格稼働を目指す

(新たな課題)
・生産や培養後の廃液処理などに多くの電力を使うことなどから中国と比べると製造コストは5倍以上になるという
・一方で、医薬品は公定価格のため、製造原価に見合う値段をつけることが出来ない
・明治製菓 ファルマの小林社長は、経済合理性が無いからと言って撤退出来るジャンルではないので、令和のペニシリン工場としてリスタートして、日本の医療を支えるとともに抗菌剤市場を活性化するために投資可能な領域にしたいと言う
・政府も抗菌薬の国産化を後押ししている
 -明治製菓 ファルマを含む2つのプロジェクトに対し、合わせて550億円を補助している
 -抗菌薬は安定共有が必要不可欠なので、経済安全保障や国民の生命を守るという観点からも重要な取り組みの一つである
 -ただ、補助金の対象はあくまでも製造設備に対するものであり、中国と比べると生産コストが高い国産の原薬を継続して使えるようにするための仕組みづくりが必要とされている

なお、明治製菓 ファルマの岐阜工場で1994年まではペニシリンの原薬を作っていたのに、なぜその後は中国から輸入することになったのかについては添付1を参照下さい。

番組を通して、一時とても話題になっていた経済のグローバル化について、今や、中国やロシアの動き、というよりも習近平国家主席やプーチン大統領の覇権主義的な行動を見るととてもグローバル化による危うさを感じてしまいます。
要するに、中国やロシアとの外交関係次第で、いつ特定の商品の供給量が減らされたりストップしたりといったことが起こり得るのです。
ですから、中国やロシアから供給する商品に関するサプライチェーンの再構築が求められるのです。
今回ご紹介した、明治製菓 ファルマの岐阜工場でのペニシリン系の抗菌薬の原液の製造の再開はその一環と言えます。
しかし、こうした日本企業による製造の再開は、当然、コストアップによる薬剤など価格の上昇を招きます。
ですから、本来、世界各国、および企業が“三方良し”の精神で、お互いに協力し合うような良好な関係であれば、適材適所でいろいろな商品がより安い価格で提供されるのです。
なお、抗菌薬にはペニシリン系以外にもいくつかあります。(添付2参照)
ですから、これらの抗菌薬の安定供給は大丈夫なのか心配になってきますが、国内での製造能力を向上させることで、輸入依存からの脱却を図る動きが加速しているようです。


添付1)

明治製菓 ファルマの岐阜工場で1984年にできた装置を使って1994年まではペニシリンの原薬を作っていたのに、なぜその後は中国から輸入することになったのか?
ChatGPT

明治製菓ファルマの岐阜工場では、1984年に設置された設備を使用して1994年までペニシリンの原薬を製造していました。その後、国内生産を中止し中国から原薬を輸入するようになった背景には、以下のような要因が考えられます。
1. コスト競争の激化
・中国では1980年代以降、ペニシリン原薬の大量生産が進み、世界市場に向けて非常に安価に供給されるようになりました。
・国内での生産コストは、労働力や原材料の価格、環境規制の影響で中国と比較して高かったため、競争力が低下しました。
2. 市場のグローバル化
・1990年代は、医薬品業界の国際的なサプライチェーンの構築が進んだ時期です。低コストかつ大量生産可能な国から原材料を調達する動きが加速しました。
3. 国内需要の変化
・ペニシリン系抗生物質は長い間、抗菌薬市場の主力でしたが、1990年代以降、新しい世代の抗生物質(セフェム系やマクロライド系)の普及が進み、需要が多様化しました。これにより、国内での大量生産の必要性が低下しました。
4. 環境規制と生産技術の課題
・ペニシリンの製造工程には、多くの水を使用し、有機溶媒や排水の処理が必要です。日本国内の厳しい環境規制を満たすためのコストが、海外生産に比べて不利になった可能性があります。
5. グローバルな競争戦略
・明治製菓ファルマは、抗生物質の製造から撤退する一方、医薬品事業を他の分野で強化する戦略をとったと考えられます。新薬開発や高付加価値の製品に注力する方針の一環であった可能性があります。
これらの要因の組み合わせが、国内でのペニシリン原薬生産の終了と輸入への切り替えにつながったと考えられます。詳細な情報は当時の業界動向や会社の公表資料を参照するとより具体的に把握できるでしょう。

添付2)

抗菌薬のもととなる原薬にはどんなものがあるか?
ChatGPT

抗菌薬の原薬(API: Active Pharmaceutical Ingredients)には、さまざまな化学構造や生物由来の物質が使用されています。以下に代表的な例を挙げます:
1. ペニシリン系抗菌薬
・原薬:6-アミノペニシラン酸(6-APA)
・出典:ペニシリウム属のカビから発見された自然由来の成分。
・応用例:ペニシリン、アモキシシリンなど。
2. セフェム系抗菌薬
・原薬:7-アミノセフェム酸(7-ACA)または7-アミノ-3-デアセトキシセファロスポラン酸(7-ADCA)
・出典:セファロスポリウム属の菌由来。
・応用例:セファレキシン、セフタジジムなど。
3. アミノグリコシド系抗菌薬
・原薬:ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシンなど。
・出典:放線菌(ストレプトマイセス属)由来。
・応用例:アミカシン、トブラマイシンなど。
4. マクロライド系抗菌薬
・原薬:エリスロマイシン
・出典:放線菌由来。
・応用例:クラリスロマイシン、アジスロマイシン。
5. テトラサイクリン系抗菌薬
・原薬:クロルテトラサイクリン
・出典:放線菌由来。
・応用例:ドキシサイクリン、ミノサイクリン。
6. グリコペプチド系抗菌薬
・原薬:バンコマイシン
・出典:放線菌(アクチノバクテリア)由来。
・応用例:バンコマイシン、テイコプラニン。
7. フルオロキノロン系抗菌薬
・原薬:ナリジクス酸
・出典:化学合成された成分。
・応用例:シプロフロキサシン、レボフロキサシン。
8. ポリペプチド系抗菌薬
・原薬:ポリミキシンB、コリスチン
・出典:バシラス属の細菌由来。
・応用例:ポリミキシンB、ポリミキシンE(コリスチン)。

これらの原薬は、多くの場合、微生物の代謝産物を元にして開発されており、一部は完全に化学合成されたものや、半合成(天然由来成分を基に化学修飾)されています。各原薬は独自の作用機序を持ち、細菌の増殖や生存を阻害します。詳しいデータは製薬会社や薬学関連の研究機関の資料に記載されています。

 
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2024年11月18日
アイデアよもやま話 No.6055 1人5万円で空の”豪華な旅”!
7月22日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で1人5万円で空の”豪華な旅”について取り上げていたのでご紹介します。 

東京・新宿、雑居ビルの一室で昨年設立されたのがマイクロジェット株式会社、チャーター便を運航するスタートアップです。
6人乗り小型ジェット機を1機所有し、国内でサービスを展開しています。
マイクロジェットの高橋良社長は次のようにおっしゃっています。
「中古で3億〜4億円程度で、世界で一番小さいクラスのジェット機になっております。」
「小さい分、運航コストが安い。」

そして、今年始めたのがプライベートジェットに1人5万円から乗れる新サービスです。
高橋社長は次のようにおっしゃっています。
「トライヤルフライトというものをやっています。」
「まずプライベートジェットが日本で飛んでいるのを知っていただきたい、体験していただきたい。」

北海道の札幌丘珠空港、駐機場にはマイクロジェットの機体が。
早速、1人5万円のフライトを体験するお客さんがやってきました。
学生時代の同級生、4人組。
この日のためにシャンパンを用意しました。
なぜ1人5万円でプライベートジェットに乗れるのでしょうか。
マイクロジェットの常務取締役でパイロットでもある鬼澤健斗さんは次のようにおっしゃっています。
「昨日、札幌丘珠空港までご利用いただいたお客様がおりまして、羽田空港に戻る際にお客様のいないフライトが出来てしまいましたので、そちらの空き便にトライアルフライトとして搭乗いただいております。」

この飛行機は前日、羽田空港から正規料金でお客を乗せて札幌丘珠空港まで飛行。
これまでは空席のまま戻っていましたが、その片道分をリーズナブルな料金で提供することにしたのです。
このサービス、無料の会員登録をすれば、空き便のフライト情報が届きます。
先着順で搭乗者が決まる仕組みです。
羽田空港まで仲間だけの空の旅でした。
利用客は次のようにおっしゃっています。
「家のリビングみたいな感じで、周りを気にせずにお話とかも出来るので楽しかったです。」

年内にもう一機増やし、サービスを広げていく予定です。
高橋社長は次のようにおっしゃっています。
「プライベートジェット、ビジネスジェットというのを当たり前に使っていただけるような文化をつくっていきたいなと思っています。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
スタートアップ、マイクロジェットは6人乗り小型ジェット機を1機所有し、国内でサービスを展開している
・中古で3億〜4億円程度で、世界で一番小さいクラスのジェット機なので、小さい分、運航コストが安い
・今年始めたのがプライベートジェットに1人5万円から乗れる新サービス「トライヤルフライト」である
 -・狙い:プライベートジェットが日本で飛んでいるのを知ってもらい、体験して欲しいことである
 -仕組み:羽田空港から正規料金でお客を乗せて札幌丘珠空港まで飛行しており、これまでは空席のまま戻っていたが、その片道分をリーズナブルな料金で提供することにした
  このサービス、無料の会員登録をすれば、空き便のフライト情報が届き、先着順で搭乗者が決まる仕組みである
・年内にもう一機増やし、サービスを広げていく予定である
・マイクロジェットでは、プライベートジェット、あるいはビジネスジェットを当たり前に使っていただけるような文化をつくっていきたいという

上記の条件はありますが、6人乗り小型ジェット機、プライベートジェットで札幌丘珠空港から羽田空港まで飛行して、1人5万円という価格はとても格安だと思います。
ちなみにネット検索してみたら正規料金は1,529,000 円(税込)でしたから、正規料金ではお金にゆとりのある、ごく一部の方しか利用しないと思います。
また、この路線以外にも国内でいろいろあるようです。
いずれにしても、1人5万円というのは破格の値段なので、私も機会があれば利用してみたいと思います。

 
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2024年11月17日
No.6054 ちょっと一休み その955 『自由に使える手取り所得の実感ランキング』
6月20日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で自由に使える手取り所得の実感ランキングについて取り上げていたのでご紹介します。

東京都が抱える課題に対して、明治大学の飯田泰之教授は次のようにおっしゃっています。
「私が注目しているのは地域政策なんですけども、東京都はまず第一に日本の首都であって、そして経済規模でも中規模の国よりも大きい経済規模のエリアなんですね。」
「だからこそ、その政策というのは東京都の住民だけではなく、日本国全体にとって大きな影響を与えます。」
「その中でも近年注目されている東京一極集中の問題を考える時に一つ懸念と課題があるかと思うんですけども、これ、かつて国土交通省が出していた資料ですが、所得の中央値、真ん中ぐらいの収入の人の収入から住居費、必需品の購入、水道・光熱費などを覗いた、言わば実感としての可処分所得の順位をつけると、東京都は収入は多いけども家賃や物価が高いので、実感として自由になるお金でみると、47都道府県中42位になってしまうんですね。」
「(これは多摩地区なども入っていますけども、)これ23区内だったら、もっと高い物価、高い家賃、または住宅ローンということになりますので、そういった、ある意味で暮らしにくさを感じざるを得ないエリアですよね、」
「(東京都民はもしかしたら、地方の人たちよりも実感としては貧しい生活をしているこことになるのかという問いに対して、)これは家賃、または持ち家かどうか次第なんですけども、よく言われるのは、だいたい東京都の1000万円と地方都市の600万〜700万円ぐらいの所得が実感として同じくらいの消費活動をしているというふうに言われます。」
「で、この中で、じゃあ住み易い東京というのを目指すと同時に東京でありつつも東京一極集中をどうやって改善していくのか、2つの方向性、どこに力点を置くのというビジョンを示して欲しいですね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、2023年に東京都に転入する世帯が転出する世帯を68,285件上回り、2年連続で増加しました。
この数値はコロナ禍前の2019年の82,982件に近く、若年層を中心とした転入の増加が目立っています。(添付1参照)

こうしたことから、やはり、収入は多いけども家賃や物価が高いので、実感として自由になるお金でみると、47都道府県中42位になってしまう一方で、特に若い人たちを中心に東京はファッションなど流行の先端を走っていたり刺激的で、交通の便が良いなど、自由に使えるお金は少なくても、トータルとして暮ら安いというメリットがあります。
加えて、やはり東京は他の道府県に比べて就職のし易さというメリットがあります。(添付2参照)

では、今も続いている東京一極集中を打破する政策ですが、以下の2つの政策の組み合わせが最も有効と考えます。
・在宅勤務、あるいはどこでも働けるリモート勤務の拡大
・各地方がそれぞれの独自の良さを中心に、住み易い環境の整備、および就職機会の拡大を目指すこと


添付1)

最近の東京都から他の県などに引っ越す世帯と逆に東京都に引っ越す世帯の数の差のトレンドは?
ChatGPT

東京都の移動者数トレンドでは、2023年に東京都に転入する世帯が転出する世帯を68,285件上回り、2年連続で増加しました。この数値はコロナ禍前の2019年の82,982件に近く、若年層を中心とした転入の増加が目立っています。パンデミック後の就職や異動が、再び東京への人口集中を後押ししているとされています。逆に、大阪や名古屋のエリアでは転出超過が続いています。

添付2)

東京と他の道府県を就職のし易さで比べると?
ChatGPT

東京と他の道府県を就職のし易さで比べると、一般的に東京は最も就職しやすい地域とされています。以下の理由が挙げられます:
1.企業の集中: 東京は日本の経済・ビジネスの中心であり、国内外の大手企業が本社を構えています。これにより、業界を問わず多数の求人があります。
2.選択肢の多さ: 東京にはさまざまな業種・職種が豊富に存在し、専門職やクリエイティブ職、IT関連など、求人の選択肢も多いため、求職者にとっては選びやすい環境です。
3.高い給与水準: 東京は生活コストが高い一方で、給与水準も他の地域と比べて高い傾向にあります。そのため、収入面でも魅力的です。
4.ネットワーキングやキャリアアップの機会: 東京は専門的なイベントやセミナー、ネットワーキングイベントが多く、キャリアアップや人脈作りの機会が豊富です。
一方、他の道府県では、東京ほどの求人の集中はないものの、以下のような利点もあります:
・生活コストの低さ: 地方の都市では、家賃や物価が比較的安いため、生活費を抑えつつ就職することが可能です。
・地元企業の求人数: 地元企業や特定の業界に特化した求人が多く、特に地域密着型の仕事を求める場合には適していることがあります。
ただし、全体的には、東京の方が就職機会は豊富であり、競争が激しい反面、選択肢の広さやキャリアの成長性という点で有利とされています。

 
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2024年11月16日
プロジェクト管理と日常生活 No.896 『AI 脅威の進化で一変する世界』
2月20日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAI 脅威の進化で一変する世界について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。 

チャットGPTを開発したオープンAIが開発した動画作成AI「Sora(ソラ)」(添付1参照)で作成した動画を紹介していました。

オープンAIが2月15日に発表し、世界中で話題となっている動画作成AI「Sora」、その高いクオリティに今日、閣僚から相次いで悪用する懸念する声が上がりました。
簡単な文章による指示で動画を作り出すことが出来る「Sora」。
映像のクオリティはこれまでよりも高く、時間も既存のAIが数十秒程度が多い中、1分間の動画が作れます。
オープンAIは、「Sora」を芸術家や映像制作者に限定公開、リスクや安全性を今後検証していくとしています。

急速に進化する生成AI、最も懸念されるのが選挙での悪用です。
共和党の大統領候補者選びで、トランプ前大統領と指名争いを繰り広げていたフロリダ州のデサンテス知事が選挙からの撤退を表明する映像。
昨年話題になりましたが、実は生成AIで作られたフェイク動画です。
今年は世界40ヵ国以上で大統領などを決める選挙が行われる予定で、フェイク動画への警戒感はより高まっています。

こうした中、個人向けのオンラインセキュリティを提供しているマカフィが開発したのが、人物のまばたきの仕方や声の周波数など、様々な要素を複合的に数値化。
基準値を超える回数が多ければ、その動画は人工的に作られたものだと判別出来る仕組みです。
人間では認識が難しい違和感も検知出来るといいますが、「Sora」について、マカフィの栗山憲子社長は次のようにおっしゃっています。
「日進月歩なんですけども、学習している技術を組み合わせていく中、(生成AIも)精度も上がってきているので、非常に良い反面、私どもとしては、それを悪用する人間も増えてまいります。」

こうした中、オープンAIやグーグル、マイクロソフトなど、大手IT企業20社が選挙でのAIの悪用に対策を講じることを誓う協定に署名。
AIが作成するものだと分かるような仕組みの導入などを進める方針ですが、その有効性は未知数です。
以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

なお、7月30日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でハリス副大統領の偽動画について取り上げていたのでご紹介します。 

アメリカの実業家、イーロン・マスク氏がオーナーを務める旧ツイッターのXで、民主党の副大統領であり、大統領候補が確実視されているカマラ・ハリス氏を揶揄するような偽動画を拡散していたことが分かりました。
問題の動画はハリス氏に似た声で「私の発言を批判する人は差別主義者だ」などと話しています。
Xの規約では、誤解を招くような合成画像などの共有を禁止していますが、マスク氏は、「パロディ」と主張し、動画の拡散を正当化しました。
この件について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「このところのイーロン・マスク氏がトランプ氏に急接近していることと、これ全く無関係ではないと思うんですよね。」
「この二人の関係については、こういうことがあるんですよね。」
「一つは、5月ぐらいに報道されたんですが、トランプ氏がマスク氏に暗号資産などについての助言を依頼したという報道が相次いだんですね。」
「それから、トランプ氏の銃撃事件の直後にマスク氏がセオドア・ルーズベルト大統領に匹敵する屈強の人物としてトランプ氏を称賛したんですね。」
「で、もう一つは、これも最近ですけど、トランプ氏に巨額献金をしたっていう報道があって、「いやいや巨額ではない。ちょっと献金はしているけど。」という、そういうやり取りがあったと。」
「二人は急接近しているが、トランプ氏はEVに反対していることについて、)ここは、マスク氏が、ロイター通信の報道によると、我々にとってのライバル、つまり中国のEVメーカーですね。」
「壊滅的な打撃を与えるんであれば、我々にとっては長期的には利益になると。」
「そういうことを期待するんですね。」
「で、もう一つ、2人には共通点、これリバタリアン(添付3参照)だということだと思うんですね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

まず、簡単な文章による指示で動画を作り出すことが出来る「Sora」は、アーティストのみならず、あらゆる人たちにとって創造のハードルを下げてくれます。
ですから、一方で犯罪、あるいは反社会的な行為をする人たちも増えてきます。
こうしたことから、オープンAIは、「Sora」を芸術家や映像制作者に限定公開、リスクや安全性を今後検証していくとしていますが、極めて妥当な判断と言えます。(添付2参照)
また、マカフィがフェイク動画を識別するアプリの開発に取り組んでいますが、いまだに有効な成果は上げていません。
一方で、オープンAIやグーグル、マイクロソフトなど、大手IT企業20社が選挙でのAIの悪用に対策を講じることを誓う協定に署名したといいます。
しかし、残念ながら以下のように今回のアメリカ大統領選には間に合いませんでした。
それだけ、フェイク情報と本物の識別は非常に難しいと言えます。

・共和党の大統領候補者選びで、トランプ前大統領と指名争いを繰り広げていたフロリダ州のデサンテス知事が選挙からの撤退を表明するフェイク映像が掲載された
・イーロン・マスク氏がオーナーを務める旧ツイッターのXで、民主党の副大統領であり、大統領候補が確実視されているカマラ・ハリス氏を揶揄するような偽動画を拡散した

Xの規約では、誤解を招くような合成画像などの共有を禁止していますが、マスク氏は、「パロディ」と主張し、動画の拡散を正当化したというのです。
しかも、マスク氏は今回の大統領選挙期間中にこうした偽動画を多く拡散したと言われています。
ですから、明らかにマスク氏はXを完全に私物化していると言えます。
更にマスク氏はトランプ氏に巨額献金をしたのです。
巨額献金はともかく、Xを使ってトランプ氏の有利になるような偽動画を拡散していたことは本来のあるべき選挙を歪めるものです。
有権者が誰に投票するかの判断材料は今や、特に若い世代にとってSNSへの投稿情報の割合が大きいと言われているのです。
そのSNSへの投稿情報がフェイク動画やフェイク記事で溢れてしまってはまともな選挙は成立しません。
まさにフェイク情報は健全な社会を混乱させる大きなリスクと言えます。

ということで、先ほどのアメリカの大手IT企業20社が、AIが作成するものだと分かるような仕組みの導入などを進める方針といいますが、他のITセキュリティ関連企業も含めて是非早急にフェイク動画、あるいはフェイク記事を識別出来る有効なツールを開発していただきたいと思います。


添付1)

簡単な文章による指示で動画を作り出すことが出来る「Sora」とは、そしてその使用方法は?
ChatGPT

「Sora」は、OpenAIが提供する新しいテキストから動画を生成するツールで、テキストの指示を入力するだけで動画を作成できます。高度なAIと機械学習を用いて、テキストを解釈し、詳細なビジュアルやアニメーション、ナレーションを含む動画を生成します。シーンごとに一貫性を保ちながら、動きや奥行きのあるリアリズムを取り入れ、特にストーリーテリングに適した映像が作れます。
Soraの使用方法は、OpenAIのプラットフォームにログインし、テキストで動画の内容を指定し、好みに合わせてカスタマイズを行うという手順です。Soraはマーケティングや教育、eコマース、ストーリーテリングの分野で役立ち、編集スキルがなくても手軽に動画を作成できるのが特徴です。
現在、Soraは限定的なユーザーに提供されており、2024年に一般公開が予定されています。この段階的なリリースによって、OpenAIはフィードバックを基に安全性や信頼性を高め、技術の悪用防止に努めています。

添付2)

「Sora」はどのような方法で悪用防止への対応を考えていますか?
ChatGPT

OpenAIのテキストから動画を生成するツール「Sora」は、誤用の防止を目的としたさまざまな対策に取り組んでいます。たとえば、「レッドチーム」(特別なセキュリティテスター)やアーティストが実験的にSoraを利用して脆弱性の有無を検証し、悪用の可能性を未然に防ぐための対策を模索しています。これにより、公開前にツールの弱点を理解し、適切な防護措置を講じることが目的です。
具体的には、生成された動画にウォーターマークやメタデータを組み込み、合成コンテンツであることを視覚的に確認できるようにすることが検討されています。ただし、これらのマーカーが除去される可能性がある点が課題とされており、OpenAIは引き続き使用状況を慎重に監視し、責任あるAI利用の基準を維持する方針です。
これらの対策は、特に選挙や報道における誤情報拡散のリスクが高まる中で、生成AIの倫理的な利用を推進しようとする取り組みの一環です。

添付3)

リバタリアンとは?
ChatGPT

リバタリアン(Libertarian)は、個人の自由や自律を最重要視し、政府の権限や介入を極力減らすべきだとする政治思想や価値観を持つ人を指します。リバタリアニズム(Libertarianism)は、個人の権利、経済的自由、そして小さな政府を推進する立場をとります。リバタリアンの思想は、特に以下の点で特徴づけられます。
1.個人の自由の尊重:個人が自分の生活、選択、財産について最大限の自由を持つべきだと考えます。
2.小さな政府:政府の役割を最小限に抑え、社会の問題解決はなるべく個人や市場に委ねるべきだという考え方です。特に経済政策では、自由市場を重視し、規制の少ない競争を理想としています。
3.税負担の削減:税金を減らし、公共サービスも必要最低限に限定することで、政府による資源の再分配を抑制する傾向があります。
4.自己責任の強調:社会や他者に依存せず、個人が自分の行動の責任を取るべきだとする考えが強いです。
リバタリアンの考え方はアメリカで特に広がっており、「リバタリアン党」という政党も存在しますが、他国でも同様の考え方を持つ人々や団体が活動しています。

 
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2024年11月15日
アイデアよもやま話 No.6053 第三次世界大戦は既に始まっている!?
11月7日(木)付けネット記事(こちらを参照)で第三次世界大戦は既に始まっていることについて取り上げていたので内容の一部をご紹介します。 

・2024年10月16日付のワシントン・ポスト紙で、同紙コラムニストのウィルが、ロシア、北朝鮮、イラン、中国と欧米の間で第三次世界大戦は既に始まっているが、ハリスもトランプもそれに気付いていないと警告している。
・ロシアのウクライナ侵攻に関係して、第三次世界大戦は既に開始されているとする驚く警告であるが、同様の指摘は、エマニュエル・トッドが既に22年5月に主張している。この論説は、後から振り返れば14年のロシアによるクリミア併合が始まりであったということになるかもしれないと論じている。
・思えば、第二次世界大戦は、日本、ドイツ、イタリアの枢軸国の合従連衡によって始まった危機の連鎖であり、1931年の日本の満州占領から始まったことは明らかである。
・後世の人は、第三次世界大戦はロシアが2022年2月にウクライナを侵略する前の14年のクリミア占領に始まったと結論づけるかもしれない。  ・次期米国大統領は、25年1月20日以降、中国、ロシア、イラン、北朝鮮からなる今日の枢軸国に対処することになる。  
・ロシア西部の国境から中国がフィリピンの主権を侵害している海域まで、 今日の戦争と戦争寸前の舞台は、地球上の24のタイムゾーン(添付1参照)のうち6つのゾーンにまたがっている。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

この記事をご覧の皆様の中にも、現在の世界情勢について、おぼろげながら戦争の陰、すなわち第三次世界大戦が起きてしまうのではないかという不安を感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私もロシアによるウクライナ侵攻で北朝鮮軍の兵士がウクライナ軍との戦闘に投入されたと報じられた時点で、更に他の国も巻き込んだかたちで戦闘が拡大するのではと危機感が高まりました。

さて、記事にもあるように、第二次世界大戦は、日本、ドイツ、イタリアの枢軸国の合従連衡によって始まった危機の連鎖であり、1931年の日本の満州占領から始まりました。
同じように、今や2014年のロシアによるクリミア併合が第三次世界大戦の始まりであったと後世の世界史の教科書に書かれるかもしれないような世界情勢なのです。

では、2014年のロシアによるクリミア半島侵攻について、欧米の首脳は事前に把握していなかったかについては、添付2を、同じく2022年のロシアによるウクライナ侵攻について、欧米の首脳は事前に把握していなかったかについては添付3を、では、どうすればロシアによるクリミア半島、およびウクライナ侵攻を防ぐことが出来たかについては添付4参照下さい。

要するに、ロシアによるクリミア併合もロシアによるウクライナ侵攻も欧米の首脳はそれなりの情報を把握していたのですが、実行された場合の影響の重大性についての危機感が足りなかったので、現在の状況を招いてしまったわけです。
特にロシアによるウクライナ侵攻については、ロシアによるクリミア併合の再発防止策が的確に機能しなかったわけです。
ロシアによるウクライナ侵攻については事前にかなりの精度で侵攻が把握されていたのですから、どのような対策を実施すれば、プーチン大統領がウクライナ侵攻を踏み止まるかを精査し、それの対策を実施していれば防げた可能性が大きいのです。
仮にロシアによるウクライナ侵攻の収束に当たり、プーチン大統領の満足が得られれば、今後も近隣諸国への侵攻が繰り返されると見込まれます。
これまでと同様の欧米諸国の不十分な対応が継続されれば、やはり第三次世界大戦は2014年のロシアによるクリミア併合が始まりであったと後世の歴史家から言われてしまうのです。
では、こうしたひっ迫した国際状況を収束させた成功事例として挙げられるのは1962年のキューバ危機の解消です。(添付5参照)
やはり、こうした戦争の発生を食い止める最も重要なことは、それぞれの陣営で影響力の最も大きいアメリカ、ロシア、中国の首脳がそれぞれ日頃から対立しながらも直接会ってコミュニケーションを図ることです。

いずれにしても戦争は起きないに越したことはありません。
世界大戦のような大規模な戦争は特にそうです。
ですから、特に大規模な戦争が起きる要因となりそうな事象に対して火種が小さいうちに消してしまうことが必須です。
そういう意味で、欧米、および日本の首脳は今の国際情勢に対して敏感に情勢を把握し、タイムリーに適切な対応が求められるのです。
こうした中、アメリカのトランプ次期大統領は、自分が大統領になったら24時間以内にロシアによるウクライナ侵攻を収束させるというような発言をされていますが、そんなことは不可能と思いながらも、実現出来ればノーベル平和賞ものだと、かすかな期待をしてしまいます。

さて、ここでアイデアよもやま話 No.5831 世界の戦争終結に向けた考え方!の一部を以下に引用します。

防衛研究所の千々間さんによれば、世界の戦争終結は現在の犠牲の回避と将来の危険の除去、この2つのバランスで決定されてきたといいます。
また、アメリカの研究者は戦争を以下のように要因別に分析しています。
(陽動戦争)
・指導者が国内問題から目をそらそうとするような戦争である
・戦闘が激しくなる傾向がある
・しかし、短期間で終わることが多い。

(政策戦争)
・イデオロギーを巡る戦争である
・ベトナム戦争のように衝突は長く続く
・しかし、戦死者数の割合は比較的少ない

(コミットメント戦争)
・相手に対して不信感があり、交渉出来ない
・2度の世界大戦など、戦闘が激しく、長期化する

この引用から言えることは、以前にもお伝えしたように、万一第三次世界大戦が起きるようなことがあれば、地球温暖化阻止に向けた対策も中断してしまい、地球温暖化は一気に進んでしまいます。
そうなれば、想像を絶するような気候の変化を招いてしまいます。
そして、世界中で多くの人たちはこれまでの暮らしを奪われることになるのです。
このことは将来の危険に相当します。

また、第三次世界大戦が起きればコミットメント戦争に分類されるので戦闘が激しく、長期化すると見込まれます。
ですから、既に始まっているという見方がありますが、第三次世界大戦のこれ以上の拡大はなんとしても阻止しなければなりません。


添付1)

地球上の24のタイムゾーン
ChatGPT

地球には24の標準的なタイムゾーンがあり、各タイムゾーンは主に経度15度ごとに1時間ずつ異なります。以下に代表的なタイムゾーンを挙げます。
1.UTC-12:00 (例:ベーカー島、ハウランド島)
2.UTC-11:00 (例:アメリカ領サモア)
3.UTC-10:00 (例:ハワイ、タヒチ)
4.UTC-9:00 (例:アラスカ)
5.UTC-8:00 (例:太平洋標準時 - ロサンゼルス、バンクーバー)
6.UTC-7:00 (例:山岳標準時 - デンバー、フェニックス)
7.UTC-6:00 (例:中央標準時 - シカゴ、メキシコシティ)
8.UTC-5:00 (例:東部標準時 - ニューヨーク、トロント)
9.UTC-4:00 (例:大西洋標準時 - カリブ海諸国)
10.UTC-3:00 (例:アルゼンチン、ブラジル東部)
11.UTC-2:00 (例:南ジョージア島・南サンドウィッチ諸島)
12.UTC-1:00 (例:アゾレス諸島)
13.UTC±0:00 (グリニッジ標準時 - ロンドン、アイルランド)
14.UTC+1:00 (例:中央ヨーロッパ時間 - パリ、ベルリン、ローマ)
15.UTC+2:00 (例:東ヨーロッパ時間 - アテネ、イスタンブール、カイロ)
16.UTC+3:00 (例:モスクワ、サウジアラビア)
17.UTC+4:00 (例:ドバイ、アゼルバイジャン)
18.UTC+5:00 (例:パキスタン、ウズベキスタン)
19.UTC+6:00 (例:バングラデシュ、カザフスタン東部)
20.UTC+7:00 (例:タイ、ベトナム、インドネシア西部)
21.UTC+8:00 (例:中国、シンガポール、オーストラリア西部)
22.UTC+9:00 (例:日本、韓国)
23.UTC+10:00 (例:オーストラリア東部、グアム)
24.UTC+11:00 (例:ニューカレドニア、ソロモン諸島)
25.UTC+12:00 (例:フィジー、ニュージーランド)

これらのタイムゾーンは標準的なものですが、国によっては夏時間(DST)を採用しているため、地域や時期によって実際の時刻が異なることがあります。

添付2)

2014年のロシアによるクリミア半島侵攻について、欧米の首脳は事前に把握していなかったか?
ChatGPT

2014年のロシアによるクリミア半島侵攻について、欧米の首脳や情報機関は、ロシアがウクライナに対して軍事的な圧力を強めている兆候を事前に把握していたものの、実際にクリミア併合にまで踏み込むという決断を下すかどうかは読み切れていなかったとされています。
具体的には、以下のようなポイントが指摘されています。
1.ロシアの行動に対する過小評価
欧米の情報機関や専門家の多くは、ロシアがウクライナへの影響力を強化する可能性を認識していましたが、ウクライナ領の一部であるクリミアを併合するという「決定的な行動」に踏み切るとは予想していませんでした。ロシアが軍を直接派遣するよりも、経済的・政治的手段を通じてウクライナ政府に圧力をかけるだろうと考えられていたため、全面的な侵攻の兆候には慎重であったとされています。
2.インテリジェンス上の制約
アメリカや欧州の情報機関は、ロシアの軍部隊の動きを衛星画像などで追跡していましたが、ロシア国内の具体的な軍事作戦計画にはアクセスできませんでした。クリミアに展開する「緑の小人」と呼ばれる正体不明の兵士が登場するまで、侵攻の最終的な目的や範囲が不明確だったことが、欧米首脳の対応を遅らせた一因です。
3.プーチンの戦略の読み誤り
欧米はロシア大統領プーチンの行動原理や戦略に対する理解が不足していたとされ、ウクライナがロシアの勢力圏から外れることへのロシア側の警戒を十分に考慮していなかったともいえます。ウクライナで2014年に親欧米的な動きが強まったことが、ロシア側の「安全保障に対する脅威」とみなされ、迅速な行動が取られたと考えられますが、欧米はこれを即時の軍事行動につながるものと予測していなかったようです。
4.クリミアの地政学的価値の理解不足
欧米諸国は、クリミアがロシアの戦略的利益において極めて重要な位置を占めていることを過小評価していました。クリミアにはロシア黒海艦隊の主要拠点であるセヴァストポリ港があり、ロシアにとって安全保障の要でした。ロシアがウクライナ情勢に大規模な軍事介入を行う場合、クリミアが重要な焦点になる可能性を見逃していたといわれています。

結論
欧米諸国の首脳は、ロシアがウクライナ情勢に関心を持っていることや、ある程度の干渉を試みる可能性については認識していたものの、クリミアを併合するという具体的な侵攻計画までは把握していなかったとされています。この事態は、欧米がロシアの戦略的意図を評価しきれなかったことを浮き彫りにし、その後の対ロシア政策を見直すきっかけともなりました。

添付3)

2022年のロシアによるウクライナ侵攻について、欧米の首脳は事前に把握していなかったか?
ChatGPT

2022年のロシアによるウクライナ侵攻については、欧米の首脳や情報機関は、ロシアが軍事行動を起こす可能性を事前に把握していました。侵攻前の数か月間に、アメリカやイギリスなどの情報機関はロシアの軍事動向を詳細に監視し、衛星画像やインテリジェンスによって、ウクライナ国境付近にロシア軍が集結している様子を確認していました。
欧米の対応と情報収集について、以下の点が挙げられます。
1.具体的な警告と公開情報の提供
アメリカの情報機関(CIAや国防総省など)は、2021年末から2022年初頭にかけて、ロシアが大規模な侵攻準備を進めていると警告し、バイデン政権も同様の見解を公表していました。アメリカ政府は、ロシアの侵攻の可能性について詳細なインテリジェンス情報を公開し、NATO同盟国やウクライナ政府に警告を発していました。
・情報公開の戦略: アメリカ政府は、ロシアが侵攻計画を実行する可能性が高いと判断し、国際社会に対して情報を積極的に公開するという異例の対応を取りました。これは、ロシア側の意図を明らかにすることで、侵攻を思いとどまらせる狙いもありました。
2.ロシアの意図の読み取り
アメリカやイギリスはロシアの軍備増強を確認していましたが、実際に全面的な侵攻が行われるかどうかについては最後まで意見が分かれていました。ウクライナ政府や一部の欧州諸国は、ロシアが圧力をかけることで外交的譲歩を引き出そうとしているだけで、全面的な侵攻には至らないと考えていました。
・不確定要素: 事前の警告があったにもかかわらず、ロシアが実際に全面侵攻を決断するかどうかは不透明な部分が多く、侵攻の規模や進行方法についても完全には予測できていませんでした。
3.NATOと欧米諸国の準備
欧米諸国はロシアの侵攻に備え、ウクライナへの軍事支援を強化していましたが、ロシアとの直接的な軍事衝突を避けるため、ウクライナにNATO軍を派遣することは控えていました。その代わり、欧米はウクライナの防衛を支援するための訓練や装備供与を増加させ、経済制裁の準備も進めていました。
・ウクライナへの事前支援: 防衛用の武器や装備、情報支援などが提供され、ロシア軍侵攻に備えてウクライナの戦力が強化されていました。
4.経済制裁と外交的圧力
ロシアの侵攻を抑止するため、アメリカやEUは事前に経済制裁の準備を進めており、ロシアが侵攻した場合に即座に実施できるようにしていました。欧米は外交交渉を通じてロシアに侵攻をやめるよう圧力をかけ、ロシア側に対話の余地を与えようとしましたが、ロシアはこれを拒否し、最終的に侵攻を決行しました。

結論
2022年のウクライナ侵攻について、欧米の首脳はロシアが侵攻に向けた準備を進めていることを把握しており、その可能性についても公然と警告していました。ただし、ロシアがどの程度本気で侵攻に踏み切るのか、侵攻の範囲やその後の戦闘の持続性については完全には予測できず、一部の欧州諸国やウクライナ側も侵攻の確度について懐疑的な見方をしていました。

添付4)

では、どうすれはロシアによるクリミア半島、およびウクライナ侵攻を防ぐことが出来たか?
ChatGPT

ロシアによるクリミア半島およびウクライナ侵攻を未然に防ぐためには、欧米諸国や国際社会がもっと早期に包括的な対策を講じて、ロシアの侵攻を思いとどまらせる強い抑止力を示す必要があったとされています。以下は、侵攻を防ぐために考えられるいくつかのシナリオと対応策です。
1.強力な経済制裁の事前発動
事前に欧米諸国がロシアに対し、侵攻が実施された場合に即座に経済的な打撃を与える具体的な制裁を準備し、これを明確に警告することで、ロシアに対して「実行すれば重大なコストが発生する」というメッセージを届ける方法が考えられます。具体的には以下が有効とされます。
・エネルギー分野の制裁: ロシアは天然ガスや原油の輸出に依存しており、欧州市場への供給も大きな収入源です。侵攻の兆候が見えた時点で、即時のエネルギー制裁を発動する姿勢を示し、ロシアが経済的に持ちこたえられなくなる恐れを与えることが抑止につながった可能性があります。
・SWIFTからの排除: ロシアの主要銀行を国際的な送金システム(SWIFT)から排除することで、ロシアの金融取引を国際的に封じる措置も有力です。このような制裁措置は侵攻後に導入されましたが、事前に準備しておくことで抑止力が高まったかもしれません。
2.NATOとEUの結束強化およびウクライナへの事前支援
欧米が事前にウクライナとの軍事的連携を深め、抑止力を高めていれば、ロシアが侵攻に踏み切るリスクが高いと判断して思いとどまる可能性がありました。具体的には以下の対策が挙げられます。
・ウクライナへの防衛装備の早期供与: ウクライナに対して先手を打って防衛装備や軍事訓練を提供することで、侵攻に対するコストが上がり、ロシアの進行を思いとどまらせる可能性がありました。
・NATO東側諸国での軍備強化: バルト三国やポーランドなど、ロシアの影響力が強い東ヨーロッパのNATO加盟国に防衛体制を強化することで、ロシアに対してNATOの結束を示し、侵攻を思いとどまらせる圧力となった可能性があります。
3.クリミアとウクライナ東部の早期安定化と支援
2014年のクリミア侵攻後、ウクライナの東部地域では親ロシア派とウクライナ政府軍の衝突が続いていました。欧米諸国が早期にこの地域の安定化を支援し、ウクライナ政府の主権維持をサポートしていれば、ロシアがさらに侵攻する口実を減らせた可能性があります。
・ウクライナ国内のインフラ支援と経済強化: 欧米諸国がウクライナの経済成長と安定化を支援し、国内に親欧米の政権基盤を強固にすることで、ロシアが介入する余地を小さくするという戦略があり得ました。
4.早期の外交交渉と安全保障
欧米諸国がロシアに対して、ウクライナの非NATO化や特定の安全保障上の懸念を和らげる形での妥協を提案する方法もありました。ただし、これはウクライナの主権やNATOの拡大方針とのバランスが難しく、ロシアの要望を受け入れることで逆に国際的な影響力が弱まるリスクもありました。
・中立化の提案: ロシアが求めていたウクライナの中立化を条件にした対話を進め、NATOとEUがウクライナの軍事同盟参加について一定の譲歩を示すことで、ロシアの安全保障の不安を和らげる余地があったかもしれません。
5.ロシア国内の抑制力の強化
欧米諸国がロシア国内の世論や経済に対して影響力を持つことで、ロシアが戦争に踏み切るハードルを高くすることが考えられます。
・反戦世論の強化: ロシア国内での反戦的な意見や運動を支援することで、戦争による国際的な孤立がロシアにとって不利益となるよう働きかけることが考えられます。

結論
ロシアのクリミアおよびウクライナ侵攻を防ぐには、早期に強い経済制裁を準備し、NATOとEUが団結して抑止力を示し、ウクライナへの支援を強化する必要がありました。また、ロシアの安全保障上の懸念を考慮した外交的対応も一部有効であったかもしれません。とはいえ、ロシアの強硬な姿勢と欧米側の行動が根本的に折り合わない面も多く、確実に侵攻を防ぐのは難しかったと考えられます。

添付5)

1962年のキューバ危機はいかに解消されたか?
ChatGPT

1962年のキューバ危機は、アメリカとソビエト連邦(当時のロシア)が核戦争の寸前まで行った冷戦中の重大な事件で、ソ連がキューバに核ミサイルを配備したことで勃発しました。この危機はアメリカのジョン・F・ケネディ大統領とソビエトのニキータ・フルシチョフ首相の外交的な交渉によって解決されました。解決に至るまでの経緯とポイントを以下にまとめます。
1.米国によるキューバ封鎖
アメリカはソ連がキューバにミサイル基地を建設していることを偵察機で発見し、10月22日にケネディ大統領がキューバに「海上封鎖」(隔離)を宣言しました。これは、ソ連がキューバへさらにミサイルを搬入するのを防ぐためのもので、武力行使の前段階にあたる強硬な対抗措置でした。
2.両国首脳による緊迫した交渉
危機の最中、ケネディとフルシチョフの間で緊急に書簡や通信が交わされました。フルシチョフは当初、キューバへのミサイル配備を「防衛目的」と主張していましたが、米国の強硬な態度と戦争の危機が増す中で対話に応じる姿勢を見せるようになりました。
3.秘密裏の妥協案
交渉の結果、ソ連はキューバからミサイルを撤去する代わりに、米国も以下の二つの条件を飲む形で合意しました:
・米国がキューバへの侵攻をしないことを確約する。
・トルコに配備していた米国の中距離核ミサイル(ジュピターミサイル)を、後に秘密裏に撤去する(この点は表立っては語られず、後に明らかになりました)。
4.ミサイル撤去と危機の終結
ソ連はキューバからのミサイル撤去を開始し、アメリカもトルコからミサイルを撤去しました。これによって、核戦争の危機は回避され、10月28日にフルシチョフがミサイル撤去を公式に発表してキューバ危機は終息しました。
キューバ危機後の影響
キューバ危機の解消により、米ソ両国は核戦争のリスクを痛感し、核拡散の危機に備えた対策が進むことになりました。その後、「ホットライン」の設置や核実験禁止条約(部分的核実験禁止条約)など、冷戦下の緊張緩和に向けた措置が取られるきっかけとなりました。

この一連の出来事は、双方が「ミサイル撤去」という妥協により自制し、対話によって危機を回避した成功例として、外交の重要性を示しています。

 
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2024年11月14日
アイデアよもやま話 No.6052 柔らかいものでも器用につかむ画期的ロボット!
7月18日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で柔らかいものでも器用につかむロボットについて取り上げていたのでご紹介します。 

大阪大学発のベンチャー企業、株式会社Thinker(シンカー)(奈良市)が開発したのがこちらのロボットアーム。
シンカーの藤本弘道CEOは次のようにおっしゃっています。
「繊細なものでもつかむことが出来るロボットになります。」

これまで難しかったという壊れ易いものを器用につかむロボットなのです。
薄くて割れやすい煎餅でも吸い取って他の場所に移すことが出来ます。
しかもお煎餅がバラバラな位置にあってもしっかり吸い取って決められた位置に運びます。
人が行うのと同じように全て割らずに運ぶことが出来ました。
こうした、人の指のように器用にものを運ぶロボットは他にも。
藤本さんは次のようにおっしゃっています。
こちらのハンドで、うずらの卵をぐるりとまさぐりながら、つかんで運ぶというようなこと出来るロボットになります。」

煎餅よりも薄い生卵ですが、ゆっくり降りていって、しっかりつかみ、割らずに他の場所に運びます。
他にも柔らかい絹ごし豆腐や紙風船もご覧の通り。(こちらこちらを参照)
商品工場でのパッケージング作業などに活用出来るといいます。
こうしたロボットの実現につながったのが独自開発の技術です。
藤本さんは次のようにおっしゃっています。
「我々の方でロボットの器用さを生み出すような近接覚センサーの開発を進めております。」

近接覚センサーとは、赤外線とAIで対象物の位置とかたちを認識する技術。
このセンサーを搭載することで、ロボットが自動で対象物を見つけ、壊すことなくつかめるといいます。
試しに試験官をつかもうとしているロボットに、試験管の位置を縦にずらしてみても、普通だと空振りしてしまう状態ですけど、ちゃんとつかまえることが出来るのです。

こうしたロボットを開発した藤本さんは、元々パナソニックでモーターの開発をしていました。
ベンチャー企業を立ち上げるきっかけについて、次のようにおっしゃっています。
「(上司から)「お前にパナソニックの未来は預けとうない」と言われたんですよ。」
「(その理由は、)「社内ベンチャーの制度を作るから、お前、そっちちゃうか」と。」

子どものころからの夢だったというベンチャー企業の立ち上げ。
上司からの勧めもあって、2003年にその夢を実現させました。
当時開発していたのはパワーアシストスーツと呼ばれる、モーターで人の力を増強させる“着るロボット”。
小型化、軽量化を進め、創業から15年目となる2017年に製品化。
ところが、藤本さんは次のようにおっしゃっています。
「順調に売り上げを伸ばしていましたが、コロナ禍に入って、工場向けの腰の負担を軽減するロボットをやってましたから、工場から「来るな」と言われてしまうと売り上げが半減してしまう。」

コロナ禍によって事業を継続出来なくなったといいます。
再起をかけて2022年に設立したのが現在の会社、シンカー。
仲間とともにロボット開発に再び取り組み始めました。
そんな藤本さんが見せてくれたのが“着るタイプのロボット”。
藤本さんは次のようにおっしゃっています。
これは非常に小型なんですけど、重作業を楽にするもので、腕の負担を軽減するタイプのロボットです。」

一度、開発を中断した“着るロボット”です。
重いものを持って歩いてみると、全く力がいらないといいます。
更なる軽量化と小型化を実現していました。(こちらを参照)
“着るロボット”や器用にものをつかむロボットの開発を見据える先について、藤本さんは次のようにおっしゃっています。
「現状では作れないけども、人のためになる器用なロボットを作っていくと。」
「そんな未来を作るために、第一歩として器用な指を実現しよう。」
「それで器用なハンドを作っていこう。」
「で、自分の指先で考えるロボットハンドを作ろう。」
「そこからスタートしています。」

藤本さんによりますと、ロボットの頭脳に関しては生成AIで進化していって、確実に人の脳に近づいている一方で、動きに関してはまだ人と比べると改善の余地があるということで、今後もより器用さを追求していきたいということでした。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(壊れ易いものを器用につかむことが出来るロボットアーム)
・大阪大学発のベンチャー企業、株式会社Thinker(シンカー)開発したのがロボットアームである
 -これまで難しかったという壊れ易いものを器用につかむことが出来る
 -薄くて割れやすい煎餅がバラバラな位置にあってもしっかり吸い取って決められた位置に運ぶことが出来る
・こうした、人の指のように器用にものを運ぶロボットは他にもある
 -ハンドで煎餅よりも薄いうずらの生卵でも、ゆっくり降りていって、しっかりつかみ、割らずに他の場所に運ぶことが出来る
 -他にも柔らかい絹ごし豆腐や紙風船もつかむことが出来る
・商品工場でのパッケージング作業などに活用出来るという

(こうしたロボットの実現につながった独自開発の技術)
・シンカーではロボットの器用さを生み出すような近接覚センサーの開発を進めている
・近接覚センサーを搭載することで、ロボットが自動で対象物を見つけ、壊すことなくつかめるという

(シンカーの藤本CEOの経歴)
・こうしたロボットを開発した藤本さんは、元々パナソニックでモーターの開発をしていた
・社内ベンチャー制度が企業を立ち上げるきっかけに、上司からの勧めもあって2003年に子どものころからの夢だったというベンチャー企業を立ち上げた
 -当時開発していたのはパワーアシストスーツと呼ばれる、モーターで人の力を増強させる“着るロボット”である
 -小型化、軽量化を進め、創業から15年目となる2017年に製品化した
 -順調に売り上げを伸ばしていたが、コロナ禍に入って、売り上げが半減してしまい、事業を継続出来なくなった
・再起をかけて2022年に現在の会社、シンカーを設立した
 -仲間とともに“着るタイプのロボット"の開発に再び取り組み始めた
 -非常に小型だが、腕の負担を軽減出来る

(今後のロボット開発について)
・現状では作れないが、人のためになる器用なロボットを作っていく
 -そんな未来を作るために、第一歩として器用な指を実現し、それで器用なハンドを作る
 -自分の指先で考えるロボットハンドを作ることからスタートしていく
・ロボットの頭脳に関しては生成AIで進化して確実に人の脳に近づいている一方、ロボットの動きに関してはまだ人と比べると改善の余地があるということで、今後もより器用さを追求していきたい

確かに、より人間に近いロボットを開発するうえで、ロボットの頭脳に関しては生成AIで進化して、確実に人の脳に近づいている状況です。
また、ロボットもかなり人間の動きに近づきつつありますが柔らかいものなどをつかむ指の動きについてはそれほど進化していなかったと思います。
そうした中、シンカーの藤本CEOが開発した近接覚センサーの技術は革新的で同様の技術を開発している他社(添付1参照)より一歩リードしているようです(添付2参照)。

ということで、シンカーの藤本CEOには、人のためになる器用なロボットを作るという夢を実現していただきたいと思います。

それにしても、既に藤本CEOにより開発されている指ロボットの性能には驚かされます。


添付1)

どんなメーカーが柔らかいものなどをつかむ指の動きが出来るロボットを実現しているか?
ChatGPT

柔らかいものをつかむための繊細な動作ができるロボットを開発しているメーカーには、次のような企業があります。
1.ソフトロボティクス社(Soft Robotics)
製品:mGrip
シリコーン製のソフトグリッパー「mGrip」は、食品や形状が不規則な商品を扱うために開発されています。気圧で動作する柔らかい指でデリケートな物体を傷つけずにつかむことができ、食品加工や物流での用途が広がっています。
2.ファナック(FANUC)
製品:CRシリーズ(協働ロボット)
ファナックの協働ロボットシリーズは、力覚センサーを備えたグリッパーが搭載され、つかむ力を調整できます。AIと組み合わせることで、物体の形状を認識し、柔らかいものや壊れやすいものを安全につかむように設計されています。
3.ABB
製品:YuMi
協働ロボット「YuMi」は、柔らかい動作と精密な操作が可能な多指グリッパーを搭載しています。細かい組立作業に対応できるため、電子機器の製造や医療分野で利用されています。
4.オンロボット(OnRobot)
製品:Soft Gripper
「Soft Gripper」は、柔らかいシリコーン製のフィンガーを用いて卵や果物のようなデリケートな物体をつかむために設計されています。特に食品業界で利用され、物体の形状に適応してつかむことが可能です。
5.キンバリー(KUKA)
製品:LBR iiwa
KUKAのLBR iiwaは、繊細な力加減を必要とする作業に適した協働ロボットで、精密な力覚センサーと高い柔軟性を備えています。組立作業や医療機器の製造など、多様な応用分野で柔らかいものを安全に扱うことができます。
6.アジリウス(RightHand Robotics)
製品:RightPick
RightHand RoboticsのRightPickシステムは、カメラとAIで物体を認識し、多様な形状や硬さのものを扱えるソフトグリッパーを搭載しています。物流センターでの自動仕分けやピッキング作業で採用されています。

これらのメーカーのロボットは、柔らかいものや壊れやすいものを安全に扱う必要がある産業分野(食品加工、製造、物流、医療など)で幅広く活用されています。

添付2)

シンカーで開発した指ロボットはこうしたロボットよりも一歩先を行っていないか?
ChatGPT

シンカーで開発された指ロボットは、確かに既存のロボットハンドを超える先進的な機能があると言われています。他のロボット技術と比べて一歩先を行っている可能性がある理由として、次のような特徴が挙げられます:

1. 高度な触覚と力覚センサーの精密さ
シンカーの指ロボットには、より高精度な触覚および力覚センサーが組み込まれています。このセンサーは、触れた物体の硬さや質感、温度まで検出可能であり、微細な力の調整を瞬時に行えるため、人間の手のように繊細で複雑な操作が可能です。この技術により、卵や柔らかい果物といった壊れやすいものを確実かつ安全につかむことができます。
2. 多自由度と柔軟な関節構造
シンカーの指ロボットは、各関節が高い自由度で動作するよう設計されており、微細なつまみ動作や、物体を滑らかに転がすといった人間の指特有の複雑な操作も実現可能です。これにより、精密な製造工程や複雑な組み立て作業においても、人間の手に近い操作が可能です。
3. リアルタイムのAI制御による適応性
シンカーの指ロボットは、AIを活用したリアルタイムの制御システムにより、つかむ対象物に応じて最適な圧力や動作を即座に適応することができます。例えば、つかむ物体が変化する場面でも、AIが物体の形状や重量、柔らかさに合わせて最適な操作を実行するため、従来のロボットに比べて柔軟性が非常に高くなっています。

これらの技術は、製造業の精密組立てはもちろん、医療分野や介護分野など、特に高度なデリケートな操作が求められる用途において、大きな利点を発揮する可能性があります。他社のロボットも進化していますが、シンカーの指ロボットはその精度と柔軟性において、確かに一歩先を行く性能を持っていると評価されているようです。

 
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2024年11月13日
アイデアよもやま話 No.6051 がんの経済毒性と戦う!
7月17日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でがんの経済毒性と戦う動きについて取り上げていたのでご紹介します。 
治療費などの負担が患者に悪影響を与えることを経済毒性と呼びます。
お金を理由に治療を諦める人もいて、今、関心が高まっているんです。
この経済毒性を減らそうという動きが広がっています。
浜松医療センター(静岡県浜松市)。
この日、病院を訪れたのは1年前に肺がんが再発した鈴木さん(仮名)。
パートで毎月10万円ほどの収入を得ていました。
高額療養費制度を使っても治療費(自己負担)は毎月4万円を超えます。
そのため治療費が心配で払えない、「治療しない」と先生に伝えました。
がんの進行と同時に金銭面の不安も鈴木さんを苦しめました。
病気としてのがんに加えて治療費の負担や収入を失うことで患者やその家族に悪影響を与えること経済毒性と呼びます。
調査では、がん患者の約9割が経済的な不安を訴えています。
患者サポート協会 ファイナンシャルプランナー(FP)の黒田ちはる代表理事はがん患者に特化したアドバイスを行っています。
この日の相談者は、夫ががんと診断された女性。
住宅ローンの支払いが出来なくなり、今年、家を売却しました。
治療以外の支出が削れるものを洗い出します。
実は黒田さんは元看護士、患者の経済毒性を目の当たりにし、FPに転身しました。
黒田さんは次のようにおっしゃっています。
「半年後、1年後、このまま治療が続けられるというのが分かったり半年後のお子さんの教育費が払えるという見通しが立つと本当に顔が明るくなる。」
経済毒性を減らすために欠かせないのは治療と仕事の両立です。
浜松医療センターでは、その支援に力を入れています。
呼吸器内科の小澤雄一医師は次のようにおっしゃっています。
「がんて言われた時に、皆さん、ちょっとびっくりして仕事を辞めちゃう方がいらっしゃるので、とにかく(診断された)最初に仕事を辞めないことがすごぐ大事なもんですから。」
がん患者の鈴木さん、治療も仕事も諦めかけていましたが、両立支援を受けることに。
患者はまず勤務先とともに業務内容を主治医に提出します。
それをもとに主治医は患者に仕事と治療の両立について指導。
更に勤務先にも主治医は意見書を渡します。
鈴木さんの主治医意見書には症状や治療の予定の他、休憩などの配慮があれば、働き易いなどと書かれています。
「元々100あったものが90・80・70になるかもしれないけれども、その状態でちゃんと戦力になるということは会社にも分かってもらって。」
両立支援では、医師は使う薬にも目を配ります。
肺がんだけでも約40種類の抗がん剤があるといいます。
大澤医師は次のようにおっしゃっています。
「大変良いお薬はあるんですけども、中には副作用として手足のしびれなんてものもありますので、例えば繊細な職人さんとか細かな仕事をする方には事前にそういうこともお話して。」
仕事内容と副作用を踏まえて処方薬を選びます。
鈴木さんは今も生活を切り詰める日々が続いていると言いますが、次のようにおっしゃっています。
「辞めなくて良かったと思います。」
「仕事があるっていうのは気持ち的にすごく余裕、安心感ですよね。」
大澤医師は次のようにおっしゃっています。
「(両立支援に)医師が1人入ることで副作用とか治療の見透しまで含めた両立支援が出来るということがすごく大事かなと思っています。」
がんの経済毒性は患者だけでなく、企業も直面する課題です。
カルビーのある社員は次のようにおっしゃっています。
「工場の人は7.5時間、基本は製造ラインから離れることが出来ない。」
一方、電通のある社員は次のようにおっしゃっています。
「(企業内のがん)コミュニティは本来的には自発的なところがある。」
「ファーストバリアをどうクリアするか。」
この日、集まったのは金融や製造、報告など、様々な業種の約60人。
企業が出来る治療と仕事の両立支援について意見交換していました。
がん患者の就労支援に取り組むがん患者支援団体、CSRプロジェクトの櫻井なおみ代表理事、がんを理由に社員が辞めることは企業にとっての経済毒性だと言います。
「企業の立場から見たら、社員を失うのはものすごい損失で、就労支援をみんなで応援することで国としての経済損失だったり企業としての経済損失を防げるので。」
参加した企業、アフラック生命保険 健康推進室の大賀有希子室長は次のようにおっしゃっています。
「仕事を辞めてしまうことは何としても止めなければいけないと。」
同じく会に参加したサッポロビール(東京・渋谷区)では時短などの制度を整備し、働く意欲のある社員の治療と仕事を両立し易くします。
更に社内にがん患者たちのコミュニティを作りました。
乳がんの経験のある社員は次のようにおっしゃっています。
「(これまで)病気のことを伏せていたので、自分の経験を話すことで自分の病気を受け入れられた。」
また、頸部食道がんの経験のある、人事総務部の村本高史さんは次のようにおっしゃっています。
「お互いに気を遣い、心を遣い、働き易い環境を作れるか、それは制度より風土があってこそだと考えています。」
経済毒性に対して、様々な支援策がありましたが、聖路加国際病院など、病院自体がファイナンシャルプランナーと提携して、患者への支援を充実させる動きも広がりつつあるということです。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
番組の内容を以下にまとめてみました。
(拡大する経済毒性を減らす動き)
・治療費などの負担が患者に悪影響を与えることを経済毒性と呼ぶ
 -お金を理由に治療を諦める人もいて、今、関心が高まっている
・この経済毒性を減らそうという動きが広がっている
・経済毒性を減らすために欠かせないのは治療と仕事の両立である
(浜松医療センターの事例)
・1年前に肺がんが再発した鈴木さん(仮名)は、パートで毎月10万円ほどの収入を得ているが、高額療養費制度を使っても治療費(自己負担)は毎月4万円を超える
・そのため治療費が心配で払えないので「治療しない」と先生に伝えた
・がんの進行と同時に金銭面の不安も鈴木さんを苦しめた
・調査では、がん患者の約9割が経済的な不安を訴えている
・患者サポート協会 ファイナンシャルプランナー(FP)の黒田ちはる代表理事はがん患者に特化したアドバイスを行っている
 -この日の相談者は、夫ががんと診断された女性で、住宅ローンの支払いが出来なくなり、今年、家を売却し、治療以外の支出が削れるものを洗い出す
 -黒田さんは、半年後、1年後、このまま治療が続けられることが分かったり半年後のお子さんの教育費が払えるという見通しが立つと本当に顔が明るくなると言う
・浜松医療センターでは、その支援に力を入れている
・呼吸器内科の小澤医師は、がんて言われた時に、皆さん、ちょっとびっくりして仕事を辞めてしまう方がいらっしゃるので、とにかく診断された最初に仕事を辞めないことがすごぐ大事だと言う
・がん患者の鈴木さん、治療も仕事も諦めかけていたが、両立支援を受けることにした
 -患者はまず勤務先とともに業務内容を主治医に提出する
 -それをもとに主治医は患者に仕事と治療の両立について指導する
 -更に勤務先にも主治医は意見書を渡す
 -鈴木さんの主治医意見書には、症状や治療の予定の他、休憩などの配慮があれば、働き易いなどと書かれている
・両立支援では、医師は使う薬にも目を配る
 -肺がんだけでも約40種類の抗がん剤があるという
 -仕事内容と副作用を踏まえて処方薬を選ぶ
・鈴木さんは今も生活を切り詰める日々が続いていると言うが、「辞めなくて良かったと思います。仕事があるっていうのは気持ち的にすごく余裕、安心感ですよね。」と言う
・小澤医師は、両立支援に医師が1人入ることで副作用とか治療の見透しまで含めた両立支援が出来るということがすごく大事だと指摘する
(がんの経済毒性は企業も直面する課題)
・この日、集まったのは金融や製造、報告など、様々な業種の約60人、企業が出来る治療と仕事の両立支援について意見交換していた
・がん患者の就労支援に取り組むがん患者支援団体、CSRプロジェクトの櫻井なおみ代表理事、がんを理由に社員が辞めることは企業にとっての経済毒性だと言う
 -企業の立場から見たら、社員を失うのはものすごい損失で、就労支援をみんなで応援することで国としての経済損失だったり企業としての経済損失を防げる
・会に参加したサッポロビールでは時短などの制度を整備し、働く意欲のある社員の治療と仕事を両立し易くしている
・更に社内にがん患者たちのコミュニティを作っている
・また、頸部食道がんの経験のある、人事総務部の村本高史さんは、お互いに気を遣い、心を遣い、働き易い環境を作れるか、それは制度より風土があってこそだと考えている
・経済毒性に対して、様々な支援策があるが、聖路加国際病院など、病院自体がファイナンシャルプランナーと提携して、患者への支援を充実させる動きも広がりつつある
そもそも、調査では、がん患者の約9割が経済的な不安を訴えているという状況において、国民健康保険制度はあるものの、特にがん患者が蓄えの少ない年金暮らしや非正規労働者の場合、十分な治療が受けられません。
また、正規労働者でもがんと医者に判定された場合、非常に精神的に打撃を受け、また仕事にも差し障りが出てくるので辞めざるを得ない可能性があります。
そうした場合、がん患者は、まずこの先、経済的に暮らしていけるか、行く末が心配になります。
また、経済的な負担を減らすため、出来る範囲での仕事の継続を望みます。
一方、企業としても、人手不足が言われる中、従業員には出来るだけ続けて働いて欲しいのです。
そうした中、番組でも取り上げていたように、患者にとって、経済面では聖路加国際病院など、病院自体がファイナンシャルプランナーと提携して、患者への支援を充実させたり、また仕事の継続については、社内でがん患者がどのような環境であれば、仕事を続けることが出来るかといったことに相談出来る相談窓口を設置し、きちんと対応出来る仕組みが求められます。
なお、番組ではがん患者に焦点を当てて取り上げていましたが、経済毒性はがん患者に限らず、脳梗塞など、他の病気に共通します。
ですから、何らかの病気を患ってしまい、経済的に困ってしまった従業員が安心して仕事を続けられるような仕組みが全ての企業などに求められるのです。

 
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2024年11月12日
アイデアよもやま話 No.6050 求められる農業の”脱”温暖化!
7月16日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で求められる農業の”脱”温暖化について取り上げていたのでご紹介します。 

異常気象が続く地球温暖化への対策が急がれる中、注目されているのが農業分野の”脱”温暖化です。
実は世界の温室効果ガス排出量の約4分の1を占めるのが農業分野なのです。(出所:IPCC土地関係特別報告書(2019年))
その要因の一つが収穫量を増やすために欠かせない化学肥料ですが、今、この化学肥料を削減する取り組みが各地で進んでいます。

埼玉県杉田町、一面に広がる水田では稲が順調に成長しています。
その成長に欠かせないのが・・・
株式会社ヤマザキライスの山崎能央社長は次のようにおっしゃっています。
「全て、この地域に合わせたオーダー肥料になっていまして。」

米農家の山崎さんが見せてくれたのは、今使っている化学肥料。
土の養分を高める一方、肥料に含まれる窒素成分から発生するガス(一酸化二窒素)の温室効果はCO2の約300倍もあります。
山崎能央社長は次のようにおっしゃっています。
「肥料が無いと育たないですが、そういった中でいかに窒素成分を減らして収量を上げていくかっていうことを努力をしています。」

そこで山崎さんが始めた取り組みについて、次のようにおっしゃっています。
「多収穫、沢山獲れるコメの品種なんですけども、肥料の適正化が行われているので、見ていただきますと、色むらが全然ないと思うんですね。」

こちらが化学肥料の適正化、つまり、肥料の使用量を減らした水田。
必要な所に必要な分だけ肥料を使っているといいます。
一方、隣の水田では、これまで通り、肥料を均一に散布。
手前と奥を比べると、稲の成長にバラツキがあるのが分かります。
山崎能央社長は次のようにおっしゃっています。
「今までは均一に肥料をまいて、無駄も沢山ありました。」
「必要な分だけ、しっかりまいて、収穫を上げていくという考え方になります。」

どうやって、肥料の無駄を見分けるのでしょうか。
この日、やって来たのはドイツに本社を置く世界的な化学メーカー、BASFジャパンの関根真樹さん。
手に持ったタブレットと水田を見比べています。
関根さんは次のようにおっしゃっています。
「田んぼがどのような状態になっているか、誰でも分かるかたちで「見える化」する、そういったツール。」

見ていたデータの1つがこちら、コメの育成を予測するマップです。
田植え前の5月の状態を示したものですが、土の養分が少ないと見られるところは色が薄く、育つと見られるところは濃くなっています。
このデータを基に、必要とされる個所にだけ化学肥料を集中的に散布。
その結果、7月上旬の育成状況を示すデータでは稲が均一に育っていることが見て取れます。
山崎さんの水田では、2年前からこのシステムを導入したところ、化学肥料の使用量が減っただけでなく、コメの収穫量も15%増えたといいます。
山崎さんは次のようにおっしゃっています。
「長年の経験プラスこういった(水田の状態の)「見える化」がされることによって、より良く農業経営が前に進むようになりました。」

このシステムを開発したBASFジャパン(東京・中央区)を訪ねると、アグロソリューション事業部の野田信介事業部長は次のようにおっしゃっています。
「こちらは過去15年の衛星データを使って担当者が解析している最中です。」

解析しているのは、人工衛星が撮影した水田のデータです。
契約する水田の衛星写真からAIが育成状況を解析。
このデータを毎日蓄積することで作物の成長が遅い箇所などを見分けるといいます。
野田信介事業部長は次のようにおっしゃっています。
「15%とか20%(化学)肥料を削減出来る。」
「必要なところに必要な分を使うことで温暖化の軽減につながってくると思います。」

一方、こちらは愛知県刈谷市にあるベンチャー企業の実験農園。
ここでも化学肥料を減らす取り組みが始まっていました。
栽培中のミニトマトの下に敷き詰められていたのは土ではありません。
愛知県のベンチャー企業、株式会社ト−イングの西田宏平社長は次のようにおっしゃっています。
「炭に微生物を培養したものなんですけども。」
「こちらの黒いのが高機能バイオ炭の「宙炭(そらたん)」。」

愛知県のベンチャー企業、株式会社ト−イングが進める温室効果ガスを出す化学肥料を削減するための取り組み。
この土にも見える黒い物体、実は炭なのです。
名古屋大学発のベンチャー企業、トーイングが開発した化学肥料の代わりとなる特殊な炭。
西田社長は次のようにおっしゃっています。
これが今、培養中の「宙炭」ですね。」
「(微生物は)見えないし、音も聞こえないですけど。」

これはもみ殻を高熱で処理し、「炭」にしたもの。
この炭に独自の技術で培養した微生物を加えることで土壌の養分を高め、作物の成長を促す効果があるといいます。
西田社長は次のようにおっしゃっています。
「良い土壌環境を作ってあげれば、化学肥料の使用量を減らすことが出来るかなと。」
「(純粋な)有機栽培だと収穫量も2〜3割ぐらい減ってしまうのが、「宙炭」を混ぜると背丈はだいたい同じくらいで収穫量も慣行(化学肥料を使う栽培)以上に取れたりとか。」

この「宙炭」を使って、現在200程の農家と化学肥料を減らす取り組みを進めています。
7月末には「宙炭」を量産するための施設の稼働も愛知県豊橋市で始める予定です。
西田社長は次のようにおっしゃっています。
「今年がファーストステップの基盤づくりのところになってまして、来年から本格的に各地域に実装させていくフェーズになりますので、僕らの勝負の年かなと思っています。」

国内で使われている化学肥料の原料の多くは海外からの輸入に頼っています。
で、そのため円安による肥料価格の高騰が続いて、化学肥料を減らすことが生産コストの削減にもつながるとしています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(進む農業分野の”脱”温暖化)
・世界の温室効果ガス排出量の約4分の1を占めるのが農業分野であり、その要因の一つが収穫量を増やすために欠かせない化学肥料である
・異常気象が続く地球温暖化への対策が急がれる中、注目されているのが農業分野の”脱”温暖化である
・今、この化学肥料を削減する取り組みが各地で進んでいる
・国内で使われている化学肥料の原料の多くは海外からの輸入に頼っている
・そのため円安による肥料価格の高騰が続いて、化学肥料を減らすことが生産コストの削減にもつながる

(埼玉県杉田町のヤマザキライスの事例)
・ヤマザキライスでは、全て、地域に合わせたオーダー肥料になっている
 -米農家の山崎さんが今、使っている化学肥料に含まれる窒素成分から発生する一酸化二窒素の温室効果はCO2の約300倍もある
・そこで山崎さんが始めたのが化学肥料の適正化、つまり、肥料の使用量を減らした水田である
 -必要な所に必要な分だけ肥料を使っている
・そこで肥料の無駄を見分けるためにドイツの世界的な化学メーカー、BASFのシステムである
 -人工衛星が撮影した水田のデータからAIが育成状況を解析するといったシステムである
 -このシステムにより田んぼがどのような状態になっているか、誰でも分かるかたちで「見える化」する
 -山崎さんの水田では、2年前からこのシステムを導入したところ、化学肥料の使用量が減っただけでなく、コメの収穫量も15%増えたという

(愛知県刈谷市のベンチャー企業、ト−イングの事例)
・実験農園で栽培中のミニトマトの下に敷き詰められているのは土ではなく、トーイングが開発した化学肥料の代わりとなる特殊な炭である
 -もみ殻を高熱で処理し、炭にしたものに独自の技術で微生物を培養した高機能バイオ炭「宙炭」である
・「宙炭」は土壌の養分を高め、作物の成長を促す効果があるという
 -良い土壌環境を作ってあげれば、化学肥料の使用量を減らすことが出来ると見込まれる
 -有機栽培だと収穫量も2〜3割ぐらい減ってしまうのが、「宙炭」を混ぜると背丈はだいたい同じくらいで収穫量も慣行以上に取れると見込まれる
・この「宙炭」を使って、現在200程の農家と化学肥料を減らす取り組みを進めている
・7月末には「宙炭」を量産するための施設の稼働も愛知県豊橋市で始める予定である

要するに、以下のことが言えるのです。
・世界の温室効果ガス排出量の約4分の1を占めるのが農業分野であり、その要因の一つが収穫量を増やすために欠かせない化学肥料であるあること
・そして、ヤマザキライスでは、全て、地域に合わせたオーダー肥料にすることにより、化学肥料の使用量が減っただけでなく、コメの収穫量も15%増えたということ
・また、トーイングでは、特殊な炭「宙炭」を開発し、化学肥料の代わりとすることで土壌の養分を高め、作物の成長を促す効果があるということ

なお、世界の温室効果ガス排出量の約4分の1を占めるのが農業分野だといいますが、その主な要因とその占める割合は添付1を参照下さい。
今回ご紹介した事例は添付1の「肥料使用と土壌管理」の一部の対応策なのです。
ですから、農業分野の中だけでもまだいろいろと対応すべき項目があるのです。

地球温暖化の進行は、農業分野のみならず全ての産業において、このように一つ一つコツコツとCO2を排出する要因に対する対応策を実施していくことで阻止していくことに尽きるのです。

ところが、現実はどうでしょう。
ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルによるガザ地区への攻撃、あるいはNo.6048 ちょっと一休み その954 『アメリカの大統領選挙結果から見えてくること』でもお伝えしたように、アメリカではトランプ次期大統領が石油や天然ガスの国内生産を強化し、外国からのエネルギー依存を減らすことで、エネルギー価格の安定と経済成長を目指すとしていますが、地球温暖化防止策として再生可能エネルギーへのシフトと逆行します。
しかも、再度、気候変動への対策を話し合うCOP29が開幕しましたが、ここでも参加者の頭をかすめるのはトランプ次期大統領です。(COPについては添付2参照)
前回の政権の時に国際的な枠組みのパリ協定からの離脱を宣言、その後、バイデン政権になって復帰しましたが、再び離脱する意向なのです。
更に、アメリカはCO2排出量の多い国の世界ラインキングでも中国に次いで2位なのです。(添付3参照)
ですから、アメリカやロシア、イスラエルは他の国々によるコツコツとCO2排出量の削減に向けた取り組みの効果を少なくしようとしているのです。
しかも、地球温暖化の進行は、世界規模でその被害をどんどん拡大していくのです。
既に今でも世界各地で異常気象により様々な記録的災害が起きています。

ですから、他の国々は声を大にして、ロシア、イスラエルに対して早期に戦闘を止めること、そしてアメリカの時期トランプ大統領に対しては再生可能エネルギーへのシフトを継続するように強く訴えるべきなのです。


添付1)

世界の温室効果ガス排出量の約4分の1を占めるのが農業分野だというが、その主な要因とその占める割合は?
ChatGPT

農業分野が世界の温室効果ガス排出量の約4分の1を占める主な要因とその内訳は以下のとおりです:
1.家畜の消化(主にメタン排出) - 約32〜40%(農業分野内の割合)
・牛や羊などの反すう動物は、消化の過程でメタン(CH₄)を生成し、ゲップとして放出します。メタンは二酸化炭素より温暖化効果が高く、農業分野で大きな割合を占めています。
2.稲作(水田からのメタン排出) - 約8〜10%
・水田では、土壌中の有機物が分解される際にメタンが発生します。特に水田が多い地域での農業排出量に大きく寄与します。
3.肥料使用と土壌管理(主に一酸化二窒素の排出) - 約15〜25%
・化学肥料や有機肥料の使用は、一酸化二窒素(N₂O)を発生させます。一酸化二窒素は二酸化炭素の約300倍の温暖化効果があるため、特に肥料が多用される農業では排出量が増加します。
4.土地利用変化(森林伐採・草地の農地転換による二酸化炭素排出) - 約15〜20%
・森林や自然草地を農地に転換することで、炭素が大気中に放出されます。森林は二酸化炭素を吸収する役割も持つため、その伐採は温室効果ガスの増加に直結します。
5.農業機械・運搬での燃料使用(主に二酸化炭素排出) - 約5〜10%
・トラクターや収穫機、輸送に使われる車両が化石燃料を使用することでCO₂が排出されます。

農業分野全体では、これらの要因が相互に影響し、世界の温室効果ガス排出量の約4分の1を占めると言われています。

添付2)

COPとは?
ChatGPT

COPは「締約国会議」を指し、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)の主要な意思決定機関です。1995年に設立され、毎年開催されるこの会議では、気候変動対策の進捗を評価し、気温上昇の抑制や関連する問題への対策についての協定の交渉・実施が行われています。
各会議にはCOP番号が付けられており(例:2023年のCOP28)、ほぼすべての国の代表が参加するほか、政府間・非政府組織のオブザーバーや、科学者、ビジネスリーダーも出席します。COP会議の主要な成果には、1997年の京都議定書や2015年のパリ協定などがあり、これは温室効果ガスの削減や気候適応措置の支援を各国に義務づけるものです。
COPの各セッションでは、各国の気候目標への進捗を確認し、新たな科学的データに基づいて国際的な枠組みを適応させ、特に気候変動に脆弱な国への財政的・技術的支援を交渉することが中心となります。

添付3)

CO2排出量の多い国の世界ラインキングは?
ChatGPT

2024年の世界におけるCO₂排出量が多い国のランキングは、次の通りです:
1.中国 - 世界のCO₂排出量の約30%を占め、最も多くの温室効果ガスを排出しています。
2.アメリカ - 排出量は中国に次ぎ、全体の約13.5%を占めています。
3.インド - 約7%の割合で、急速な経済成長とともに排出量が増加しています。
4.ロシア - 約4.5%を占め、エネルギーの多くが化石燃料に依存しています。
5.日本 - 約3%で、先進国の中では高い排出量です。
これらの国々は経済規模が大きく、エネルギー消費量も多いため、CO₂排出量が他の国に比べて突出しています。また、これに続くトップ10にはドイツ、イラン、サウジアラビア、韓国、カナダなどが含まれます。先進国や産油国が多く、これらの国々がグローバルな温暖化対策において重要な役割を担っています。
多くの国が2030年に向けて排出削減目標を掲げており、特に高排出国の努力が地球温暖化対策に大きな影響を与えると考えられています。

 
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2024年11月11日
アイデアよもやま話 No.6049 アメリカ大統領選から見えてくる日本のあり方!
昨日、No.6048 ちょっと一休み その954 『アメリカの大統領選挙結果から見えてくること』でお伝えしたように、トランプ次期アメリカ大統領は大統領就任後も「アメリカ・ファースト」を方針に掲げています。
本来、世界一の経済大国、アメリカこそが“三方良し”(添付参照)の精神で世界各国と向き合ってこそ健全な国際社会が実現出来るのです。
ところが、トランプ次期大統領は大統領就任後も「アメリカ・ファースト」を方針に掲げているのですから、次第に他の国々も「自国ファースト」になってくるかもしれません。
そうなると国際社会はギスギスした社会になり、時にはトランプ新大統領の判断は世界平和とは逆行した方向になってしまうと危惧されます。
そもそもトランプ次期大統領は自国であるアメリカ社会を分断させるような方針で今回の選挙に臨んでいたのです。

こうしたアメリカの現状を見ると、“平和憲法”を掲げる日本政府は 国際社会に向けて、“ジャパン・ファースト“ではなく、“三方良し”の精神で各国と向き合い、共に豊かになるように邁進することが求められるのです。
そのためにも、かつてのように技術的、経済的に再び世界をリードする国を実現することが必要なのです。
これが実現し、開発途上国を中心に、こうした道筋を水平展開すれば、特に開発途上国からはいろいろな面で日本を支持してくれるようになるのです。
そして、より多くの国に“三方良し”の精神が行き渡れば、現在のような戦争や紛争の絶えない世界から脱却出来るのです。


添付)

三方良しとは?
ChatGPT

「三方良し」は、江戸時代に発展した近江商人の経営哲学であり、商取引において「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの利益が同時に成立することを理想とする考え方です。この理念は、単に売り手の利益を追求するだけでなく、関わるすべての人々に利益がもたらされる取引を目指します。以下に各「良し」の意味を詳しく説明します。
1.売り手良し:売り手が適正な利益を得ること。これは商売として成り立つことを意味しますが、長期的な信頼関係を重視しており、売り手が誠実に顧客と接することが基本です。
2.買い手良し:買い手(顧客)も利益を得ること。商品やサービスの質や価格が買い手にとって価値のあるものでなければならないとされています。これにより、顧客の満足度が高まり、長期的な関係が築かれます。
3.世間良し:取引が地域社会や広くは社会全体に良い影響を与えること。商売が社会に貢献し、環境や文化に配慮されていることで、地域社会の信頼を得て、企業としても持続的な成長が可能になります。

この「三方良し」の考え方は、日本の経営哲学においても重視され、現在の「CSR(企業の社会的責任)」や「SDGs(持続可能な開発目標)」にも通じる理念として再評価されています。この理念を実践することで、社会に信頼される企業活動が可能になるとされています。

 
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2024年11月10日
No.6048 ちょっと一休み その954 『アメリカの大統領選挙結果から見えてくること』
アメリカの大統領選挙はハリス副大統領とトランプ前大統領との間で最後まで大接戦と見られていましたが、結果はトランプ前大統領が総得票も上回る大勝という結果に終わりました。
なぜこうした結果に終わったのか、そのヒントとも言える内容について、11月5日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で伝えていたのでご紹介します。

アメリカで取材していた豊島晋作キャスターは次のようにおっしゃっています。
「(大統領選の取材を通じて、アメリカ経済についてどういうことを肌で感じたかという問いに対して、)やはりアメリカ経済は強いんですよね。」
「今、私タイムズスクエアにいます。」
「ここは確かに観光地なんですけども、やはり活気はあります。」
「経済統計を見ても失業率は低いですし、ほぼ完全雇用の状態です。」
「しかし、ただこうした経済的に繁栄する都市の景色ですとか、強い経済データに反映されないものが今のアメリカにはあると感じました。」
「それがやはり人々の間で存在する経済的な格差ですとか、経済的に弱い人々を直撃するインフレだと感じました。」
「(現地の物価を体感しての感想はという問いに対して、)こちらの型に話を聞くと、例えばマンハッタンで一人暮らしをするにしても家賃で40万円〜50万円、日本円でですけどもかかると。」
「「そんなもの誰が払えるんだ」という声も聞かれましたし、食料品も高いですね。」
「1.5倍とかあります。」
「なので私たちの滞在期間中も半分くらいはファーストフードで過ごすような状況でしたね。」
「(インフレに対する嫌悪感みたいなものが大統領選の結果につながったということなのかという問いに対して、)様々な要因はあると思うんですけども、やはりインフレは大きかったと思います。」
「ですので、そういった面で、やはりトランプ氏が経済問題をかなり前面に掲げてインフレ問題を掲げて勝利をして行ったと。」
「実際、マンハッタン、ニューヨーク州ですら本来は民主党の牙城なんですけども、トランプ氏支持を拡大をしています。」
「ですので、そういった経済面の訴えが全米での勝利につながっていき、逆にハリス氏は経済問題に対する答えを分かり易く国民には提示出来なかったということが敗北につながっていったのではないかと思います。」
「ハリス氏は、トランプさんが民主主義の脅威であると訴えました。」
「実際、2021年に議会の襲撃をトランプさんが扇動したと批判されていますので、その点、非常に重要な論点ではあるんですけども、やはり、それが経済的な争点には勝てなかった。」
「ま、このアメリカという国、民主主義と自由を訴えて、時々それを他国に押し付けるような国であっても、やはり人々の暮らし、経済問題というのが政治的な争点としては、やはり大きい、重要であるということを痛感した、こちらでの取材期間でした。」

以上、今回のアメリカの大統領選で、現地で取材された豊島キャスターによる報告でした。

豊島さんは、アメリカという国は民主主義と自由を訴えて、時々他国に押し付けているが、経済問題が政治的な争点として大きくて重要であると現地での取材を通して痛感したといいます。
こうした豊島さんの指摘が今回の大統領選の結果に表れているわけです。

なお、トランプ前大統領が今回の大統領選に向けて掲げていた公約については添付1を、また、ハリス副大統領が今回の大統領選に向けて掲げていた公約については添付2を参照下さい。
お二人の公約の内容を比べてみると、確かにトランプ前大統領の公約の方が、経済政策において、多くの有権者の心に響く内容で、具体的で分かり易かったので多くのアメリカ国民がトランプ前大統領に投票したのだと思います。
豊島さんの取材を通しても、それほど、今の多くのアメリカ人の暮らしは、インフレ、物価高に悩まされていることが理解出来ます。

しかし、トランプ新大統領のもとでは、以下のようにいくつかの懸念があります。
経済成長:
・石油や天然ガスの国内生産を強化し、外国からのエネルギー依存を減らすことで、エネルギー価格の安定と経済成長を目指すとしていますが、地球温暖化防止策として再生可能エネルギーへのシフトと逆行します。
・ただでさえ、地球温暖化による世界的な被害が次々に起きており、日本でも季節外れの集中豪雨により大きな被害が発生しており、こうした被害額の総額は経済成長を帳消しにしているのではと危惧されます。
アメリカ・ファースト政策の継続:
・海外との貿易交渉でアメリカの利益を最優先することを掲げていますが、中国などからの輸入品への関税強化や輸入制限はアメリカも含めた世界経済にマイナスの影響を与えてしまいます。
・NATOなどの同盟国に対しても、アメリカの負担を減らし、各国の防衛費負担を増やすように求める考えを表明していますが、日本も含めて民主主義陣営の団結を弱める結果となり、中国やロシアなどの覇権主義陣営を利することになります。

なお、トランプ前大統領は現在、いくつもの犯罪行為で起訴されていますが(添付3参照)、再度大統領の座に就くと、こうした罪を全て無効にし、こうした犯罪を起訴した関係者を首にするのではないかといったような報道がなされています。
実際にこのようなことが現実になれば、アメリカは法治国家ではなくなり、トランプ前大統領による独裁国家となり、“法による支配”を無視するロシアや中国と変わらない国になってしまうのです。

ということで、より多くのアメリカの国民には、目を覚ましていただき、トランプ新大統領が法を踏み外した時には厳しい目でその罪を追求していただきたいと思います。
そうでなければ、こうした状況に接する多くのアメリカの子どもたちも“まともな大人”にはならないと心配になります。


添付1)

トランプ前アメリカ大統領は今回の大統領選でどのような公約を掲げていたか?
ChatGPT

トランプ前アメリカ大統領は2024年のアメリカ大統領選挙に向け、主に以下のような公約を掲げて支持を集めようとしています。
1. 治安維持と犯罪対策の強化
トランプ氏は、犯罪増加に対して強硬な姿勢を打ち出し、治安維持と警察支援を公約の中心に据えています。特に、反警察運動の影響で治安が不安定になっていると指摘し、警察予算の増額や「法と秩序」の強化を約束しています。また、麻薬密売人に対する厳しい刑罰の導入も提案しています。
2. 国境管理と移民政策の厳格化
移民対策として国境管理の強化を再び強調し、メキシコとの国境に壁をさらに建設する計画を再開・拡充する意向を示しています。また、不法移民の流入抑制に向け、トランプ政権時代の厳格な移民政策(たとえば、難民申請手続きの厳格化)を復活させることも目指しています。
3. 経済成長とインフレ対策
トランプ氏は、アメリカ国内の製造業とエネルギー産業の活性化を約束し、インフレ対策としてエネルギー独立を推進するとしています。石油や天然ガスの国内生産を強化し、外国からのエネルギー依存を減らすことで、エネルギー価格の安定と経済成長を目指すとしています。また、減税や規制緩和を通じて企業活動を促進し、雇用の創出と景気の回復を図るとしています。
4. アメリカ優先(「アメリカ・ファースト」)政策の継続
「アメリカ・ファースト」の政策をさらに強化し、海外との貿易交渉でアメリカの利益を最優先することを掲げています。特に、中国との貿易戦争を再開し、中国の経済的影響力を抑制するための関税強化や輸入制限を進めるとしています。また、NATOなどの同盟国に対しても、アメリカの負担を減らし、各国の防衛費負担を増やすように求める考えを表明しています。
5. 教育改革と「目覚めた文化」への対抗
トランプ氏は、教育改革の一環として、教育現場での「目覚めた文化」(woke culture)やリベラルな教育内容に対抗することを公約に掲げています。特に、歴史教育や性教育における保守的な価値観の導入や、親が教育内容に対してより多くの発言権を持つことを支持しています。
6. 医療制度改革
医療費の高騰問題に対応するため、トランプ氏は薬価の引き下げや競争を促進する政策を掲げています。また、オバマケア(Affordable Care Act)についても改廃の可能性を示唆しており、保守的な医療政策の再編を目指しています。
7. バイデン政権の政策の撤回
バイデン政権で導入された政策の撤回を約束しています。特に気候変動対策や環境規制、外国支援などを見直し、アメリカの利益を最優先とする姿勢を強調しています。
8. 選挙制度の改革
2020年の選挙での不正疑惑を訴えてきたトランプ氏は、選挙の透明性と信頼性を高めるための改革を掲げています。特に、郵便投票の制限や投票所での身分証明書の提示義務化を提案し、公正な選挙の実現を目指すとしています。

トランプ氏の公約は、保守派の支持を意識した内容が中心で、2024年の選挙に向けた支持基盤の強化を目指しています。

添付2)

ハリス副大統領は今回の大統領選でどのような公約を掲げていたか?
ChatGPT

カマラ・ハリス副大統領が2024年のアメリカ大統領選挙において掲げている主な公約には、以下のようなものがあります。彼女の公約はバイデン政権の政策を引き継ぎつつ、特に若年層やマイノリティ層の支援に重点を置いています。
1. 経済格差の是正と中間層支援
ハリス氏は、経済格差の是正と中間層支援を強調し、生活費の負担軽減を掲げています。特に、住宅費や教育費の削減、最低賃金の引き上げ、働く家庭への税制優遇措置の拡大を目指しています。これにより、経済的な安定をもたらし、持続的な成長を促すことを公約としています。
2. 教育機会の拡大
ハリス氏は、公共教育や高等教育への投資を公約に掲げ、学費の負担を軽減する政策を提案しています。コミュニティ・カレッジの授業料無料化や連邦学生ローンの債務減免も検討しており、特に低所得層の学生に対する支援を強化する方針を示しています。
3. 気候変動対策と再生可能エネルギー推進
気候変動問題に取り組むため、ハリス氏は再生可能エネルギーへの投資を推進し、脱炭素化を目指す公約を掲げています。特にクリーンエネルギー産業の発展を通じた雇用創出やインフラ整備を進めることで、経済と環境の両立を目指しています。また、温室効果ガスの排出削減目標の強化も視野に入れています。
4. 医療制度の拡充と薬価引き下げ
医療費の負担軽減を目指し、オバマケアの拡充と薬価引き下げを約束しています。また、ハリス氏はメンタルヘルスケアや女性のリプロダクティブヘルス(生殖に関する健康)へのアクセス改善も掲げ、医療サービスの包括的な提供を目指しています。
5. マイノリティや女性の権利保護
ハリス氏はマイノリティや女性の権利擁護に積極的であり、人種差別やジェンダーに対する平等を確保するための政策を強調しています。特に、賃金格差の解消や人種差別撤廃に向けた教育や法的保護の強化を公約に掲げています。また、女性の権利として妊娠中絶の選択を保障する政策を維持し、各州でのアクセス改善を図る方針です。
6. 移民政策の改革
ハリス氏は、移民制度の近代化と人道的な対応を進めることを掲げています。移民の保護やDACA(若年移民の救済プログラム)の強化、家族を分断しない移民政策の導入など、移民コミュニティの支援を重視しています。
7. 銃規制の強化
アメリカ国内の銃暴力に対処するため、ハリス氏は銃規制の強化を掲げています。具体的には、銃の背景調査の徹底や突発的な暴力を防ぐ「レッドフラッグ法」の導入、アサルトライフルの販売禁止を目指しています。銃暴力による悲劇を減らすための包括的な対策を提案しています。
8. 技術革新とデジタルインフラ整備
ハリス氏は、デジタル分野のインフラ整備や技術革新の支援を掲げています。特に農村部へのブロードバンド普及や新しいテクノロジー産業への投資を進めることで、地域間の格差を解消し、経済の成長を図る方針です。
9. 民主主義の強化と選挙制度の保護
ハリス氏は、選挙制度の透明性を確保し、選挙妨害や有権者抑圧を防ぐための法制度の強化を訴えています。特に、郵便投票の利便性を維持し、有権者登録手続きの簡略化など、投票権の確保を公約に掲げています。

ハリス氏の公約は、社会的弱者の支援や環境保護、経済成長と公平性のバランスに焦点を当てており、アメリカ社会の持続可能な発展を目指した内容となっています。

添付3)

トランプ前アメリカ大統領が起訴されている犯罪行為は?
ChatGPT

ドナルド・トランプ前アメリカ大統領が現在直面している起訴は、複数の事件にまたがり、さまざまな犯罪行為の疑いがかけられています。主なものを以下にまとめます。
1. 機密文書の不正取り扱い
トランプ氏は、機密文書をホワイトハウス退任後に不正に保管していたとして起訴されています。これには、機密扱いの軍事計画や国家安全保障に関する文書が含まれており、これらを個人の施設(フロリダ州のマー・ア・ラゴ)に保管し、適切な返還措置を怠ったとされています。
2. 2020年の大統領選挙結果への介入(選挙妨害)
2020年大統領選挙の敗北後、トランプ氏が選挙結果を覆そうとしたとされる行為に関連して、選挙妨害や詐欺の容疑がかけられています。特にジョージア州では、選挙結果の「発見」を求める圧力を州政府にかけたとされ、これが不正行為とみなされました。
3. ニューヨーク州における不正な財務取引(詐欺罪)
トランプ・オーガニゼーションによる資産価値の水増しが発覚し、不正な財務取引を通じて銀行からの融資や保険金の獲得を狙った疑いがかけられています。この詐欺行為により、ニューヨーク州の司法長官から起訴されています。
4. 2021年1月6日の連邦議会襲撃事件に関連する扇動と共謀
トランプ氏は、支持者たちが2021年1月6日にアメリカ合衆国連邦議会を襲撃した際に、暴力行為を扇動したとされる件で、共謀や扇動の容疑がかけられています。これには、憲法を覆そうとする試みと見なされた側面もあり、連邦法違反の疑いがかけられています。
トランプ氏に対する起訴内容は複雑であり、2024年の大統領選挙にも影響を及ぼす可能性があるため、アメリカ国内外で注目されています。
5. 選挙資金の不正利用
トランプ氏は、自身の政治活動に関する選挙資金を個人的な支出に不正利用した疑いがあります。特に、選挙資金の一部がストーミー・ダニエルズ氏(元ポルノ女優)への口止め料に使われたとされ、この費用の支出が適切に報告されていなかったとして、選挙資金に関する法律違反の容疑がかけられています。
6. ニューヨーク市の不動産評価操作(民事詐欺訴訟)
ニューヨーク州司法長官が提起した民事訴訟では、トランプ・オーガニゼーションが銀行や保険会社に対し、不動産や資産の価値を誇張することで不正な利益を得たとされています。具体的には、不動産の価値を過大評価して融資条件を有利にし、また逆に税金申告の際には資産価値を過小評価する操作があったとされています。
7. トランプ大学の詐欺疑惑(過去の民事訴訟)
トランプ大学という名称で運営されていた教育プログラムが詐欺であるとされ、受講者から集めた多額の授業料に対して実際の教育内容が劣っていたとして訴えられました。トランプ氏はこの件に関して和解金を支払いましたが、詐欺行為が行われたと指摘されています。
8. 慈善団体「トランプ財団」の不正利用
トランプ財団は慈善団体として登録されていましたが、寄付金が個人的な支出やビジネスに利用されていたとされます。ニューヨーク州の調査により、不正利用が確認され、財団は解散し、罰金の支払いも命じられました。
9. 性的暴行や誹謗中傷の訴訟
トランプ氏には、いくつかの性的暴行の申し立てもあります。たとえば、作家のE. ジーン・キャロル氏からの訴えでは、トランプ氏が性的暴行を行い、その後誹謗中傷でキャロル氏の名誉を傷つけたとして民事訴訟が提起されました。この件では、一部の損害賠償を命じられています。
10. 租税回避および脱税の疑惑
トランプ氏とトランプ・オーガニゼーションには、税務上の違反の疑いもかけられています。これには、法人税や所得税の申告における不正操作や、租税回避の手法が含まれ、詳細な財務調査が進められています。

トランプ氏の法的問題は多岐にわたり、刑事および民事の両面で複数の訴訟や調査が進行中です。彼の政治的影響力がなおも強いため、法的な展開が今後の米国社会や選挙にどのように影響を与えるか注目されています。

 
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2024年11月09日
プロジェクト管理と日常生活 No.895 『地方自治体による健康寿命の延伸に向けた取り組み!
6月18日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で地方自治体による健康寿命の延伸に向けた取り組みの事例について取り上げていたのでご紹介します。 

介護が必要な高齢者を社会全体で支える介護保険制度の財源が介護給付費です。
その費用を負担しているのは半分が40歳以上の現役世代と65歳以上の高齢者が支払う介護保険料で、そして、もう半分は国や自治体などが負担しているのです。
高齢化が進む中、自治体が将来の介護給付費を減らすために動いています。

愛知県豊田市が行っているのは、健康維持のためのプロジェクト、「ずっと元気!プロジェクト」。
健康な高齢者を増やすことで介護給付費の削減につなげようとするものです。
豊田市役所 未来都市推進課の清水智哉課長は次のようにおっしゃっています。
「運動だけでなくて、趣味・エンタメ・カラオケでもいいよってなかたちで、いろいろなプログラムを沢山用意して・・・。」

ダンスを踊る「じーちゃん、ばーちゃんレボリューション」だけではなく、若者が弁当を届け、一緒に会話をしながら食べる「じーばーイーツ」、さらには「ドローン教室」など、他にはないユニークなプログラムが60種類以上用意されています。
なぜ実現したのでしょうか。
清水課長は次のようにおっしゃっています。
「ソーシャルインパクトボンドで民間の方のお力を借りることで、あらゆる分野の人材をカバー出来るところが一番のメリットだと感じております。」

ソーシャルインパクトボンドとは、行政と民間が連携して社会課題を解決する仕組みです。(添付1参照、その成り立ちについては添付2参照)
まず、行政と中間支援組織で成果報酬型の契約を結びます。
資金は個人や企業などから投資を募ります。
中間支援組織が有効なアイデアや技術を持つ事業者を選定し、事業を実施。
目標以上に成果が上がれば、コスト削減分の一部が投資家や中間支援組織に償還されます。
豊田市の場合、事業者も成果が上がると報酬も増えるため、果敢に事業内容の改善に取り組みます。
働く人の笑顔創り研究所の坂元礼介さんは次のようにおっしゃっています。
「80代の人には刺さるかもしれないけど、70歳の人には刺さらないってこともありますので、いいもの(プログラム)は残りますし、良くないものはなくなっていく。」

プログラムを充実させたことで、「ずっと健康!プロジェクト」の参加者は、当初2021年7月には37人だったのが今では約5800人にまで拡大。
参加者へのアンケートでは、運動量や生活習慣が改善したとの回答が多く、将来発生する介護費用が一人当たり約9万円減ったといいます。
その結果について、清水課長は次のようにおっしゃっています。
「(開始から)2年の段階で(将来の介護保給付費が)約3.7億円の削減効果が出ていることが明らかになります。」

豊田市と契約を結んだ中間支援組織のコンサルティング企業、株式会社ドリームインキュベータは既に8つの自治体とソーシャルインパクトボンドの活用について覚書を結び、今後も拡大する方針です。
ドリームインキュベータの吉田泰治執行役員は次のようにおっしゃっています。
「今、ある社会課題をきちんと解決する政府や行政の力だけでなくて、民間の力・創意工夫を入れながら解決していくというかたちになるのが理想です。」
「(ソーシャルインパクトボンドは、)これからスタンダードになっていくんだろうなと。」

先端技術で将来の介護給付費の削減に挑む自治体も。
三重県にある東員町、町の健康長寿課の児玉豊和課長が注目していることがあります。
「フレイルの段階で早くに必要な手を打てば、健康な状態に戻れるっていうところで、いかに早くフレイルを検知して介入をしていくか。」

フレイルとは、年齢を重ねることで病気にはならないまでも、身体や心の働きが弱くなり、健康と要介護の中間の状態を指します。(添付3参照)
この日、中部電力 事業創造本部の山本卓明さんが役場の児玉さんを訪ね、次のようにおっしゃっています。
「しっかり違いを見極めて、少しでも効率的に市民の方と。」
山本さんが児玉課長と見つめるこのグラフ(こちらを参照)で何が分かるのでしょうか。

取材班が訪ねたのが町に住む本間雅子さん(74歳)、昨年仕事を辞め、今は自宅で一人で暮らしています。
外出する機会も減り、家でテレビなどを見て過ごす時間も多いといいます。

これまで自治体は家庭の訪問やアンケートの郵送などで、フレイルの疑いのある人を見つけ、対応に当たってきました。
実は、(役場で)先ほど見ていたのは電力の使用量のデータ。
そこから睡眠時間、外出、食事などの生活リズムをAIが分析し、フレイルの予備軍を自動で見つけ出すというのです。(こちらを参照)

既に電力データの利用を許可した約100人の高齢者を対象に実証実験を行い、11人のフレイルの可能性のある高齢者を見つけました。
役場の職員が生活習慣の改善などを提案し、8人が健康な状態に戻ることが出来ました。
児玉さんは次のようにおっしゃっています。
「町民の皆さまの健康寿命の延伸につなげて、それが最終的には社会保障費の削減などにもつながれば素晴らしいのではないかと思っています。」

中部電力は2025年度までに、このサービスを50の自治体に広げ、介護給付費の削減につなげたい考えです。
山本さんは次のようにおっしゃっています。
「モデルが1つ出来ると、全国の自治体に使っていただける。」
「元気な高齢者・市民が増えれば、そんな活動になっていけばと思います。」

解説キャスターで日本経済新聞 論説フェローの原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「(愛知県豊田市がソーシャルインパクトボンドで民間から資金を調達して改善費用を減らす取り組みのポイントについて、)介護費用の削減という明確な目標を定めて事業者には成功報酬を与えるという仕組み、ここに特徴があるわけですね。」
「介護の予防が重要だというのは昔から言われてきたんですけど、実際には評価をすることがないのでお金を単にばらまくだけで終わっていた。」
「だから、第三者が自治体を評価することが大事だと思いますね。」
「(こうした自治体が広がっていくと介護保険の財政も改善していくかという問いに対して、)それがそんなに簡単じゃないんですね。」
「要介護の認定率っていうのはここにあるように85歳を過ぎると、5割に近くなるんですね。」
「でしかも来年から人口の一番ボリュームゾーンである団塊の世代が75歳、後期高齢者になっちゃうんですね。」
「そういうことで言えば、介護費用はどんどん膨らんでいくと。」
「これ避けられないですね。」
「で、一方で、その平均寿命を見ると、伸びていて男性が81歳、女性が87歳なんですが(2019年)、健康寿命が男性72歳で女性は75歳(2019年。」
「この健康寿命だけ伸ばすのは中々簡単じゃないんですよね。」
「(民間の取り組みも重要になってくるということなのかという問いに対して、)そうですね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(高齢化が進む中、将来の介護給付費を減らすために自治体が始動)
・介護が必要な高齢者を社会全体で支える介護保険制度の財源は介護給付費である
・その費用の一部を自治体が負担している
・高齢化が進む中、自治体が将来の介護給付費を減らすために動いている

(愛知県豊田市の事例)
・愛知県豊田市では健康維持のために「ずっと元気!プロジェクト」に取り組んでいる
 -健康な高齢者を増やすことで介護給付費の削減につなげるのが狙いである
 -運動だけでなくて、趣味・エンタメ・カラオケなど、ユニークなプログラムが60鮎類以上用意されている
・こうしたプログラムの実現のため、行政と民間が連携して社会課題を解決するソーシャルインパクトボンドを活用している
 -行政と中間支援組織で成果報酬型の契約を結び、資金は個人や企業などから投資を募る
 -中間支援組織が有効なアイデアや技術を持つ事業者を選定し、事業を実施する
 -目標以上に成果が上がれば、コスト削減分の一部が投資家や中間支援組織に償還される
 -豊田市の場合、事業者も成果が上がると報酬も増えるため、果敢に事業内容の改善に取り組む
・プログラムを充実させたことで、「ずっと健康!プロジェクト」の参加者は、当初は37人だったのが今では約5800人にまで拡大している
・その成果として、将来発生する介護費用が一人当たり約9万円減り、開始から2年の段階で将来の介護保給付費が約3.7億円の削減効果が出ている
・豊田市と契約を結んだ中間支援組織のドリームインキュベータは既に8つの自治体とソーシャルインパクトボンドの活用について覚書を結び、今後も拡大する方針である
・ドリームインキュベータの吉田執行役員は、社会課題をきちんと解決するためには政府や行政の力だけでなく、民間の力・創意工夫も入れて取り組むのが理想で、ソーシャルインパクトボンドはこれからスタンダードになっていくだろうと述べている

(三重県東員町の事例)
・フレイルとは、年齢を重ねることで病気にはならないまでも、身体や心の働きが弱くなり、健康と要介護の中間の状態を指す
・三重県東員町の健康長寿課では、フレイルを早期に検知し、適切に介入することで、健康を取り戻せる可能性があると注目している
・これまで自治体は家庭の訪問やアンケートの郵送などで、フレイルの疑いのある人を見つけ、対応に当たってきた
・役場は中部電力の協力で、住民の電力使用量データから睡眠時間、外出、食事などの生活リズムをAIが分析し、フレイルの予備軍を自動で見つけ出すという実証実験を実施した
・この取り組みで既に電力データの利用を許可した約100人の高齢者のうち11人のフレイルの可能性のある高齢者を見つけた
・役場の職員が生活習慣の改善などを提案し、8人が健康な状態に戻ることが出来た
・健康長寿課の児和課長は、町民の健康寿命の延伸につなげて、それが最終的には社会保障費の削減などにもつながればと思っている
・中部電力は2025年度までに、このサービスを50の自治体に広げ、介護給付費の削減につなげたい考えである

(解説キャスター、原田さんの指摘)
成功報酬型のシステムでの介護予防活動の課題:
・こうした自治体の拡大により介護保険の財政も改善していくことについては、そう簡単ではない
 -要介護の認定率は85歳を過ぎると、5割に近くなる
 -しかも来年から人口の団塊の世代が後期高齢者になるので介護費用はどんどん膨らんでいく一方で、健康寿命だけ伸ばすのは容易ではない
・介護の予防の重要性について昔から言われてきたが、実際には評価をすることがないので第三者による自治体の評価制度や民間の参加が重要である
・介護の予防の重要性について昔から言われてきたが、実際には評価をすることがないので金を単にばらまくだけで終わっていた
課題対応策:
・第三者による自治体の評価制度や民間の参加が重要である

要するに、高齢化が進む中、介護給付費が今後、増加が見込まれるが、介護給付費の一部は自治体が負担しているのです。
そうした中、以下のように一部の自治体は将来の介護給付費を減らすために取り組んでいるのです。
愛知県豊田市ではソーシャルインパクトボンドの仕組みを活用した健康維持のための「ずっと元気!プロジェクト」に取り組み、成果が上がっているのです。
そして、豊田市と契約を結んだ中間支援組織のドリームインキュベータは既に8つの自治体とソーシャルインパクトボンドの活用について覚書を結び、今後も拡大する方針なのです。

一方、三重県東員町では、中部電力の協力で、住民の電力使用量データから生活リズムをAIが分析し、フレイルの予備軍を自動で見つけ出す実証実験を実施して、約100人の高齢者のうち11人のフレイルの可能性のある高齢者を見つけたのです。
そして、役場の職員が生活習慣の改善などを提案し、8人が健康な状態に戻ることが出来たのです。
なお、中部電力は2025年度までに、このサービスを50の自治体に広げ、介護給付費の削減につなげたいといいます。

この2つの事例は、愛知県豊田市では健康維持を、そして三重県東員町ではフレイルの予備軍を自動で発見し、生活習慣の改善などの提案により健康な状態に戻すことを狙いとしています。
この2つの事例は、高齢者の健康維持、および健康状態の把握という観点でとても有効です。
厚生労働省がこうした地方自治体の事例を把握し、効果の出ている事例を国内の自治体に水平展開することで、より多くの高齢者の健康維持が図られるのです。
しかも、こうした取り組みは各自治体の職員の生産性向上にもつながるのです。
更に、こうした取り組みを海外にも積極的に紹介すれば、国際的に高齢者の健康維持に貢献出来るのです。


添付1)

ソーシャルインパクトボンドとは?
ChatGPT:

ソーシャルインパクトボンド(SIB)とは、民間資金を活用して社会問題の解決に取り組む資金調達および契約方式の一つです。政府や自治体が直接資金を出すのではなく、民間投資家から資金を調達し、成果報酬型で事業を実施します。社会問題の解決に成功した場合にのみ、政府や自治体が成果に応じた報酬を投資家に支払うという仕組みです。
SIBの仕組みと特徴
1.民間資金の投入: 事業資金は民間投資家から提供され、通常は企業、財団、あるいは社会的インパクトを目指すファンドが出資します。
2.成果報酬型契約: プロジェクトが成果目標(例:再犯率の低下や健康寿命の延伸など)を達成した場合にのみ、政府が報酬を支払います。成果が出なければ投資家に報酬が支払われないため、リスクは民間側が負います。
3.第三者評価の導入: 成果を適切に評価するため、第三者機関が介入し、プロジェクトの効果を測定・評価することが一般的です。
利点
・財政負担の軽減: 成果が出なければ政府や自治体は報酬を支払わないため、公共財政の無駄遣いを防ぎます。
・社会問題解決の効率化: SIBの導入により、民間の創意工夫や効率的な資金活用が期待でき、社会問題に迅速に対応しやすくなります。
実際の活用例
SIBは日本でも再犯防止や高齢者の健康維持、教育格差の是正といった社会的な課題解決に利用され始めています。

添付2)

ソーシャルインパクトボンドはいつ頃からどこで誰によりが始められたか?
ChatGPT

ソーシャルインパクトボンド(Social Impact Bond, SIB)は、2010年にイギリスで初めて導入されました。この仕組みは、イギリスのピーターバラ刑務所での再犯防止プログラムの資金調達として始められ、Social Financeという団体によって設計・実施されました。このプロジェクトでは、民間の投資家が資金を提供し、プログラムが成功して再犯率が低下した場合に、政府が成果に応じてリターンを支払うという仕組みが採用されました。
SIBは、成果ベースの資金調達モデルで、社会問題の解決と民間投資家の利益の両立を目指すものです。この革新的なアプローチは、公共政策の資金調達方法として注目され、イギリスでの成功をきっかけに世界中に広がり、様々な分野で活用されています
MUFG Maps MUFG Maps。

添付3)

フレイルとは?
ChatGPT

フレイル(frailty)は、高齢者に多く見られる「虚弱」状態を指す医療・介護用語で、加齢によって心身の機能が低下し、生活の質や健康リスクが高まった状態を指します。フレイルは身体的な弱まり(筋力低下や持久力低下)、心理的な変化(うつや認知機能の低下)、そして社会的な孤立(友人関係の縮小や活動範囲の狭小化)といった側面から評価されます
FNNプライムオンライン。
フレイルの主な特徴
フレイルの主な症状や特徴としては、以下が挙げられます。
1.筋力低下 - 筋肉量の減少や体力の低下により、転倒や骨折のリスクが高まります。
2.体重減少 - 自然な食欲低下などにより体重が減少しやすく、栄養不足に陥ることがあります。
3.疲労感 - 日常の活動が負担になり、慢性的な疲労を感じやすくなります。
4.認知機能の低下 - 判断力や記憶力の低下が見られ、認知症のリスクも増加します。
5.社会的孤立 - 外出が減少し、社会参加が減ることで孤立する傾向が高まります
ベリーベスト法律事務所 大宮オフィス。
フレイルの対応と予防
フレイル予防には、日常的な運動やバランスの良い食事、定期的な社会交流が重要とされています。運動としては、筋力トレーニングや有酸素運動が推奨され、社会活動への参加は認知機能や精神面の安定を支えるとされています。また、医療機関での定期検診もフレイルの早期発見に役立ちます
Mag2。

 
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2024年11月08日
アイデアよもやま話 No.6047 闇バイト応募は終わりの始まり!
10月23日(水)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で闇バイトについて取り上げていたのでご紹介します。 

首都圏で相次ぐ一連の強盗事件で闇バイト募集の際に実際に使われていた誘い文句が明らかになりました。

逮捕された実行役などはなぜ闇バイトに応募し、どのようにして犯罪に足を踏み入れていったのか、ルフィなどと名乗る指示役のもとで行われた強盗事件で実刑判決を受けた被告がNHKの記者の接見に応じました。

闇バイトに応募するのは“終わりの始まり”。
語ったのは関わったら抜け出せない恐ろしさでした。
接見に応じたのは指示役が「ルフィ」などと名乗った強盗事件の一部に「実行役」などとして関わった20代の被告です。
闇バイトに応募したきっかけは、生活費や遊興費などで200万円以上の借金を抱えていたことでした。
SNSで日当10万円などと書かれた投稿を見つけて連絡すると、相手からは秘匿性の高い通信アプリでやり取りするよう指示されました。
紹介されたのは強盗。
不安はあったものの、どうしてもお金が必要だったため、相手から求められるままに免許証の写真や家族の住所などを送ってしまったといいます。
この20代の被告は次のように述べています。
「リスクは少し考えたが、相手が丁寧で、普通の仕事と同じで個人情報が必要だと言われて納得してしまった。」

その後、“個人情報を持っている”、“家族を探す”などと脅されて2件の事件に関わった被告。
2件目の事件後に逮捕され、懲役9年の実刑判決を受けました。
現在、控訴中です。
この被告は次のように述べています。
「自分は捨て駒なんだとは感じていたが、(集団心理で)みんながやっているからということで罪の意識は薄れてしまう。」
「みんなでやっているのに自分だけ抜けたいとは言い出せない雰囲気もあった。」

接見中、何度も口にした後悔、再び闇バイトによる事件が相次ぐ中、次のように述べています。
「闇バイトは終わりの始まり。」
「一度入ると抜け出せない。」
「最後に待っているのは懲役刑だけだ。」

闇バイトに安易に手を出してはいけない。
若い世代に自覚を促す取り組みも始まっています。

静岡大学の研究室では闇バイトから身を守るための、学校現場で使える教材を開発しました。
こちらがその教材です。(添付1参照)
ポイントは、いかに自分事として捉えるかです。
例えば、「誰に頼まれたら、やってもいいと思うか?」。

確かに部活のOB、OGなど、関係が強い人からだと説得力持ってしまいます。
「何を頼まれたら、やってもいいと思うか?」については、「荷物を受け取って欲しい」などの選択肢がありましたが、「荷物を受け取って欲しい」とか「荷物を届けて欲しい」、これぐらいだといいかなと思ってしまうかもしれません。
この教材を使った授業の後、学生たちの意識が変わったといいます。
ある学生が次のようにおっしゃっています。
「少額の報酬、1万円とか3万円とかの額だと、これは大丈夫なバイトかなと思ってしまったり。」
「こういうところからも身近なところにひそんでいるなと。」

静岡大学の塩田真吾准教授は次のようにおっしゃっています。
「自分もやってしまう可能性があると自覚することと、もしやってしまった時にどういうアクションを取ればいいのか理解しておくことが大切なのかなと思います。」

こちらは実際に使われた闇バイトの誘い文句です。
こうした高額な報酬を約束するような不審な求人情報を絶対に応募してはいけません。
“闇バイト”というのは軽く聞こえるかもしれませんけども、アルバイトではなくて犯罪です。
応募する人がいなければ、つまり、実行役が集まらなければ事件が起きることはありません。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(闇バイトの実行役で逮捕された20代被告の事例)
・首都圏で相次ぐ一連の強盗事件で闇バイト募集の際に実際に使われていた誘い文句が明らかになった
・逮捕された実行役などはなぜ闇バイトに応募し、どのようにして犯罪に足を踏み入れていったのか、ルフィなどと名乗る指示役のもとで行われた強盗事件で実刑判決を受けた、「実行役」などとして関わった20代の被告がNHKの記者の接見に応じた
 -闇バイトに応募したきっかけは、生活費や遊興費などで200万円以上の借金を抱えていたことだった
 -SNSで日当10万円などと書かれた投稿を見つけて連絡すると、相手からは秘匿性の高い通信アプリでやり取りするよう指示された
 -紹介されたのは強盗で、どうしてもお金が必要だったため、相手から求められるままに免許証の写真や家族の住所などを送ってしまった
 -この20代の被告は「リスクは少し考えたが、相手が丁寧で、普通の仕事と同じで個人情報が必要だと言われて納得してしまった」と言う
 -その後、“個人情報を持っている”、“家族を探す”などと脅されて2件の事件に関わった
 -2件目の事件後に逮捕され、懲役9年の実刑判決を受けたが、現在、控訴中という
 -この被告は「自分は捨て駒なんだとは感じていたが、(集団心理で)みんながやっているからということで罪の意識は薄れてしまう。みんなでやっているのに自分だけ抜けたいとは言い出せない雰囲気もあった。」と言う
 -接見中、何度も口にした後悔、「闇バイトは終わりの始まり。一度入ると抜け出せない。最後に待っているのは懲役刑だけだ。」と言う

(若い世代に自覚を促す取り組み)
・静岡大学の研究室では闇バイトから身を守るための、学校現場で使える教材を開発した
・ポイントは、いかに自分事として捉えるかである
・静岡大学の塩田准教授は、自分もやってしまう可能性があると自覚することと、もしやってしまった時にどういうアクションを取ればいいのか理解しておくことが大切だと指摘する

(闇バイトの誘い文句)
・こうした高額な報酬を約束するような不審な求人情報を絶対に応募してはいけない
・“闇バイト”というのは軽く聞こえるが、アルバイトではなくて犯罪である
・応募する人がいなければ、つまり、実行役が集まらなければ事件が起きない

なお、11月5日(火)付けネット記事(こちらを参照)によれば、民間の調査では、高校生の5割近くはSNSで仕事を探したことがあり、闇バイトで逮捕された若者らの多くは報酬を得ていないといいます。
まさに“使い捨て”です。
また、闇バイトの実行役の検挙率は、例えば、強盗事件では検挙率が90%を超えるケースがあるため、多くの実行役が逮捕されています。(添付2参照)
しかも、こうした実行役が検挙された場合の罰則は、犯した犯罪の種類に応じて厳しい罰則が科せられます。
例えば、詐欺行為の「受け子」や「出し子」の場合、詐欺罪に該当し、最長10年の懲役が科される可能性があります。(添付3参照)

こうして見てくると、闇バイトの実行役の多くは報酬を得ていないというばかりか、検挙率が90%を超えるケースがあるため、多くの実行役が逮捕されています。
なお、闇バイトの犯罪者の階層構造は添付4を参照下さい。
それに比べて、指示役・組織上層部と中間管理層、あるいは中間管理層と実行役との間のコミュニケーションはメッセージアプリ(例:テレグラム)を使っているので、実行役以外は逮捕されにくいのです。

では、なぜ闇バイト関連事件が次々に発生しているのかというと、大金を獲得したいという指示役・組織上層部、およびその手下となる中間管理層は秘匿性の高いメッセージアプリで逮捕されにくい立場にあり、一方で、短期間にある程度のお金を必要とする若者が闇バイトの誘い文句に乗せられて実行役に応募してしまうからです。
その挙句、まさに“使い捨て”でわずかなお金、あるいは報酬を得ないまま逮捕されてしまうのですが、それでも次々に闇バイトの実行役に応募してしまう若者が現れてしまうからなのです。
しかも、こうした闇バイトの標的になってしまう世帯の情報源は、インターネット上の不正販売情報やフィッシングなどなので(添付5参照)、いつ誰が標的になるか分からないのです。
ですから、今後とも首都圏を中心に日本中どこでも闇バイト事件は起き得るのです。

では、闇バイト事件が次々に起きが、その原因と対応策ですが、添付6を参照下さい。

とにかく闇バイトに応募するのは“終わりの始まり”で、一度でも関わったら抜け出せないのです。
仮に抜け出そうとすれば、“個人情報を持っている”、“家族を探す”、“逃げたら殺す
”などと脅されて抜け出すことが出来ず、犯罪を繰り返すことになってしまうのです。

では、最低限、どのように闇バイトに引き込まれるのを防ぐかですが、メッセージアプリを使うように指示されたら、その場で怪しいバイトだと判断し、それ以上のコミュニケーションを止めることです。
また、日頃からちょっと怪しそうなバイトだったら家族、あるいは周りの人に相談することです。
繰り返しますが、闇バイトに応募するのは“終わりの始まり”なのです。


添付1)

静岡大学で開発した闇バイトの教材とは
ChatGPT

静岡大学教育学部の塩田研究室は、静岡県警と協力して「闇バイトから身を守る」ための教育教材を開発しました。この教材は、高額報酬をエサに犯罪行為を行わせる闇バイトに関する認識を深め、子どもたちが関与しないようにするためのものです。この教材は、「場面強制想像法」を使って、特定のシチュエーションを想像しリスクを自覚化することで、誘われた際の対処法や相談する力を身につける内容になっています。
また、この教材は無料で公開されており、中高生を対象に具体的な事例を通して「誰に・どのように相談すべきか」を考えさせる活動が含まれています。この取り組みは特殊詐欺の予防にもつながることが期待されています
Shingo Shiota Lab Shizuoka University

添付2)

闇バイトの実行役の検挙率は?
ChatGPT

闇バイトの実行役の検挙率は高い水準にあります。例えば、強盗事件では検挙率が90%を超えるケースがあるため、多くの実行役が逮捕されています。しかし、犯罪グループはメッセージアプリやSNSで匿名性を活用して募集を続け、逮捕された実行役が入れ替わるように新しい応募者を確保するため、闇バイトの根絶が難しいのが現状です。また、SNSアカウントの凍結や削除が行われても、すぐに別のアカウントが作成されるため、捜査も難航しています
National Police Agency FNNプライムオンライン FNNプライムオンライン

添付3)

闇バイトで実行役が検挙された場合の罰則は?
ChatGPT

闇バイトで検挙された実行役は、犯した犯罪の種類に応じて厳しい罰則が科せられます。詐欺行為の「受け子」や「出し子」の場合、詐欺罪に該当し、最長10年の懲役が科される可能性があります。また、強盗事件に関与した場合は最低5年の懲役が科せられ、もし被害者に怪我を負わせた場合には強盗致傷罪(無期または6年以上の懲役)、最悪の場合は強盗致死罪(死刑または無期懲役)にまで問われることがあります
ベリーベスト法律事務所 大宮オフィス Tokyo Metropolitain Police Department
さらに、初犯でも実刑判決を受けるケースがあり、特に若年層に対しても厳罰が適用されています。例えば、特殊詐欺の実行役として関与した場合、2年8か月の実刑が言い渡されることもあります。このような闇バイトは、SNSなどで「高収入」「簡単」などの甘い誘い文句で勧誘されますが、犯罪行為であるため厳しい罰則が伴います
FNNプライムオンライン

添付4)

闇バイトの犯罪者の階層構造は?
ChatGPT

闇バイトに関与する犯罪組織の階層構造は、典型的には以下のようにピラミッド型で構成されています。
1. 指示役・組織上層部
組織の頂点には、指示役や「黒幕」と呼ばれる上層部がいます。これらの人物は主に匿名で活動し、直接的な証拠を残さずに下層の実行役に指示を出します。彼らはSNSや暗号化されたメッセージアプリを通じて、闇バイトの募集や役割分担を行い、利益を最大化しています。また、海外に拠点を置いているケースも多く、国際的な捜査が難航する一因となっています
ベリーベスト法律事務所 大宮オフィス Tokyo Metropolitain Police Department
2. 中間管理層(「ハンドラー」や「ブローカー」)
中間層には、実行役を監督・管理する「ハンドラー」や「ブローカー」と呼ばれる役割が存在します。彼らは上層部と実行役の間で連絡役を担い、実行役に具体的な指示を出したり、報酬の一部を取りまとめて管理したりします。この階層は、犯行の計画や道具の手配、実行役への報酬支払いなどの役割を果たしており、事件が発覚した場合も指示役との直接的な関連を曖昧にする役割も担っています
FNNプライムオンライン
3. 実行役(「受け子」「出し子」「かけ子」)
最下層に位置するのが、犯罪を直接実行する「受け子」や「出し子」、「かけ子」といった役割の人々です。「受け子」は詐欺の被害者から金銭やキャッシュカードを受け取る役であり、「出し子」はそれをATMで引き出す役割、「かけ子」は被害者に詐欺電話をかける役割を指します。実行役はSNSなどで募集されることが多く、短期間の高収入を求めて応募する若者が少なくありません。しかし、実行犯は逮捕されやすく、犯罪組織からも使い捨てにされる傾向が強いです
Tokyo Metropolitain Police DepartmentFNNプライムオンライン
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このような階層構造により、上層部は直接的なリスクを避けつつ、組織を維持して犯罪行為を続けやすい状況が作られています。

添付5)

闇バイトの対象となる世帯の情報源はどのように得ているのか?
ChatGPT

闇バイトの対象となる世帯の情報は、主に以下のような方法で入手されることが多いです。
1.インターネット上の不正販売情報
犯罪組織は、インターネット上で違法に取引されている個人情報を購入することで、特定の世帯の情報を手に入れることがあります。こうした情報には、銀行口座情報や住所、電話番号などが含まれており、これを使って詐欺の対象とする世帯を選定するのに利用します。
2.フィッシングやなりすまし詐欺
フィッシングメールや不正サイトを利用して、被害者自身から情報を収集する方法です。これにより、被害者が誤って個人情報や家族構成などの詳細を提供してしまい、その情報が犯罪組織に渡ります。特に高齢者をターゲットにした詐欺は、こうした手法が多く用いられます。
3.オープンデータやソーシャルメディア
SNSでの投稿や公的に公開されている情報などから、家族構成や生活パターンといった詳細情報を収集することもあります。SNSに投稿された写真や地理情報を活用し、特定の世帯をターゲットにするための手がかりにすることもあります。
4.内部情報の漏洩
金融機関や配送業者など、個人情報にアクセスできる企業内部の関係者から情報が漏洩するケースも報告されています。闇バイト犯罪に関わる組織が、こうした内部情報を悪用することもあります。
これらの情報を用いて、闇バイトの指示役は標的世帯をリスト化し、実行者に具体的な指示を出して詐欺や窃盗を行う手口を採用しています。

添付6)

闇バイト事件が次々に起きるが、その原因と対応策は?
ChatGPT

闇バイト事件が次々に発生する原因には、次のような要素が挙げられます。
1. 経済的困窮と若者の心理
多くの闇バイトに関与するのは若者で、経済的困難や生活の不安がその背景にあります。特に、コロナ禍以降の経済状況の悪化により、アルバイトや非正規雇用が減少し、学生や若年層が短期間で高額な収入を得られるとされる「闇バイト」に惹かれるケースが増加しています。また、SNSなどで簡単に募集が行われ、匿名性を保てると感じやすいため、リスクの認識が低いまま参加してしまうことが多いです
XP Law Office Media
2. SNSとアプリを介した勧誘の容易さ
犯罪組織は、SNSや暗号化されたメッセージアプリ(例:テレグラム)を使って勧誘を行い、実行犯を募集しています。これにより、従来よりも簡単に犯罪ネットワークが広がり、実行犯との接触が容易になっているため、事件が増加しています
FNNプライムオンライン デイリー新潮
3. 犯罪の匿名化と意識の欠如
闇バイトに参加する若者の多くが、犯行の「匿名性」を過信しています。組織からの指示がテレグラムなどの匿名性が高いツールを通じて行われるため、自身が特定されにくいと感じ、罪悪感やリスクへの意識が薄れていることが原因の一つです
FNNプライムオンライン
________________________________________
対応策
1. 法的措置と厳罰化
闇バイトに対する刑罰を厳しくすることで、抑止効果が期待されます。実際に、詐欺や窃盗に関わる闇バイトに対しては厳しい懲役刑が科されるケースが増えており、法の執行強化が求められています。また、インターネット上での募集や匿名アプリの利用についても規制が検討されています
FNNプライムオンライン デイリー新潮
2. 教育と啓発活動
若者や一般市民に対して、闇バイトの危険性や法的なリスクについての啓発を強化することも重要です。学校やコミュニティで犯罪への関与が将来的にどういった影響を及ぼすかを学ぶ機会を設けることで、抑止につなげることができます。また、SNSやメディアを活用した情報発信で、注意喚起を行うことが効果的とされています
XP Law Office Media
3. 早期支援と相談窓口の設置
経済的に困難を抱える若者に対し、相談できる窓口や支援を充実させることで、闇バイトに手を出す前に支援を受けられる体制を整えることが求められます。政府や自治体、学校の協力のもとで、経済的な問題だけでなく、心のケアも提供できる支援体制が効果的です
XP Law Office Media
これらの対策を強化することで、闇バイトへの参加を未然に防ぎ、地域社会の安全を確保することが目指されています。

 
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2024年11月07日
アイデアよもやま話 No.6045 島しょ国に日本のビジネスチャンス!
7月16日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で島しょ国における日本のビジネスチャンスについて取り上げていたのでご紹介します。 

南太平洋のこの辺りには島国からなる16の国や地域が存在しているんです。(こちらを参照)
7月16日、これらの首脳が一堂に会する太平洋・島サミットが東京で開幕しました。
日本はこうした島しょ国と気候変動問題などで連携強化を図りたい考えで、ビジネスチャンスも生まれています。
このサミットで、林官房長官は次のようにおっしゃっています。
「我々は気候変動をはじめとする複合的危機の時代に生きております。」
「ゆるぎない絆を礎にPALM10(第10回太平洋・島サミット)でも力を合わせて解決策を見出していきたい。」

7月16日から18日まで開かれるPALM10、深刻化する気候変動問題や防災分野の他、海洋の安全についても議論される見通しです。
こうした中、島しょ国にビジネスチャンスを見出しているのが株式会社アークエッジ・スペース(東京・江東区)というスタートアップです。
福代孝良CEOは次のようにおっしゃっています。
こちらが今度打ち上げる我々の衛星になります。」

この会社が開発しているのは小型の衛星。
インターネットがつながらない環境でも通信が可能になる他、船舶の位置情報の把握などに活用出来、衝突防止や不審船の発見に役立ちます。
特徴は、そのサイズ。
2リットルのペットボトルと同じくらいの小型のものも。
従来の大型衛星では約1トンあったものが10kg未満と100分の1に軽量化されています。
福代さんは次のようにおっしゃっています。
「単純に価格と大きさだけで言えば、数十分の1や10分の1とかに。」

この小型衛星を今、島しょ国に売り込んでいます。
福代さんは次のようにおっしゃっています。
「期待されているところは、インフラが置けないところ。」
「海上はアンテナを建てるのが難しいですから、一番大きなマーケットかフィールドになると思っています。」

7月16日、会社を訪れると、フィジーとの打ち合わせが行われていました。
フィジーや島しょ国の首長などと、小型衛星を使った通信サービスの実証実験に向けた打ち合わせです。
フィジーは300以上の島から構成される国で、その多くはインターネットが使えない状態です。
この小型衛星の通信サービスを活用することで離島に運搬する荷物などの管理やエネルギー資源の残量の把握が出来るようになるなど、デジタル化が期待されています。
福代さんは次のようにおっしゃっています。
「地上にインフラを作らなくても、宇宙を使って、いろんなデータを収集するとか、そういったモデルが出来ると、他の島しょ国や海洋の分野で役に立つシステムが出来るとと思っていますので。」

7月16日に開かれる島サミットの経済イベントにも参加し、ビジネス相手になり得る島しょ国との関係づくりを進めたい考えです。

では、なぜ日本は太平洋の島国を集めたサミットを開くんでしょうか。
それは中国が世界最大の海である太平洋の支配を強めようとしているからなんです。
第二次世界大戦の終結以降、太平洋はハワイやグアム、そして沖縄などに強力な軍事基地を構えるアメリカの影響力が強い海です。
しかし、中国はこの状況を覆そうとしているんです。
具体的には、各島しょ国への手厚いインフラ支援などによって関係を強化し、将来的には軍事基地の建設を目指しているとも言われています。
実際に中国はソロモン諸島と安全保障協定を2022年4月に締結したんですけども、日米などは中国海軍の拠点が建設されるのではないかと懸念を強めているんです。
更にキリバスは2019年に、そしてナウルは2024年、台湾と断交しまして、中国と国交を結ぶなど、太平洋での中国の影響力は着実に広がっています。
太平洋が中国の影響下に入ることは資源の輸送など、貿易ルートの保護のほぼ全てを海に頼る日本としては見過ごせません。
ですので、VTRにあったような日本企業の技術は日本政府から見ますと、中国の通信大手、ファーウェイに対応する意味合いもありまして、今回のサミットで島しょ国との関係を強めながら日本政府は中国の動きに対抗していく構えなのです。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・太平洋の日本とオーストラリアの間の東側に位置する辺りには島国からなる16の国や地域が存在している
・7月16日、これらの首脳が一堂に会するPALM10(第10回太平洋・島サミット)が東京で開幕した
・日本はこうした島しょ国と気候変動問題など連携強化を図りたい考えで、ビジネスチャンスも生まれている
・PALM10では深刻化する気候変動問題や防災分野の他、海洋の安全についても議論される見通しである

(島しょ国にビジネスチャンスを見出しているスタートアップの事例)
・アークエッジ・スペース(東京・江東区)は小型の衛星を開発している
 -インターネットがつながらない環境でも通信が可能になる他、船舶の位置情報の把握などに活用出来、衝突防止や不審船の発見に役立つ
 -その特徴は、小型で2リットルのペットボトルと同じくらいである
 -従来の大型衛星では約1トンあったものが10kg未満と100分の1に軽量化されている
 -単純に価格と大きさだけで言えば、数十分の1や10分の1ほどである
・アークエッジ・スペースはこの小型衛星を今、島しょ国に売り込んでいる
 -期待されているところは、インフラが置けないところである
 -現在、フィジーや島しょ国の首長などと、小型衛星を使った通信サービスの実証実験に向けた打ち合わせを進めている
 -この小型衛星の通信サービスを活用することで離島に運搬する荷物などの管理やエネルギー資源の残量の把握が出来るようになるなど、デジタル化が期待されている
・7月16日に開かれる島サミットの経済イベントにも参加し、ビジネス相手になり得る島しょ国との関係づくりを進めたい考えである

(日本が太平洋の島国を集めたサミットを開く理由)
・理由は中国が世界最大の海である太平洋の支配を強めようとしていることにある
 -第二次世界大戦の終結以降、太平洋はハワイやグアム、そして沖縄などに強力な軍事基地を構えるアメリカの影響力が強い海である
・しかし、中国はこの状況を覆そうとしている
 -具体的には、各島しょ国への手厚いインフラ支援などによって関係を強化し、将来的には軍事基地の建設を目指しているとも言われている
 -実際に中国はソロモン諸島と安全保障協定を2022年4月に締結したが、日米などは中国海軍の拠点が建設されるのではないかと懸念を強めている
 -更にキリバスは2019年に、そしてナウルは2024年、台湾と断交しまして、中国と国交を結ぶなど、太平洋での中国の影響力は着実に広がっている
 -太平洋が中国の影響下に入ることは資源の輸送など、貿易ルートの保護のほぼ全てを海に頼る日本としては見過ごせない
 -従って、日本企業の技術は日本政府から見ると、中国の通信大手、ファーウェイに対応する意味合いもあり、今回のサミットで島しょ国との関係を強めながら日本政府は中国の動きに対抗していく構えである

なお、太平洋・島サミット(PALM)は、日本が1990年代に入ってから、太平洋諸島との外交関係を強化する必要性を認識したことをきっかけに1997年に第1回サミットが開催されるようになり、その後もサミットは継続的に行われ、年々その重要性が増し、協力の範囲も広がっています。(添付1参照)
なお、このサミットが始まったのは橋本政権の時でした。(添付2参照)
太平洋の島しょ国とのこのような外交関係を強化する取り組みを1990年代に始め、今も継続しているのは日本外交の大きな成果と言えます。
日本における太平洋の島しょ国の重要性については添付3を参照下さい。
日本にとって太平洋の島しょ国は、戦略的パートナーとして欠かせない存在となっており、今後も関係強化が期待されているのです。
また、第10回サミット(PALM10)の成果については添付4を参照下さい。
更に詳細はこちらを参照下さい。
このサミットは、日本が太平洋地域における信頼関係を強化し、地域の安定と発展に寄与する意向を示す重要な場となりました。

一方、中国はここ数年、太平洋の島しょ国への影響力を強化しつつあります。
特に、インフラ支援や経済援助を通じてこれらの国々への関与を深め、中国の「一帯一路」構想に参加する国々も増加しています。(添付5参照)
「一帯一路」構想が発表されてからは、特にインフラ支援や港湾整備への投資が急速に拡大しました。
これにより、中国は太平洋の島しょ国における港湾やインフラ整備の主導的な役割を担うようになり、地域での存在感が一層強化されました。
こうした支援は、太平洋の国々に経済的な選択肢を提供し、アメリカやオーストラリアといった伝統的支援国との影響力競争を引き起こしています。(添付6参照)

このように太平洋の島しょ国を巡って、米中の支援競争が起きていますが、日本とこれらの島しょ国との関係においてはビジネスチャンスも含めて、WinWinの関係の維持継続をしていって欲しいと思います。

いずれにしても、特に地政学的・安全保障の観点から(添付3参照)、中国が世界最大の海である太平洋の支配を強めようとしていることは絶対に阻止しなければならないのです。
そういう意味で、日本は、太平洋・島サミット(PALM)のみならず、もっと早い段階でアメリカやオーストラリアも巻き込んで支援などを通じて、中国が島しょ国との関係を深めることを阻止すべきだったと思うのです。


添付1)

太平洋・島サミット(PALM)はどのようなきっかけで開催されるようになったか?
ChatGPT

太平洋・島サミット(PALM)は、日本が1990年代に入ってから、太平洋諸島との外交関係を強化する必要性を認識したことをきっかけに開催されるようになりました。当時、太平洋諸国は地理的にも経済的にも孤立しがちで、気候変動や経済的な困難など多くの問題を抱えていたため、日本はこれらの国々と関係を深め、地域の安定と発展に寄与したいと考えました。
特に、冷戦終結後に日本がアジア太平洋地域での外交の役割を拡大し、太平洋島嶼国の独立と成長を支援することが戦略的に重要とされたことが背景にあります。1997年に第1回サミットが開催され、日本と太平洋諸島諸国のリーダーが直接対話を行い、地域課題に対する協力の枠組みが築かれました。このサミットは、経済協力、持続可能な開発、気候変動対策、海洋安全保障など、太平洋地域に共通する課題に対応するためのプラットフォームとして機能しています。
その後もサミットは継続的に行われ、年々その重要性が増し、協力の範囲も広がっています。

添付2)

1997年の日本の総理大臣は、またその就任期間は?
ChatGPT

1997年の日本の総理大臣は橋本龍太郎で、彼の就任期間は1996年1月11日から1998年7月30日まででした。
橋本龍太郎首相の時代には、経済改革や行政改革が進められ、また日本がアジア太平洋地域との関係強化に努めていました。特に、1997年に開催された第1回太平洋・島サミット(PALM)は、橋本政権下で日本が太平洋諸島との関係を深めるための重要な外交イベントとして行われました。

添付3)

日本における太平洋の島しょ国の重要性について?
ChatGPT

日本にとって太平洋の島しょ国の重要性は、地政学的な安全保障、経済協力、環境保護など、多面的な要素に基づいています。
1.地政学的・安全保障の観点
太平洋の島しょ国は、日本にとってエネルギー資源や貿易物資を運ぶための重要な海上輸送ルート上に位置します。特に近年、中国が太平洋地域で影響力を拡大しており、インフラ投資や安全保障協定を通じて、地域への軍事的・経済的関与を強めています。この動きに対して日本やアメリカは警戒を強め、太平洋の島しょ国と連携を深めることで、地域の安定維持と安全保障を確保する方針です
NRI。
2.経済協力とビジネスチャンス
太平洋の島しょ国には、通信やエネルギーインフラが整備されていない地域が多く、こうした地域は日本企業にとって新たなビジネスチャンスとされています。たとえば、アークエッジ・スペースの小型衛星技術は、通信インフラの整備が難しい島しょ国にとって非常に有益です。小型衛星を利用することで、離島の貨物管理やエネルギー資源の監視が可能となり、島しょ国のデジタル化と持続可能な発展が期待されています
NRI 東洋経済オンライン。
3.気候変動と環境保護の観点
多くの太平洋の島しょ国は、気候変動による海面上昇の影響を受けやすい状況にあり、環境保護や災害対策が急務となっています。日本はこうした問題に対応するため、太平洋の島しょ国と気候変動対策で連携し、環境保護支援を行うことで、国際的なリーダーシップを発揮しています。これにより、両国間の絆が強化されるだけでなく、持続可能な社会の実現を目指すための重要なパートナーシップも築かれます。
これらの理由から、日本にとって太平洋の島しょ国は、戦略的パートナーとして欠かせない存在となっており、今後も関係強化が期待されます。

添付4)

7月16日に開催された太平洋・島サミットの成果は?
ChatGPT

2024年7月に東京で開催された第10回太平洋・島サミット(PALM10)は、日本と太平洋の島国との関係を強化する重要な機会となりました。以下は、サミットの主な成果です。
1.気候変動対策の強化: 日本は「太平洋気候レジリエンスイニシアティブ」を発表し、島国の気候変動に対する備えと災害対応を強化する方針を示しました。これは、2050年の青い太平洋大陸戦略に基づいています。
2.安全保障の協力: 島国のリーダーたちは、自由で開かれた国際秩序の重要性を確認し、中国の影響力に対抗する意向を示しました。具体的には、地域の安定を脅かす一方的な行動に対する強い反対を表明しました。
3.経済協力の推進: 日本と島国の経済協力を促進するため、インフラ開発やデジタル化の支援が提案されました。特に、インフラが未整備な地域でのビジネス機会の拡大が期待されています。
4.核安全に関する議論: 福島第一原発からのALPS処理水の放出に関する懸念に対して、IAEAの報告書を引用し、安全性が国際基準に則っていることを確認しました。
このサミットは、日本が太平洋地域における信頼関係を強化し、地域の安定と発展に寄与する意向を示す重要な場となりました
JAPAN Forward Nippon.com | Your Doorway to Japan。

添付5)

現在、太平洋の島しょ国に対する中国の影響力は?
ChatGPT

中国はここ数年、太平洋の島嶼国への影響力を強化しつつあります。特に、インフラ支援や経済援助を通じてこれらの国々への関与を深め、中国の「一帯一路」構想に参加する国々も増加しています。中国は、経済的支援や投資によって地域のインフラを改善し、観光や貿易を活性化しています。しかし一方で、いくつかの懸念が広がっています。
まず、中国の活動には戦略的意図があるとみられ、南太平洋の一部国々の港や飛行場へのアクセスを確保することで軍事的なプレゼンスを強化するのではないかという懸念が出ています。また、中国が提供する融資によって、債務依存のリスクが増大し、特に経済基盤が脆弱な島嶼国にとっては将来的な返済負担が増す懸念もあります
Asia Times United States Institute of Peace。
さらに、中国は国連などの国際機関での票を確保するために、これらの国々との外交関係を強化し、台湾との断交を促しています。例えば、2019年にはソロモン諸島とキリバスが台湾との外交関係を断ち、中国との関係を築きました。このような動きにより、地域におけるアメリカやオーストラリアといった伝統的な支援国との競争が激化しています
Brookings。
このため、アメリカやオーストラリアは、中国の進出が自国の安全保障に影響を及ぼす可能性があるとし、地域の同盟関係強化や追加支援を検討しています。

添付6)

太平洋の島しょ国と中国との関係が深まっていったのは中国の「一帯一路」構想後か?
ChatGPT

太平洋の島嶼国と中国の関係は、「一帯一路」構想が発表された2013年以降にさらに深まったものの、それ以前からすでに一定の関係が構築されていました。特に2006年以降、中国は太平洋諸島諸国との貿易、インフラ投資、経済援助を徐々に拡大しており、2013年には中国がオーストラリアを除く太平洋諸国の主要貿易相手となっていました。たとえば、ソロモン諸島では、対中貿易が国全体の貿易の46%を占めるまでに至っています
Brookings。
「一帯一路」構想が発表されてからは、特にインフラ支援や港湾整備への投資が急速に拡大しました。これにより、中国は太平洋の島嶼国における港湾やインフラ整備の主導的な役割を担うようになり、地域での存在感が一層強化されました。こうした支援は、太平洋の国々に経済的な選択肢を提供し、アメリカやオーストラリアといった伝統的支援国との影響力競争を引き起こしています
Asia Times United States Institute of Peace。
このため、「一帯一路」構想は中国の影響力を太平洋の島嶼国に広げるきっかけとなり、その後の関係拡大を加速させた重要な要因の一つと言えます。

 
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2024年11月06日
アイデアよもやま話 No.6045 今やあらゆる業界が革命の時代を迎えている!
前回、リテールメディアの市場が急拡大していることについてお伝えしました。(参照:アイデアよもやま話 No.6044 リテールメディアの市場が急拡大!

こうした小売業界に起きつつある新たな革命から、今回は、今やあらゆる業界で革命の時代を迎えていることについてお伝えします。

インターネット革命は1990年代後半に始まり、その後、急速に進化すると同時に世界的に普及してきました。(添付1参照)
また、AI革命も2022年にはオープンAIが誕生し(添付2)、生成AI、チャットGPTが2022年11月に初めて一般公開されましたが、公開直後から急速にユーザー数が増え続けています。(添付3参照)
考えてみれば、インターネット革命が起きて以来、まだ30年足らず、AI革命においては、起きて以来、まだ生成AI、チャットGPTが誕生して2年ほどしか経過していないのです。
更に、No.6042 ちょっと一休み その953 『目を見張るAIの驚異的な進歩!』でもお伝えしたように、AIは今後とも驚異的なスピードで進化していくと見込まれます。
歴史上、これほどの多くの変化が短期間のうちに起きつつある時代は未だかつてなかったと思うほどで、私たちはこうした時代に生きているのです。
こうした状況において、今や、私たちの暮らしの中でパソコンやスマホはこれまで以上に必要不可欠な存在となっています。
そうした中、あらゆる業界においてインターネット革命、およびAI革命の中にあって、革命が起こりつつあります。
しかもAIを搭載したロボット革命も起こりつつあります。
今や、AIを搭載したロボットはこれまでになく自然な動きになっております。
また、AIがロボット、および培養皮膚と組み合わさると、アイデアよもやま話 No.6041 “生きた皮膚”の顔ロボット!?でお伝えしたように、一見すると人間のようなバイオハイブリッドロボットが出来上がるのです。
考えてみれば、自動運転車や空飛ぶ自動車、あるいはドローンも広義にはロボットの一種といえるのです。
ですから、どの業界においてもAIやロボットの関連技術の変化がこれまでになくスピード感があり、とても激しいのです。
従って、今やとてもエキサイティングな時代にあり、チャレンジ精神旺盛な若者にとって、とてもやりがいがあると思います。
是非、若い方々は、自分はこのような時代に生きているという自覚を持ち、チャンスを生かして、思う存分にアイデアを考えて、世の中に変化を起こし、世の中を便利に、あるいは楽しくなるようにしていただきたいと思います。


添付1)

インターネット革命とは、そしていつ頃から始まったか?
ChatGPT

インターネット革命(Internet Revolution)は、インターネット技術の発展が情報、コミュニケーション、経済、社会全般に大きな変化をもたらしたことを指します。この革命は、インターネットが広く普及し、日常生活やビジネスに不可欠なものとなった1980年代後半から1990年代にかけて始まったとされています。特に、1990年代の中頃からはウェブブラウザや電子メールの普及により、一般の人々がインターネットにアクセスできるようになり、インターネットが急速に拡大しました。

インターネット革命は、以下のような主要な技術的進展を通して展開されました:

1.ARPANETとインターネットの誕生:1960年代後半、米国防総省のARPANET(アーパネット)がインターネットの起源であり、これは初期のネットワーク通信を実現するものでした。これが1980年代のインターネットプロトコル(TCP/IP)の標準化によって基盤が築かれ、インターネットとして発展しました。

2.ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)の発明:1989年、ティム・バーナーズ=リーがWWWを発明し、1991年には最初のウェブページが公開されました。このWWWの誕生によって、画像やテキスト、リンクを利用して情報を共有する「ウェブサイト」の概念が生まれ、ブラウザでアクセスする現在のインターネットが形作られました。

3.1990年代の商業利用と大衆化:インターネットは当初は研究や軍事目的で利用されていましたが、1993年のモザイク(Mosaic)や1995年のインターネット・エクスプローラーといったウェブブラウザの登場により、一般の人々も使いやすくなり、インターネットの商業利用が急速に進みました。電子メール、電子商取引(AmazonやeBayなど)、オンライン検索(Googleの創業は1998年)などが広がり、インターネットは日常生活に不可欠なものとなりました。

4.2000年代のモバイルインターネットとSNSの普及:2000年代にはブロードバンドや無線通信技術が進化し、スマートフォンが普及することで、インターネットがさらに拡張されました。ソーシャルメディア(Facebook、Twitter、Instagramなど)も登場し、情報の共有やコミュニケーションが瞬時に行えるようになり、社会的にも大きなインパクトを与えました。

インターネット革命の効果として、情報の民主化、ビジネスモデルの変化(オンラインショッピングや広告モデルの変革)、国境を超えたコミュニケーションの増加などが挙げられます。

添付2)

AI革命とは、そしていつ頃から始まったか?
ChatGPT

AI革命(AI Revolution)は、人工知能(AI)技術が急速に発展し、人間の生活や産業構造に大きな変化をもたらす過程を指します。この革命の具体的な始まりを特定するのは難しいですが、一般的には、2010年代に入りディープラーニングの技術が実用化され、AIが本格的にさまざまな分野に応用され始めた頃を指すことが多いです。

AI革命の主な時期と進展
1.1950〜1970年代:AIの研究開始と初期のブレークスルー
・AIの基礎となる概念は1950年代にさかのぼります。1956年のダートマス会議で「人工知能」という言葉が生まれ、その後も論理・推論システムやエキスパートシステムの研究が進みました。しかし、コンピュータの性能やデータ量が限られていたため、当初の進展は限定的でした。

2.1980〜1990年代:エキスパートシステムとニューラルネットワークの再興
・1980年代には「エキスパートシステム」と呼ばれる知識ベースのシステムが企業で採用され、商業的にも一定の成功を収めました。しかし、これも限界に直面し、「AIの冬」と呼ばれる停滞期が訪れます。同時に、ニューラルネットワークの基礎技術も研究されましたが、当時は計算力が足りず、十分に発展することはありませんでした。

3.2010年代:ディープラーニングとAIブーム
・2010年以降、コンピュータの性能向上とビッグデータの拡大に伴い、ディープラーニング(深層学習)の技術が飛躍的に進化しました。2012年の「ImageNetコンペティション」で、ディープラーニングを活用した画像認識モデルが従来の手法を大きく上回る成果を挙げたことが、この分野における大きなターニングポイントとなりました。これ以降、音声認識、自然言語処理、自動運転など、多くの分野でAIが実用化され、AI革命が進展しました。

4.2020年代:生成AI(Generative AI)の普及
・2020年代に入り、AIはさらに「生成AI」の分野で新たな革命を起こしています。2022年にはOpenAIのChatGPTやDALL-Eのような生成AIが登場し、文章や画像を生成するAIが一般にも普及しました。生成AIはビジネスや創作、教育、医療など多岐にわたる分野で利用され、AI技術の応用が拡大しています。

AI革命の影響
AI革命は、労働の自動化、予測分析、クリエイティブ分野での利用拡大といった新しい可能性をもたらし、医療、金融、製造などの多くの業界に影響を与えています。労働市場にも影響を与えるとされており、新たな職種が生まれる一方で、従来の職業がAIによって代替されるリスクも生まれています。また、倫理面での課題も注目され、プライバシーや偏見の排除、AIの透明性と信頼性の確保が今後の課題として議論されています。

AI革命は、技術の進歩に伴い、今もなお進行中であり、今後のさらなる発展とともに、新たな課題と機会が生まれると考えられます。

添付3)

チャットGPTはいつ誕生し、現在に至る普及の度合いは?
ChatGPT

ChatGPTは、OpenAIによって2022年11月に初めて一般公開されました。当初はGPT-3.5を基盤にしたもので、リリース直後から自然な対話が可能なAIとして注目され、ユーザー数が急増しました。2023年には、より高性能なGPT-4が発表され、ユーザーからの要望やフィードバックを元に改良が続けられ、商用利用やさまざまなアプリケーションでの導入も進みました。
普及の度合いについては、非常に高いと言えます。例えば、多くの企業がカスタマーサポート、教育、医療、クリエイティブ分野などでChatGPTを活用するようになりました。また、APIを通じてChatGPTの技術を活用するサービスやアプリが増え、特にビジネス領域での採用が広がっています。さらに、スマートフォンアプリの提供や他社製品への統合により、日常的に利用される場面も増えてきました。
AIアシスタントとしての普及は、特に欧米、アジアの主要国で進んでいますが、日本でも注目度は高く、多くの企業や個人が積極的に導入を検討しています。

 
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2024年11月05日
アイデアよもやま話 No.6044 リテールメディアの市場が急拡大!
7月16日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で市場が急拡大するリテールメディアについて取り上げていたのでご紹介します。 

コンビニの店内に設置されたディスプレイに商品の広告が流れるデジタルサイネージとかアマゾンなどのECサイトで欲しい商品を検索した際に関連商品に並んで表示される、このような広告があります。
これらはいずれもリテールメディアと呼ばれるものです。(添付1付参照)
リテール、すなわち小売企業が運営するメディアを意味していて(添付2付参照)、大手小売り、ファミリーマート(ファミマ)は、このリテールメディアで100億円の利益を目指すとしています。
市場規模が急拡大するテールメディアの現場を取材しました。

これまで店内のデジタルサイネージの設置を拡大し続けてきたファミマ。
その数は全国で約1万店舗に上ります。
そのファミマが7月16日に新たに発表した内容ですが、細見研介社長は次のようにおっしゃっています。
「お客様とのデジタル接点の強化拡大の施策を更にパワーアップさせようと。」

その具体策ですが、新たに始めたのがスマホのアプリ内の広告掲載です。
2000万ダウンロードの実績がある「ファミペイ」内に企業の広告ページを作成するというもの。
企業のページにはクーポンの配信や商品アンケートなどを盛り込む予定です。
広告を出すには出稿元の企業がファミリーマート側に広告料を支払う必要がありますが、アプリを利用したお客の購買データに基づいて効果的な広告が打てるように、より効果的な広告を打てるメリットがあるといいます。
このように小売企業が広告を展開するリテールメディア。
ファミマは今後、企業だけでなく、行政などの広告も広く扱い、2028年度にリテールメディア市場で100億円の利益確保を目指します。
ファミマがリテールメディア戦略を始めたきっかけについて、細見社長は次のようにおっしゃっています。
「きっかけは(親会社の)伊藤忠商事でファミマという巨大なリテールネットワークを土台にしてリサーチを重ねた結果、コンビニが持つ購買の生データは一つ、大きな財産だと。」

2021年は約90億円だったネット以外のリテールメディアの市場は2027年には約15倍の1390億円に急拡大すると見られています。
背景にあるのがネットのクッキー規制です。
クッキーとは、ネット利用者の閲覧履歴を記録するもので、お客の好みに合わせた広告表示に利用されてきましたが、ここ数年、規制の動きが強まっています。
こうした中で、購買データや来店情報を生かせる小売店の広告、リテールメディアが注目されているのです。

そのリテールメディアに力を入れる企業がここにも。
べビー用品を取り扱う赤ちゃん本舗の土師弘明取締役執行役員は次のようにおっしゃっています。
「(6月から導入したのが)アドコインズ(添付3参照)というタイプのリテールメディアになります。」
「お客様にインセンティブをお返しする。」

一見すると普通の保険会社の広告に見えますが、表示されているQRコードから資料請求の手続きをすると、赤ちゃん本舗で使えるクーポンを手に入れることが出来ます。
クーポンの費用は広告主側が負担するため、赤ちゃん本舗として広告費だけでなく、売り上げの増加も期待出来ます。
土師さんは次のようにおっしゃっています。
「(少子化で)今後、子どもの数が一気に増えることは中々難しいかなと思ってますので、生まれてくる子どもの数に合わせて、私たちも成長していかないといけない。」
「で、そういった部分でのリテールメディアは会社にとって必要だと。」

更に広告主にもメリットがあるといいます。
来店するお客にはある特徴が。
来店した、ある女性客は次のようにおっしゃっています。
「子どもが生まれたので夫と私にもしもの事があった時に(保険で)受け取れるお金を増えるように変えましたね。」

その女性客の旦那さんは次のようにおっしゃっています。
「学資保険は子どもが出来る前には入れまして、(妊娠中の)2人目も保険の方も入って。」
「将来が不安なので。」

赤ちゃん本舗のお客には子どもが生まれ、ライフステージが変わったことで保険を見直す人も多く、保険会社としては、ここで広告を出すことは大きなメリットがあるといいます。

他にも、この広告からどれだけ資料請求につながったか、広告の効果も明確に分かります。
この広告サービスを展開しているのがテクノロジーで小売店のコンサルティングを行っているLMIグループ。
既に書店などで全国、約170店舗で導入されていて、今後5年以内に1万店の導入を目指しています。
LMIグループの望田竜太副社長は次のようにおっしゃっています。
「手応えは相当感じています。」
「(小売店の)データを生かしたビジネスのファーストステップは広告。」
「リテールさん(広告店)の持っているデータを一緒に使い、ビジネスを一緒に作っていきたい。」

リテールメディアの広がりで広告の表現方法にも新たな動きが。
「一押しの商品がここで待っていますよ。」
「来てくれたんだね、やったね、自己紹介頑張るぞ。」
「僕は芳醇チキンカレー、香りが高いのが自慢です。」

賞品棚に置かれたレトルトカレーの箱が踊りながら自己紹介。
開発したのがサイバーエージェント(東京・渋谷区)です。
どういう仕組みかというと、サイバーエージェント AIラボの岩本拓也研究員は次のようにおっしゃっています。
「ここに人感センサーは付いておりまして(こちらを参照)、2m以内に人が入ると、ダンスを踊ったり、商品の自己紹介をしたり、タイムセール情報を発信したり。」
「今までの広告は、平面で推薦することが多かったんですけど、これは商品が目の前にあることで広告商品にすぐリーチすることが出来るようになります。」

実際にこのロボットを設置したというスーパーに話を訊くと、ハーベス リンクス ウメダの児玉健店長は次のようにおっしゃっています。
「めんつゆ関係を実施させていただいたんですけれども、2週間で約4倍の売り上げ伸張がありました。」
「広告でお値段を安くしている場合には4倍、5倍に伸びる商品はあるんですけれども、値段そのままで販売出来たことについては成功だと考えています。」

既に10店舗ほどで実証実験を行い、多くの店舗で売り上げアップが実現したというサイバーエージェントの“自己推薦ロボット”。
更なる実験の成果を踏まえ、実用化につなげたい考えです。
岩本さんは次のようにおっしゃっています。
「新しい広告技術を作ることは非常に重要だと考えておりまして、これに限らず、新しいロボットには新しいAI技術などで広告を作っていけたらなと思っております。」

取材したファミリーマートも、これまでは買い物データに基づいて、アプリ内でのターゲット広告は出来ていたんですけども、これからは店舗でもサイネージによる広告などを展開することで、店舗自体がメディアになる、この動きは間違いなく広がっていくと細見社長はおっしゃっていました。
消費者との接点を増やしてマーケティングの強化にもつながっていくといいですね。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(リテールメディアとは)
・リテールとは小売企業が運営するメディアを意味している
・コンビニの店内に設置されたディスプレイに商品の広告が流れるデジタルサイネージとかアマゾンなどのECサイトで欲しい商品を検索した際に関連商品に並んで表示される、このような広告、これらはいずれもリテールメディアと呼ばれるものである

(リテールメディアの市場が急拡大する背景)
・2021年は約90億円だったネット以外のリテールメディアの市場は2027年には約15倍の1390億円に急拡大すると見られている
・背景にあるのがネットのクッキー規制である
 -クッキーとは、ネット利用者の閲覧履歴を記録するもので、お客の好みに合わせた広告表示に利用されてきたが、ここ数年、規制の動きが強まっている
 -こうした中で、購買データや来店情報を生かせる小売店の広告、リテールメディアが注目されている

(ファミリーマートの事例)
・大手小売り、ファミリーマート(ファミマ)は、このリテールメディアで100億円の利益を目指すとしている
 -これまで店内のデジタルサイネージの設置を拡大し続けてきたファミマ、その数は全国で約1万店舗に上る
・そのファミマが7月16日に細見社長は「お客様とのデジタル接点の強化拡大の施策を更にパワーアップさせる」と新たに発表した
・その具体策として、新たに始めたのがスマホのアプリ内の広告掲載である
 -2000万ダウンロードの実績がある「ファミペイ」内に企業の広告ページを作成するというものである
 -企業のページにはクーポンの配信や商品アンケートなどを盛り込む予定であり、広告を出すには出稿元の企業がファミマ側に広告料を支払う必要がある
 -しかし、アプリを利用したお客の購買データに基づいて効果的な広告が打てるように、より効果的な広告を打てるメリットがある
・ファミマは今後、企業だけでなく、行政などの広告も広く扱い、2028年度にリテールメディア市場で100億円の利益確保を目指す
・ファミマがリテールメディア戦略を始めたきっかけは、親会社の伊藤忠商事でファミマという巨大なリテールネットワークを土台にしてリサーチを重ねた結果、コンビニが持つ購買の生データは一つ、大きな財産だという

(赤ちゃん本舗の事例)
・べビー用品を取り扱う赤ちゃん本舗で、6月から導入したのがお客にインセンティブを与えるアドコインズというタイプのリテールメディアである
 -一見すると普通の保険会社の広告に見えるが、表示されているQRコードから資料請求の手続きをすると、赤ちゃん本舗で使えるクーポンを手に入れることが出来る
 -クーポンの費用は広告主側が負担するため、赤ちゃん本舗として広告費だけでなく、売り上げの増加も期待出来る
・土師取締役執行役員は、少子化で今後、生まれてくる子どもの数に合わせて、私たちも成長していかないといけないので、そういった部分でのリテールメディアは会社にとって必要だという
・広告主にもメリットがある
 -赤ちゃん本舗のお客には子どもが生まれ、ライフステージが変わったことで保険を見直す人も多く、保険会社としては、ここで広告を出すことは大きなメリットがあるという
 -他にも、この広告からどれだけ資料請求につながったか、広告の効果も明確に分かる

(この広告サービスを展開しているLMIグループ)
・テクノロジーで小売店のコンサルティングを行っている
・既に書店などで全国、約170店舗で導入されていて、今後5年以内に1万店の導入を目指している
 -LMIグループの望田副社長は、小売店のデータを生かしたビジネスのファーストステップは広告で、リテールさん(広告店)の持っているデータを一緒に使い、ビジネスを一緒に作っていきたいという

(リテールメディアの広がりによる広告の表現方法の新たな動き)
・サイバーエージェントが開発した技術で商品棚に置かれたレトルトカレーの箱が踊りながら自己紹介する
 -その仕組みは、商品の置かれたそばに人感センサーは付いており、2m以内に人が入ると、ダンスを踊ったり、商品の自己紹介をしたり、タイムセール情報を発信したりする
 -今までの広告は、平面で推薦することが多かったが、これは商品が目の前にあることで広告商品にすぐリーチすることが出来るようになる
・実際にこのロボットを設置したというスーパーでは、めんつゆ関係を実施した結果、値段そのままで2週間で約4倍の売り上げ伸張があった
・既に10店舗ほどで実証実験を行い、多くの店舗で売り上げアップが実現したというサイバーエージェントの“自己推薦ロボット”、更なる実験の成果を踏まえ、実用化につなげたい考えである

なお、テクノロジーの進化とともに消費者の行動はどのように変化してきたかについては添付4を参照下さい。
また、消費者の行動の変化について顕著な例として、現代の若者の情報収集はインターネットと特にソーシャルメディアの利用が非常に高い割合を占めています。(添付5参照)
こうした消費者の行動の変化やテクノロジーの進化に応じて、マーケティング強化のポイントも変化してきているのです。(添付6参照)

要するに、テクノロジーの進化とともに消費者の行動も変化していくのです。
広告宣伝の世界もこうした消費者の行動の変化、およびテクノロジーの進化とともにその可能性が広がり、どこかの企業が新しい試みをして、宣伝効果が向上すると、別な企業がそれをヒントに更に新しい試みをして、うまくいけば、その方法が主流になっていくというわけです。

ですから、広告宣伝の世界においても、これまで何度となく繰り返しお伝えしてきたように以下のアイデアの定義が成り立つのです。
アイデアは既存の要素の組み合わせである
アイデアは存在し、発見するものである

そして、番組でも指摘していたように、マーケティング強化のキーポイントはタイムリーに潜在需要も含めて必要とする消費者との接点を増やすことなのです。


添付1)

リテールメディアとは?
ChatGPT

リテールメディアは、小売業者が自社のデジタルチャネル(ウェブサイトやアプリなど)で広告スペースを提供し、メーカーやブランドが広告を出すビジネスモデルです。小売サイト上での商品リストや検索結果に広告を配置し、購買意欲の高い消費者に直接アプローチすることで、広告効果を高めることが目的です。

添付2)

リテールとは?
ChatGPT

「リテール」とは、小売業や小売取引を指し、商品を最終消費者に直接販売する業態を表します。リテールビジネスにはスーパーマーケット、専門店、オンラインショップなどが含まれ、企業が消費者に直接製品やサービスを提供するための店舗やチャネルを利用します。

添付3)

アドコインズとは?
ChatGPT

アドコインズ(AdCoinz)は、LMIグループが提供するリテールメディアの一環として2023年にリリースされました。このプラットフォームは、小売店内に設置されたデジタルサイネージ(電子掲示板)を活用して広告を表示し、リワード(報酬)を提供する仕組みが特徴です。小売業者にとって、導入が低コストでリスクが少ないことが魅力となっており、広告費の収益化が可能です。広告主にとっては、デジタルサイネージを通じて消費者にダイレクトにアプローチすることができるため、従来の広告モデルとは異なる価値を提供しています
AdCoin 流通・小売業界で働く人の情報サイト_ダイヤモンド・チェーンストアオンライン

添付4)

テクノロジーの進化とともに消費者の行動はどのように変化してきたか?
ChatGPT

テクノロジーの進化により、消費者の行動は大きく変化しました。以下はその主な変化のいくつかです:
1.情報収集の迅速化と効率化:スマートフォンやインターネットの普及により、消費者はすぐに情報を得られるようになりました。たとえば、商品やサービスに関するレビュー、価格比較、機能の調査などを、購入前に簡単に行えるため、以前よりも情報に基づいた購買決定が増えています
NRI
2.オンラインショッピングの浸透:ECサイトやショッピングアプリの発展により、消費者は自宅や外出先からでも気軽に買い物ができるようになりました。これにより、店舗に行かずとも商品を選び、購入する行動が一般的となり、特に若年層では実店舗を訪れる頻度が低下しています。
3.パーソナライズされた広告の影響:AIやビッグデータ解析の進展により、広告は消費者の興味や購買履歴に基づいたパーソナライズが進みました。たとえば、SNSやGoogleなどでターゲティング広告が表示されることで、消費者の購買意欲が喚起されやすくなっています
Web担当者Forum NRI
4.コミュニティとのつながりと口コミの影響力:SNSの普及により、消費者は他のユーザーの意見を参考にする傾向が強くなりました。商品レビューやインフルエンサーの推奨が購買行動に影響を与え、従来のマスメディアの広告から、信頼できる情報源の口コミへと重きが移っています。
5.サステナビリティ意識の高まり:テクノロジーを通じて、環境やエシカルな消費に関する情報が得やすくなり、消費者の多くが持続可能な製品や企業の活動に敏感になっています。これにより、環境に配慮した製品を選ぶ消費者が増加しています。
テクノロジーの進化は、情報の透明性や入手のしやすさを高め、消費者の行動をより賢明かつ持続可能な方向に向けさせていると言えます。

添付5)

現代の若者の情報収集において、テレビや新聞などに比べて、どのくらいネット情報に依存しているか?
ChatGPT

現代の若者の情報収集では、インターネットと特にソーシャルメディアの利用が非常に高い割合を占めています。2024年の調査によれば、10代と20代の半数以上、特に10代では約6割が主にSNSから情報を得ており、テレビや新聞などの従来メディアはこれら世代において影響力が減少しています
Web担当者Forum Cabinet Office, Government of Japan

特に10代は、生活情報やニュースを「X(旧Twitter)」や「Instagram」などのSNSから得る割合が高く、動画投稿・共有サービスであるYouTubeも人気です。これに対して50〜70代の世代は依然としてテレビが主要な情報源となっており、SNS依存が低いのが特徴です
Web担当者Forum
このように、インターネットの発展に伴い、若年層の情報収集はオンラインに大きくシフトしており、SNSが主要な情報源となっています。

添付6)

マーケティング強化のポイントは?
ChatGPT

マーケティング強化のポイントは、以下の重要な要素に焦点を当てることで達成できます:
1.ターゲットの理解とセグメンテーション:顧客の年齢、興味、購買履歴などのデータをもとに、ターゲット顧客を詳細にセグメント化します。これにより、ターゲット層に最適なメッセージやチャネルを通じた効果的なアプローチが可能になります。
2.デジタル戦略の最適化:SEO(検索エンジン最適化)、コンテンツマーケティング、SNS広告を効果的に活用し、オンラインでのリーチを拡大します。また、特にモバイルファーストの設計やUX(ユーザー体験)を最適化することが重要です。
3.パーソナライゼーション:AIやマーケティングオートメーションを利用して、個々の顧客にパーソナライズされたメッセージを送ることで、エンゲージメントを向上させ、顧客のロイヤリティを高めます。
4.データ分析とKPI設定:データを分析して顧客の行動やキャンペーンの効果を評価し、KPI(重要業績評価指標)をもとに改善点を特定します。たとえば、クリック率やコンバージョン率などの指標を監視することで、何が効果的かを把握できます。
5.顧客エンゲージメントの強化:メールマーケティングやSNS、ライブチャットなどで顧客とのインタラクションを増やし、信頼関係を築きます。また、レビューやフィードバックを収集し、顧客の声を製品やサービスに反映することも重要です。
これらのポイントを戦略的に組み合わせることで、顧客満足度を高め、ブランドロイヤルティの向上が期待できます。

 
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2024年11月04日
アイデアよもやま話 No.6043 株式保有の有無で格差拡大?
7月11日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で株式保有の有無で格差拡大について取り上げていたのでご紹介します。 

番組コメンテーターでピクテ投信投資顧問 シニア・フェローの市川眞一さんは次のようにおっしゃっています。
「例えば、日銀の資金循環を使って今年3月から足元までの家計の持っている上場株式の評価益を見てみると、累計で11兆円くらい膨らんでいる。」
「これは、株式を保有されている世帯にとってみればプラスなんですけども、これ持っておられない世帯にとってみれば、企業経営の変革を、その恩恵をふところが受け入れることが出来ない。」
「そういう事情になっていますから、格差の拡大ということにつながっていくと思います。」
「(そうした資産効果による格差が日本でも社会の分断をアメリカのように生むようなことは今後起こるのかという問いに対して、)日本社会は比較的、所得格差が少ない。」
「それが社会の安定を保ってきた理由の一つと言われていますけども、今後は格差が開いていく。」
「欧米型になっていく可能性は十分にあり得ると思います。」
「(では他の国のように社会の分断を生まないために今私たちが出来ることはあるかという問いに対して、)特に若い方を中心に計画的に着実に投資をしていかれることによって、持てる方にまわっていただくってことが、とりあえず我々、一人一人が出来ることとしては重要なのではないでしょうか。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、株式保有の有無による格差拡大について市川眞一さんの見解を以下にまとめてみました。
・日銀の資金循環を使って今年3月から足元までの家計の持っている上場株式の評価益を見てみると、累計で11兆円くらい膨らんでいる
・これは、株式を保有している世帯にとってはプラスだが、これ持っていない世帯にとってみれば、企業経営の変革の恩恵を受け入れることが出来ないので格差の拡大につながっていく
・そうした資産効果による格差が日本でもアメリカのような社会の分断生むかについて、日本社会は比較的、所得格差が少ないので、それが社会の安定を保ってきた理由の一つと言われている
・しかし、今後は格差が開いていき、欧米型になっていく可能性は十分にあり得る
・他の国のように社会の分断を生まないために今私たちが出来ることは、特に若い方を中心に計画的に着実に投資をしていくことによって、持てる方にまわっていくことが、とりあえず我々、一人一人が出来ることとしては重要なのではないか

なお、国民が株式投資することは企業にとってどんなメリットがあるかについては添付1を、なぜ個人投資家が株式を購入することで企業は資本を得られるのかについては添付2を、そして国民が株式投資することは企業にとってどんなディリットがあるかについては添付3を参照下さい。

要するに私たちが株式投資をすることは、特に将来性のあるベンチャー企業が株式上場をする際に、また今後とも将来性のある企業を後押しするうえで企業にとって有益なのです。
一方、こうした企業の株価は上がる可能性が高いので、こうした企業の株を購入した投資家は株式を売却する際に株価が上がった分を儲けることが出来るのです。
こうした状況は株式投資した投資家と企業をWinWinの関係にするのです。
そして、その儲けが多いほど、株式投資していない人たちに比べて株式投資した人たちの金融資産は増えるので、その分格差が広がることになるのです。
なお、NISAを使って株式を購入すれば、儲けた額に対して税金がかからないので、特にこれから株式投資をする方にはNISAの利用をお勧めします。
また、銀行に預金していても、金利はまだまだ低いので、預金の一部を株式投資に回した方が金融資産を増やすことが出来ます。

しかし、一方で株価はいろいろな状況で大暴落に陥ることがあります。(添付4参照)
ですから、特に初めて株式を購入する方には、1年くらいは株が購入価格からかなり下がったとしてもそのまま放置しておくことがお勧めです。
多くの場合、かなり下がったとしても、どこかの時点で回復し、購入時の株価よりも上がる時があるからです。


添付1)

国民が株式投資することは企業にとってどんなメリットがあるか?
ChatGPT

国民が株式投資を行うことは、企業にとっていくつかの重要なメリットがあります。
1.資金調達:個人投資家が株式を購入することで企業は資本を得られ、これが事業拡大や設備投資、新規プロジェクトの立ち上げなどに活用されます。資金調達がしやすくなると、企業は成長の機会を得やすくなります。
2.株価の安定と流動性向上:個人投資家の参入により株式の売買が活発になり、株式市場での流動性が増します。流動性が高まると、大規模な投資家が売却した場合でも株価の急落が抑えられ、企業の株価が安定しやすくなります。
3.企業の信頼性向上:株式を広く国民が保有することで、企業に対する信頼性が高まります。多くの投資家に支持される企業は市場での評価も上がり、ブランドイメージや社会的信用力の向上に繋がります。
4.社会的支持の拡大:企業が「国民株」となることで、事業活動への社会的支持が広がります。国民が株主になることで、企業が提供する製品やサービスに対する関心も高まり、顧客基盤の拡大が期待できます。
5.取締役会やガバナンスの強化:株主の意見が多様化することで、企業の経営陣はステークホルダーの多様なニーズに応えやすくなります。また、株主からの監視が強まり、ガバナンスの向上や企業の透明性向上にも寄与します。

こうしたメリットは、企業の成長と社会経済の活性化に寄与するため、株式市場の発展を通じて社会全体にプラスの影響をもたらすとされています。

添付2)

なぜ個人投資家が株式を購入することで企業は資本を得られるのか?
ChatGPT

個人投資家が株式を購入することで企業が資本を得られるのは、主に株式発行を通じた資金調達の仕組みによります。以下のように株式市場での資本調達が可能になります。
1.株式発行による資金調達:企業は株式を発行することで、市場から直接資金を調達できます。企業が最初に株式を公開する際(IPO)や、新たに追加の株式を発行する際(公募増資など)、その株式が個人投資家や機関投資家に購入されることで、企業には現金資本が流入します。この資金は、設備投資、研究開発、新規事業、債務の返済などに活用されます。
2.株式市場での流通の維持:株式が一度市場に流通した後、企業は新たな資金調達には直接関与しませんが、安定した株価や流動性があると、必要なときに追加発行が容易になります。また、株主の支持を得ることで、将来の資金調達がしやすくなり、企業価値向上につながるメリットがあります。
3.株主資本と負債資本の違い:株式を発行することで得られる資本は「株主資本」と呼ばれ、借入資本と異なり、返済義務や利子が生じません。そのため、負債を増やさずに事業を拡大できるのは、株式発行の大きなメリットです。株主資本は企業の財務構造の安定化に寄与し、長期的な成長戦略の実行が可能になります。
個人投資家が株式を購入し続けることで企業は安定した市場環境を得られ、企業価値の向上や資金調達のしやすさが高まります。

添付3)

国民が株式投資することは企業にとってどんなディリットがあるか?
ChatGPT

国民が株式投資を行うことには企業にとってメリットも多いですが、デメリットもいくつかあります。
1.株主からの短期的な利益要求:個人投資家が短期的な利益を求めるあまり、企業の経営方針に圧力をかけることがあります。特に、四半期ごとの収益目標を過度に重視するような投資家が増えると、企業は長期的な成長戦略を犠牲にして短期的な利益確保に注力しなければならない場合があります。
2.株価の変動と不安定性:個人投資家は市場の変動に敏感であるため、大量の売買があると株価が急激に変動することがあります。株価の不安定さは企業のブランドイメージや信用度に影響を及ぼし、従業員の士気にも悪影響を与える可能性があります。
3.株主からの要求増加:株主が増えることで、株主総会やIR活動などに費用や時間を割く必要が増え、経営リソースが分散されます。さらに、株主からの質問や要求が増えることで、経営の透明性を求められる一方で、経営戦略の秘密保持が難しくなる場合があります。
4.敵対的買収のリスク:株式が市場に多く出回ると、企業は敵対的買収のターゲットになりやすくなります。特に、株価が低迷しているときには、他企業や投資ファンドに買収されるリスクが高まります。
5.配当へのプレッシャー:配当を期待する個人投資家が増えると、企業は利益の一部を配当として支払うプレッシャーが強まります。このため、内部留保や成長投資に使える資金が減少し、長期的な成長に必要な投資が制限される可能性があります。

こうしたデメリットを考慮して、企業は株主構成を安定させるための対策や長期的なビジョンを明確に示すことが重要とされています。

添付4)

株価の大暴落をもたらす要因は?
ChatGPT

株価の大暴落は、さまざまな要因によって引き起こされます。主な要因は以下の通りです:

1.経済的な要因:景気後退やインフレの急上昇、金利の引き上げなど、経済が不安定になると株価は大きく下落する可能性があります。特に中央銀行の金利政策やインフレ率は、市場心理に大きく影響を及ぼし、投資家がリスクを回避しようと売りを急ぐ原因になります
2.企業業績の悪化:主要企業の業績不振や業界全体の収益性低下が明らかになると、投資家は企業の将来性に不安を感じて株を売りに出します。特に、株式市場の大きな割合を占める企業が業績不振になると、関連する銘柄や市場全体に波及する影響があり、大規模な売りが発生することがあります。
3.地政学的リスクと政治的要因:戦争やテロ、貿易摩擦など、地政学的なリスクが増すと、経済活動や貿易に悪影響が及び、株価が下落しやすくなります。特に米中貿易摩擦やイギリスのEU離脱といった出来事は、市場に大きな動揺を引き起こしました
4.投機行動:過剰な投機が加速し、バブルが発生した後にそのバブルが崩壊することで、株価は急落する可能性があります。過去のドットコムバブルやリーマンショックでは、この投機的な高騰とその崩壊が典型的な例です。投資家が利益確定のために売りを急ぐと、株価の大暴落が起こります。
5.金融システムの不安定化:銀行の破綻や金融システムの崩壊、債務危機が発生すると、市場の信頼が失われ、リスクオフの動きが強まります。たとえば、2008年のリーマン・ブラザーズの破綻は、世界的な金融危機を引き起こし、株価が大きく下落しました 。
6自然地震や津波、パンデミックなどの大規模な自然災害や健康危機も、経済活動に悪影響を与え、株価の急落要因になります。例えば、COVID-19パンデミックの開始時には、感染拡大により経済が停滞し、世界中の株価が急落しました 。

これらの要因が重なると、投資家が一斉の大暴落を引き起こすことがあります。

 
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2024年11月03日
No.6042 ちょっと一休み その953 『目を見張るAIの驚異的な進歩!』
6月30日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)でSBGの孫会長兼社長によるAIの驚異的な進歩における見解について取り上げていたのでご紹介します。

AIの驚異的な進歩について、孫さんは次のようにおっしゃっています。
「何で急にAIがこんなに、特にこの1年間、進化したかというと、4年間で1000倍になったんです、能力が。」
「チップの数が10倍になって、チップ当たりの能力が10倍で、それを扱うトランスフォーマーのチャットGPTさんのようなモデルソフトも10倍になった。」
「10×10×10で、4年間で1000倍能力が上がった。」
「自転車と新幹線て20倍しか違わないでしょ。」
「でも別の乗り物でしょ。」
「たった20倍。」
「1000倍だと見違えるほどの進化があった。」
「ただ、すごいのは、ここから4年間で、もう1回1000倍になるんです。」
「もう一度チップの数が10倍、能力が10倍、モデルが10倍になりますから、もう我々には分かってるんです。」
「全部マイルストーンが見えてますから、開発してますから。」
「4年間で1000倍。」
「もっとすごいのは、そこから4年間で、もう1回1000倍になるんです。」
「そこから4年間でもう1回1000倍。」
「オリンピック3回分は、もう我々のマイルストーンに入ってますから見えてるんです、開発やってますから。」
「我々の開発の現場では1000倍×1000倍は100万倍、100万倍×1000倍は10億倍なんです。」
「つまり、今から3回のオリンピックってイメージ湧くでしょ。」
「で、3回のオリンピックで人類の走る能力は10%くらい伸びるかもしれないけど、コンピューターのAIの英知は10億倍になるんです。」
「今日現在、既にチャットGPTの4.0でアメリカの医学試験に通るんですよ。」
「合格してるんです、国家試験に。」
「もう(チャットGPTの)4oなんてすごいですよ。」
「普通の人なんて通んないですよね。」
「もう医学については普通の平均的人間より上なんですよ。」
「これが10億倍になるんですよ。」
「10億倍ですよ、どうするんですか?」
「これをね、AIなんてなーとか、人間が作ったのが人間を超えるわけないだろ。」
「人間が作ったものを学習してるんじゃないんですよ。」
「AIが勝手に自ら学習してるんです。」
「(全く違う世界がこれから広がるということなのかという問いに対して、)全く変わるんです。」
「だから失われた30年を日本がもう1回取り返したくないのであれば、目をバーンと開かなきゃ駄目ですよ。」
「もう、知識人がね、上から目線でなんちゃってで言うんですよ、知ったかぶりで。」
「あんた専門家か?と言いたいんですよ。」
「専門家でもないのに、知ったかぶりして、上から批難するんじゃないと。」
「もっと心を開いて素直に、真正面から進化に対して純粋に取り組まないと日本はヤバいですよ。」
「(それだけのポテンシャルがある中で、今回の事業、医療でのDXという意味では、創薬とか患者へのメリットとか、具体的にいつぐらいから享受できるようになるのかという問いに対して、)アメリカでは、もうすごいんです。」
「やってますから、既に。」
「がんの新薬のために製薬会社とバイオベンチャー、200社がこのプログラムに参加して、どんどん新薬を作ってるんですね。」
「日本も年内ぐらいには我々も一部開始しますから。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、孫さんの語られたAIの驚異的な進歩について以下にまとめてみました。
・急にAIがこんなに、特にこの1年間、進化したかというと、能力が4年間で1000倍になったからである
 -チップの数が10倍になって、チップ当たりの能力が10倍で、それを扱うトランスフォーマーのチャットGPTのようなモデルソフトも10倍になり、10×10×10で4年間で1000倍能力が上がった
・すごいのは、ここから4年間で、もう1回1000倍になる
 -もう一度チップの数が10倍、能力が10倍、モデルが10倍になるからである
・オリンピック3回分は、もう我々の開発のマイルストーンに入っている
・我々の開発の現場では1000倍×1000倍は100万倍、100万倍×1000倍は10億倍と、12年後にはAIの英知は10億倍になる
・今日現在、既にチャットGPTの4.0でアメリカの医学の国家試験に合格している
 -既に医学については普通の平均的人間より上である
 -AIは人間が作ったものを学習してるのではなく、AIが勝手に自ら学習している
・全く違う世界がこれから広がろうとしている
・日本は、もっと心を開いて素直に、真正面から進化に対して純粋に取り組むべきである
・このようにAIにはポテンシャルがある中で、アメリカでは、がんの新薬のために製薬会社とバイオベンチャー、200社がこのプログラムに参加して、どんどん新薬を作っている
・日本も年内ぐらいには我々も一部開始する

孫さんのおっしゃるように、AIの能力がしばらくの間、4年間で1000倍と驚異的に進歩していくと、まさに想像を絶するような世界が開けてくると見込まれます。
私たち人間は知りたいことはチャットGPTのような生成AIに訊けば、何でもすぐ教えてくれるし、アイデアが思い浮かんだら生成AIに頼めば、すぐに解決案を提案してくれると思われます。
更に、戦争が勃発しても、思わぬような解決策を提示してくれるのではないかと期待が膨らんできます。
しかし一方で、より巧妙なフェイク画像やフェイクニュースが氾濫したり、より防ぎにくいデジタル犯罪も次々に発生してくると懸念されます。
更に、人類を滅亡させる方法をチャットGPTに訊く人も現れるのではと懸念されます。

ということで、生成AIなど、AIには自らは自由や平等、人権の尊重といった基本的な価値観に則って人類のために役立って欲しいと願います。
なお、AIがロボットと組み合わさると、アイデアよもやま話 No.6041 “生きた皮膚”の顔ロボット!?でお伝えしたように、バイオハイブリッドロボットといったような一見すると人間のようで、しかしとてもとても頼りになる存在が生まれてくると期待出来ます。

ということで、将来的にAIは人類にとって万能の“神”のような存在になるのではと思われます。

 
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2024年11月02日
プロジェクト管理と日常生活 No.894 『データセンターの電力消費量が世界全体で2026年に2022年比で2倍を超える!』
6月14日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でデータセンターの電力消費量が世界全体で2026年に2022年比で2倍を超えるという予測について取り上げていたのでご紹介します。 

AIを巡っては、急速に普及する生成AIの利用に伴う消費電力の増加が課題となっています。
IEA、国際エネルギー機間によると、グーグルで検索、1回当たりの消費電力量は0.3ワット時です。
一方、チャットGPTでは、1回当たりの質問で2.9ワット時です。
大量の電力が必要な理由の1つは、生成AI向けのデータの計算や保存を担うデータセンターの存在です。
その電力消費量が世界全体で2026年に2022年比で2倍を超えるという試算もあることから、各国で電力網への負荷が懸念されていて、G7サミット(6月13日から6月15日にかけて、イタリアで開催)でも議題の1つになったものと見られています。
総理同行の利光泰輔記者は次のようにおっしゃっています。
「(今回、このような議題が設定された理由について、)これまでG7において、エネルギー問題というのは脱炭素や地球温暖化の文脈で議論されてきました。」
「しかし、生成AIの普及で世界中で電力消費の急増が見込まれるため、今回、AIと電力をセットで議論することになりました。」(添付参照)
「実際に、ヨーロッパでは既にデータセンターの電力消費が大きな問題となっているんです。」
「例えば、データセンターが多く集まるアイルランドでは、電力不足への懸念から、当局がデータセンターの建設計画を認めなかった事例もあります。」
「(そうした状況の中、日本政府の対応について、)日本では今年、エネルギー基本計画が改定されます。」
「生成AIによる電力消費の急増という課題がある一方で、G7各国は「石炭火力発電を将来廃止する」など、脱炭素化を掲げています。」
「再生可能エネルギーでは電力を賄いきれないという指摘がある中、政府与党内からは原子力発電の活用拡大という意見も出てきています。」
「急浮上した課題に岸田総理がどのように臨むのか、今後注目されます。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(生成AI向けのデータ処理を担うデータセンターのもたらす課題)
・AIを巡っては、急速に普及する生成AIの利用に伴う消費電力の増加が課題となっている
 -IEA、国際エネルギー機間によると、グーグルで検索、1回当たりの消費電力量は0.3ワット時だが、チャットGPTでは、1回当たりの質問で2.9ワット時である
・大量の電力が必要な理由の1つは、生成AI向けのデータの計算や保存を担うデータセンターの存在である
 -その電力消費量が世界全体で2026年に2022年比で2倍を超えるという試算もあることから、各国で電力網への負荷が懸念されている

(G7で総理同行の利光記者の見解)
・これまでG7ではエネルギー問題は脱炭素や地球温暖化の文脈で議論されてきたが、生成AIの普及で世界中で電力消費の急増が見込まれるため、今回、AIと電力をセットで議論することになった
・実際に、ヨーロッパでは既にデータセンターの電力消費が大きな問題となっている
 -データセンターが多く集まるアイルランドでは、電力不足への懸念から、当局がデータセンターの建設計画を認めなかった事例もある
・そうした状況の中、日本では今年、エネルギー基本計画が改定される
 -生成AIによる電力消費の急増という課題がある一方で、G7各国は「石炭火力発電を将来廃止する」など、脱炭素化を掲げている
 -再生可能エネルギーでは電力を賄いきれないという指摘がある中、政府与党内からは原子力発電の活用拡大という意見も出てきている

要するに、生成AI向けのデータ処理を担うデータセンターの消費電力量が今後の生成AIの利用増に伴い、急激に増えると見込まれることから、世界共通の大きな課題になっているのです。
ですから、この課題解決について、特に低電力かつ高効率のプロセッサー設計で世界的に有名な半導体設計会社、イギリスのアームや主にグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の設計と製造で知られるアメリカの半導体企業、エヌビディアなど、半導体関連メーカーは機能のみならず、省電力に対しても最大限配慮した事業展開が非常に求められるのです。
こうした省電力の効果が十分でないと、データセンターが多く集まるアイルランドのように当局から何らかの制限をされることになる懸念があるのです。
一方で、肝心の太陽光発電など、再生可能エネルギーによる発電の更なる世界的な普及も求められ得るのです。


添付)
今回のG7でデータセンターの電力消費量の増加についてどのような話し合いがなされたのか?
ChatGPT

今回のG7サミットでは、生成AIの普及によるデータセンターの電力消費量の急増が議題となり、環境負荷軽減策が議論されました。特に、AIがデータセンターの消費電力に大きく影響を与えるとされ、各国のデータセンターに対する規制強化や、再生可能エネルギーの活用促進策が強調されました。
例として、アイルランドやドイツでは新たなデータセンター設置時に厳しい環境基準を適用する規制が進められており、再生可能エネルギーによる電力供給を義務化する動きもあります。日本においても「デジタル田園都市国家構想」の一環としてデータセンターの分散立地やゼロエミッション化への支援が拡大されています。こうした施策により、データセンターの電力需要増加に伴うカーボンフットプリントを削減することが狙いです
ICR HATCH |自然電力のメディア

 
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2024年11月01日
アイデアよもやま話 No.6041 “生きた皮膚”の顔ロボット!?
7月11日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で“生きた皮膚”の顔ロボットについて取り上げていたのでご紹介します。 

東京大学(東京・文京区)の竹内昌治教授は次のようにおっしゃっています。
これは、今から取り上げますけども、“生きた皮膚”を表面に持つ顔面の構造体です。」

この皮膚はヒトの細胞から培養したものです。
培養皮膚を人型ロボットに貼り付けて、人の皮膚の機能をロボットに与えます。
作り方は、顔の型にヒトの皮膚細胞が含まれた培養液を注入します。
約2週間培養すると、ヒトの皮膚構造に似た“生きた皮膚組織”が出来上がります。
竹内教授は次のようにおっしゃっています。
「ロボットの周り(表面)を皮膚で、“生きた細胞”で覆ったら、より人間に近いものが出来るのではないか。」

これまでのロボットの表面は金属やシリコンで出来ているイメージですが、こうした“生きた皮膚”で覆うことでより人間らしいロボットが開発出来るといいます。
竹内研究室では、これまでも“培養皮膚“の研究に取り組んできました。
こちらの指ロボット、こちらも生きた皮膚で覆われています。
人間と同じように関節を持ち、モーターで曲げることが出来ます。
この指ロボットの研究では、人間の皮膚のような、水をはじく撥水性の機能やけがをしても傷口が塞がる自己修復の機能を持つ皮膚の開発に成功しました。
竹内教授は次のようにおっしゃっています。
「(このロボットは、放っておいても傷口が治るのかという問いに対して、)度合いにもよるんですけども、ちょっとした傷でしたら細胞が増殖することで修復することが出来るんじゃないかなと思います。」

また、ヒトの筋肉細胞を培養した“培養筋肉”の研究も。
この二足歩行のロボット、白い部分が“培養筋肉”(こちらを参照)です。
ヒトのように筋肉が伸び縮みすることでロボットが歩くことが出来ます。
竹内研究室の研究は、「人間」と「機械」、それぞれの強みを併せ持った「バイオハイブリッドロボット」という概念だといいます。
竹内教授は次のようにおっしゃっています。
「生物と機械が融合したようなロボットを作っていきたい。」
「生物に見られる機能を人工物だけで実現しようと思うと中々難しいというのが現状だと。」
「だったら、生物がいとも簡単にやっているのであれば、生物の素材そのものを取ってきて、生物と機械のいいとこ取りをしたロボットが出来るのではないかと。」

「今回の技術を発展させて、現在はこんなもの(こちらを参照)が出来ているんですね。」

このバイオ皮膚(添付参照)を使った「笑う顔ロボット」、電気モーターで動かすことで笑う表情を作ることが出来ます。
「笑う顔ロボット」の笑顔はヒトの“シワ”を再現出来るようになりました。
竹内教授は次のようにおっしゃっています。
「(シワとかえくぼが出来るのもこの実験ならなのかという問いに対して、)そうですね。」
「皮膚同士を引っ張ることでほほが上がりますよね。」
「実は、このデコボコの形成が表情を作る上でも重要なんですが、医薬品とか化粧品がどのように入り込んでいくかを調べるためにも重要なモデルになってくる。」

こうした「顔型ロボット」や「笑う顔ロボット」といった立体的に人間の顔を再現した培養皮膚は医療や美容の分野において、今までは難しかった表情や重力の影響の調査に役立つといいます。
ヒトと機械の強みを融合させていく「バイオハイブリッドロボット」の今後はどのような展開があるのでしょうか。
竹内教授は次のようにおっしゃっています。
「人間なのか機械なのか分からないようなヒューマノイド型ロボットを作っていきたい。」
「例えば人間と機械のインタラクション(相互作用)がどう変わってくるのかとか、あるいはどのくらいその生物の機能を再構成することが出来るのかを調べていきたい。」

今回の生きた皮膚の顔のロボットなんですが、現在はまだ開発段階なので、サイズであったり見た目にまだまだ課題が残っているんですが、近い将来、汗を出す機能だったり、血管の機能を加えることによって本物のヒトにより近いロボットの顔を作っていくということでした。
また、お話を聞いたところ、現在は毛穴であったり、実際の皮膚の厚さまでは再現出来ていないということで、現在は難しいんですが、将来的には、そういった医療の分野(義手や義足、あるいは皮膚の毛穴だとか、再生医療など、人間の医療)にも取り組んでいきたいということでした。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、“培養皮膚“の研究に取り組んできた東京大学の竹内研究室の研究成果を以下にまとめてみました。

(顔ロボット)
・顔の型にヒトの皮膚細胞が含まれた培養液を注入し、約2週間培養すると、ヒトの皮膚構造に似た“生きた皮膚組織”の顔ロボットが出来上がる

(指ロボット)
・人間と同じように関節を持ち、モーターで曲げることが出来る。
・この指ロボットの研究では、人間の皮膚のような、水をはじく撥水性の機能やけがをしても傷口が塞がる自己修復の機能を持つ皮膚の開発に成功した

(培養筋肉)
・二足歩行のロボットの白い部分がヒトの筋肉細胞を培養した“培養筋肉”である
・ヒトのように筋肉が伸び縮みすることでロボットが歩くことが出来る

(笑う顔ロボット)
・「人間」と「機械」、それぞれの強みを併せ持った「バイオハイブリッドロボット」という概念で、生物の素材そのものを取ってきて、生物と機械のいいとこ取りをしたロボットとして、電気モーターで動かすことで笑う表情を作ることが出来る、バイオ皮膚を使った「笑う顔ロボット」が出来た
 -「笑う顔ロボット」の笑顔は、ヒトの“シワ”を再現出来るようになった
 -皮膚同士を引っ張ることでほほが上がる
・このデコボコの形成が表情を作る上でも重要で、医薬品や化粧品がどのように入り込んでいくかを調べるためにも重要なモデルである

(竹内教授による「バイオハイブリッドロボット」の今後の展開)
・人間なのか機械なのか分からないようなヒューマノイド型ロボットを作っていきたい
 -近い将来、汗を出す機能や血管の機能を加えることによって本物のヒトにより近いロボットの顔を作っていく
 -将来的には医療の分野(義手や義足、あるいは皮膚の毛穴などの再生医療など、人間の医療)にも取り組んでいきたい

こうしてまとめてみると、顔ロボット、指ロボット、笑う顔ロボット、あるいは培養筋肉は、全てヒトの各部の細胞組織の培養、および、一部はモーターを組み合わせて作られます。
このようにヒトの各部のロボットを作っていくと、いずれこれらを組み合わせることでヒューマノイド型ロボットが完成します。
一方で、こうしたロボットの関連技術は医療分野への適用も出来ます。
ですから、東京大学の竹内教授は、いずれでヒューマノイド型ロボットを作ること、および医療や美容の分野への適用を目的にヒトの各部のロボットを作ってきていると思えます。

いづれにしてもヒューマノイド型ロボットの完成型の見た目は限りなく人間に近くなり、更にAIが搭載されることで身近な使用人兼アドバイザーになり得えます。
そうなると、いずれ見かけや性格は個々人の好みで、いかようにも作ることが出来ます。
これが実現したら、ヒューマノイド型ロボットに恋をして、実物の異性と結婚する人が少なくなってしまうというようなことも懸念されます。
なお、犬や猫といったペット型ロボットも作られるようになると思われます。

 
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2024年10月31日
アイデアよもやま話 No.6040 水道管の耐震適合率の全国平均が42.3%!
7月8日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で水道管の耐震適合率が42.3%であることについて取り上げていたのでご紹介します。 

全国平均で42.3%(2022年度)、この数字は水道管が最大規模の地震に耐えられる割合を示す耐震適合率です。
決して高くないと言える水準で能登半島地震では断水が長期化した原因の一つに、こうした水道管の老朽化があったとされています。
岸田総理大臣(当時)は今日(7月8日)、万一の際、避難所となる全国の施設で水道管の緊急点検を指示し、水道管の維持管理にデジタル技術を活用する方針を示しました。

岸田総理が視察したのは上水運用センター(愛知県豊田市)です。
豊田市の太田稔彦市長は次のようにおっしゃっています。
「AIの技術も含め、これからどんどん変わってきますので、・・・」

豊田市の水道管の漏水点検では、人工衛星が発した電磁波で漏水の危険性がある地域を特定し、更にAIが水道管の材質や使用年数などから漏水のリスクを5段階で評価。
従来、歩いてアナログに実施していたのに比べ、時間と費用を9割削減出来るといいます。
太田市長は次のようにおっしゃっています。
「聴診器型でやる(点検)作業の負担が大き過ぎますね。」

岸田総理は太田市長の説明に対して、次のようにおっしゃっています。
「これは画期的な効果につながると信じてますので、是非こういった取り組みを進めたいと思いますね。」

政府は全国で耐震適合率を2028年度末までに60%以上に引き上げる目標を掲げていますが、中々改善が進んでいません。
能登半島地震では断水の長期化も課題となった中で、こうしたデジタル技術を全国展開する方針を表明。
更に岸田総理は次のようにおっしゃっています。
「能登半島地震で上下水道の甚大な被害を経験したわけでありますが、管路などの耐震化状況の緊急点検を開始し、10月までに完了してまいります。」

政府は耐震化の強化策を来年度予算案に反映させる方針です。
こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞 論説フェローの原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「水道事業っていうのは大変大きく人口減少と関係してるんですね。」
「水道は市町村が管理をして、水道料金をもとに経営してるんですけど、今は人口が減って、そうすると水道使用量が減る。」
「で事業収入も減って、こうなると大幅に料金を値上げするには世帯が減ってるので、これは大変難しくなる。」
「で、結果的に修繕や耐震化の遅れが放置されてきたということなんですね。」
「(だからといって、このまま対策をせずに放置をし続けるとどうなってしまうかというと問いに対して、)EYジャパンなどの試算によると、2046年度までに全国の自治体全体の96%、ほぼ全部が値上げをしなくちゃいけなくなる。」
「平均の値上げ率が48%にもなると言われてるんですね。」
「で、これは平均であって、人口が少ない自治体や人口密度の低い自治体になると最大料金でみた場合の7000円台が2万5000円、3倍、4倍にあたるということになるんですね。」(こちらを参照)
「(将来につけを回さないために今から対策が重要だという指摘に対して、)そうですね。」
「だから今、値上げが出来ないということは将来の値上げがもっと難しくなるということですから、しかも維持にお金がかかるのは水道だけじゃなくて道路や橋、トンネルなんかもそうなんですよ。」
「ですので、我々もある程度、お金がかかることを覚悟して対応を進めないと物事が前に動かない、そういうことですね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、この番組で水道管の維持管理に使用しているデジタル技術を開発した企業については取り上げていませんでした。
それが気になっていたところ、7月12日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でも、水道管の劣化、および、こうした技術を開発した企業について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)も出資するスタートアップ、株式会社天地人
衛星データを使って様々なサービスを展開する企業です。
天地人の百束泰俊COOは次のようにおっしゃっています。
「(どうして宇宙から見て地中に埋まっている水道管のことが分かるのかという問いに対して、)僕らが見ているのは、まさに地面の表面のアスファルトの温度を見てます。」
「気温と違って(地表は)ものすごい熱いんですよ。」
「特に炎天下。」
「それが水道管へのストレスに効いてくる。」

衛星から得られる地表の温度やわずかな地盤の変動などの情報に加え、水道管が敷設された年や過去の漏水箇所などのデータを掛け合わせて水道管の劣化の度合いを評価出来るといいます。

前橋だけでなく全国17の自治体に導入されました。
百束COOは次のようにおっしゃっています。
「(デジタルの力を使うことによって随分変わりそうだと見ているかという問いに対して、)老朽化の問題は本当に大変な社会課題だなと思うので、それ自身を市場と捉えると、ものすごく大きな市場があるんだろうかと思います。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

2つの番組の内容を以下にまとめてみました。

(水道管の耐震適合率に見るデジタル技術による水道管の維持管理の必要性)
・水道管が最大規模の地震に耐えられる割合を示す耐震適合率が全国平均で42.3%(2022年度)である
・能登半島地震では断水が長期化した原因の一つに、こうした水道管の老朽化があったとされている
・岸田総理大臣(当時)は7月8日、万一の際、避難所となる全国の施設で水道管の緊急点検を指示し、水道管の維持管理にデジタル技術を活用する方針を示した
・愛知県豊田市の水道管の漏水点検では、人工衛星が発した電磁波で漏水の危険性がある地域を特定し、更にAIが水道管の材質や使用年数などから漏水のリスクを5段階で評価している
 -従来、歩いてアナログに実施していたのに比べ、時間と費用を9割削減出来るという
・政府は全国で耐震適合率を2028年度末までに60%以上に引き上げる目標を掲げているが、中々改善が進んでいない
・能登半島地震では断水の長期化も課題となった中で、こうしたデジタル技術を全国展開する方針を表明している
・更に岸田総理は、能登半島地震で上下水道の甚大な被害を経験したので、管路などの耐震化状況の緊急点検を開始し、10月までに完了すると表明している
・政府は耐震化の強化策を来年度予算案に反映させる方針である

(こうした状況について、解説キャスターの原田さんの見解)
・水道事業は大変大きく人口減少と関係している
 -水道は市町村が管理をして、水道料金をもとに経営しているが、今は人口が減って、水道使用量が減り、事業収入も減ると大幅に料金を値上げするには世帯が減ってるので、大変難しくなる
 -結果的に修繕や耐震化の遅れが放置されてきた
・EYジャパンなどの試算によると、2046年度までに全国の自治体全体の96%、ほぼ全部が値上げをしなくてはいけなくなる
 -平均の値上げ率が48%にもなると言われている
 -人口が少ない自治体や人口密度の低い自治体になると最大料金でみた場合の7000円台が2万5000円、3倍、4倍にあたるということになる
・今、値上げが出来ないと将来の値上げがもっと難しくなり、しかも維持にお金がかかるのは水道だけではなく道路や橋、トンネルなども同じである
・従って、我々もある程度、お金がかかることを覚悟して対応を進めないと物事が前に動かない

(水道管の維持管理に使用するデジタル技術を開発した企業)
・スタートアップ、株式会社天地人では衛星データを使って様々なサービスを展開している
 -衛星から得られる地表の温度やわずかな地盤の変動などの情報に加え、水道管が敷設された年や過去の漏水箇所などのデータを掛け合わせて水道管の劣化の度合いを評価出来る
・全国17の自治体に導入されている
・天地人の百束COOは、老朽化の問題は大変な社会課題なので、その市場は大変大きいと言う

要するに、水道管の耐震適合率の全国平均が42.3%であり(2022年度)、今後、少子高齢化により人口が減少していき、それに伴い、2046年度までに全国の自治体全体の96%、ほぼ全部が値上げをしなくてはいけなくなる状況なのです。
そして、能登半島地震では断水の長期化も課題となっているのです。
こうした状況において、デジタル技術による水道管の維持管理により、歩いてアナログに実施していたのに比べ、時間と費用を9割削減出来るというのです。
そして、こうしたデジタル技術を全国展開する方針を表明しているのです。
なお、維持管理にお金がかかるのは水道だけではなく道路や橋、トンネルなども同じ状況だといいます。

ということで、是非、日常の維持管理、および災害対策として、水道管の維持管理のみならず、道路や橋、トンネルなどにおいても、デジタル技術の活用により時間と費用の削減に取り組んでいただきたいと思います。

 
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2024年10月30日
アイデアよもやま話 No.6038 フォルクスワーゲンが8000億円投資のワケ!
6月26日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でフォルクスワーゲンが8000億円投資のワケについて取り上げていたのでご紹介します。 

ドイツの自動車大手、フォルクスワーゲンがアメリカのEVの新興メーカーであるリビアンオートモーティブ(RIVIAN)に最大で8000億円の日本円で投資すると発表しました。
この狙いについて、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は次のようにおっしゃっています。
「やはりEVの競争の条件がハードからソフトにシフトしてきたというとこが見逃せないですし、それに加えてアメリカでのEV減速、それに対して中国でのEV成長が促した2社の提携。」
「この辺が背景ではないでしょうかね。」
「(中国のBYDがここまで強く、中国でも強いし、ヨーロッパでもかなり伸びており、G7でも中国のEVの過剰生産の問題が言われたが、安くて性能がいいので、アメリカとドイツが手を結ぶしかないところまで来ているという指摘に対して、)ご指摘の通りですね。」
「フォルクスワーゲンは実は主戦場が中国で、中国ではナンバーワンのプレイヤーだったんですね。」
「それが昨年はBYDに抜かれて、ナンバー2になってしまった(添付1参照)ということで、戦場が中国であるフォルクスワーゲンとしてはEVシフト。」
「拍車をかけなければいけないというとこですし、G7で過剰生産という言葉がありましたけれども、実際は過剰生産で価格が安いだけでなくてクオリティも高い。」
「ズバリ、競争力が中国の方が高いというのが過剰生産という言葉で表現されているわけですね。」(添付2参照)
「(かつてフォルクスワーゲンが投資するリビアンだが、新興メーカーとして、アメリカのテスラに次ぐ勢いがあったのではという問いに対して、)そうですね。」
「やはりEVメーカーということで、テクノロジー企業だと評価を受けて、一時は世界の自動車メーカーの時価総額のランキングでも上位にきましたから、もしかしたら8000億円の投資は割安なんかも知れませんね。」(添付3参照)
「(今後の展開について、)もし、これ以上アメリカのEV市場がスローダウンするようでしたら、買収という展開も見えてくるかもしれませんね。」
「(やはり中国のEVメーカーは世界市場というか、ある種かき乱すような展開になっているということなのかという問いに対して、)そうですね。」
「やはりEVの競争の状勢がEVのソフトウェア、あるいはプラットフォーマー、エコシステムの勝負ということになってきたので、恐らくグレイターアメリカとグレイターチャイナでは交わり合わないかもしれませんけども、グレイターチャイナ、アジア、そういったとこで中国のEVが強いというとこですかね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・ドイツの自動車大手、フォルクスワーゲンがアメリカのEVの新興メーカーであるリビアンオートモーティブに最大で8000億円の日本円で投資すると発表した

(この背景について、立教大学ビジネススクールの田中教授の見解)
・EVの競争の条件がハードからソフトにシフトしてきたことに加えて、アメリカでのEVの減速に対して、中国でのEV成長が2社の提携を促した
・中国のBYDがここまで強く、中国でも強いし、ヨーロッパでもかなり伸びている
 -G7でも中国のEVの過剰生産の問題が言われたが、安くて性能がいいので、アメリカとドイツが手を結ぶしかないところまで来ている
・フォルクスワーゲンの主戦場が中国で、中国ではナンバーワンのプレイヤーだったが、昨年はBYDに抜かれて、ナンバー2になってしまったということで、戦場が中国であるフォルクスワーゲンとしてはEVシフトが必要だった
 -G7で過剰生産という言葉があったが、実際は過剰生産で価格が安いだけでなくてクオリティも高いので競争力が中国の方が高い
 -フォルクスワーゲンが投資する新興のEVメーカー、リビアンはテクノロジー企業だと評価を受けている
・EVの競争の状勢がEVのソフトウェア、あるいはプラットフォーマー、エコシステムの勝負になってきたので、恐らくグレイターアメリカとグレイターチャイナでは交わり合わないかもしれないが、グレイターチャイナ、アジアといったところで中国のEVが強いというところである

要するに、BYDを始めとして中国のEVメーカーが低価格、高品質で世界市場での存在感を高めているのです。(添付4参照)
こうした状況に対して、欧米では中国によるEVの過剰生産を問題視し、EUは中国製EVに対して最大45%の関税を課すことを決定し、他国でも同様の動きが見られるのです。
また、中国国内においても、フォルクスワーゲンの主戦場、中国国内においても中国のEVメーカーの販売台数が増え、これまでナンバーワンのプレイヤーだったのが、昨年はBYDに抜かれて、ナンバー2になってしまったのです。
こうした状況において、フォルクスワーゲンは大変な危機感を持って、アメリカの新興のEVメーカー、リビアンに投資するという事態に至ったのです。
ですから、欧米は中国製EVに対して高い関税を課すだけでなく、中国のEVメーカーに価格競争では負けても機能や品質では勝ち、総合的な競争力を武器に中国のEVメーカーに勝つような戦略で頑張っていただきたいと思います。
なお、日本は中国車に対して特別な関税を課していませんが、日産自動車は世界初でEVの量産を始めたのですから、是非、復活を果たしていただきたいと思います。


添付1)

中国国内での自動車メーカーの売上高ランキング(2023年)は?
ChatGPT

中国の2023年の自動車売上高ランキングでは、BYDが市場をリードし、強力な国内販売とEV(電気自動車)セグメントでの支配的な地位により成功を収めました。フォルクスワーゲンはFAW-Volkswagenとの合弁会社を通じて、内燃機関(ICE)車とIDシリーズなどのEVの売上が堅調で、2位となりました。トヨタは確立されたICE車とハイブリッド車のラインナップが中国の消費者に引き続き支持され、3位にランクインしました。
参考:
・GASGOO
・CARNEWSCHINA.COM
・HINDUSTAN TIMES

添付2)

G7でも中国のEVの過剰生産の問題が言われたが、安くて性能がいいから中国製のEVが売れているのではないか?
ChatGPT

中国製の電気自動車(EV)は、低価格で高性能な点が魅力となり、世界市場での存在感を高めています。例えば、中国の自動車メーカー「BYD」は、コストの約3割を占めるバッテリーを自社製造することで、価格を抑えつつ性能の高いEVを提供しています
Leon。
しかし、中国のEVメーカーは過剰な生産能力を抱えており、その結果、安価な製品が大量に輸出され、他国の自動車産業に影響を及ぼしています。この問題は国際的にも認識されており、2024年5月から6月にかけて、米国や欧州連合(EU)が中国製EVに対する輸入関税の引き上げを決定しています
NLI Research Institute。
さらに、EUは中国製EVに対して最大45%の関税を課すことを決定し、他国でも同様の動きが見られます
ウォール・ストリート・ジャーナル。
これらの対策は、中国の過剰生産による市場価格の低下や、自国の自動車産業への影響を懸念したものです。
総じて、中国製EVの低価格と高性能は確かに魅力的ですが、過剰生産が国際的な貿易摩擦を引き起こしている側面も無視できません。各国の政策対応や市場動向を注視しつつ、適切な選択を行うことが重要です。

添付3)

フォルクスワーゲンが投資する新興メーカー、リビアンの今後の成長性は?
ChatGPT

リビアン(Rivian)は、電動ピックアップトラックやSUVの分野で注目を集めているアメリカのEVスタートアップで、独自のプラットフォームやバッテリー技術に強みを持っています。また、アマゾンやフォードも出資しており、特にアマゾンの商用車両としてリビアン製の電動バンが活用される計画が進行中です。
ただし、今後の成長にはいくつかの課題もあります。まず、EV市場は競争が激化しており、テスラを始め、伝統的な自動車メーカーも電動化に力を入れています。リビアンも製造コストの管理や生産規模の拡大を進める必要があり、技術開発の維持や市場拡大のための安定した資金供給が課題です。
一方で、アメリカ国内のEV需要は増加傾向にあり、政府のEVインフラ投資も後押しとなる見通しです。フォルクスワーゲンの投資は、リビアンの技術面や生産能力の強化に大きく貢献する可能性があり、特に両社の連携がうまく進めば成長性はさらに高まると予想されます。

添付4)

EVメーカーの売上高ベスト10世界ランキング(2023年)は?
ChatGPT

2023年のEVメーカーの売上高ランキングでトップ10には、次の企業がランクインしました。
1.テスラ(アメリカ) - 市場シェア約19-21%を保持し、依然として世界最大のEVメーカーです。
2.BYD(中国) - 中国市場の拡大や国際進出により、特に欧州やアジアの新興市場で急成長を見せ、テスラに次ぐ2位の位置を確保しています。
3.GAC Aion(中国) - 手ごろな価格で高品質なモデルを提供し、国内市場で勢いを増しています。
4.フォルクスワーゲン(ドイツ) - 322,000台の販売台数を記録し、中国市場でのシェア拡大に力を入れています。
5.SAIC-GM-Wuling(中国) - 特に「Wuling Hongguang Mini EV」で知られ、低価格車の人気に支えられてランキング入りしています。
6.ヒュンダイ(韓国) - 3.6%のシェアでアジア市場でのEV販売を拡大しています。
7.BMW(ドイツ) - プレミアムセグメントでシェアを増やし、3.6%を占めています。
8.メルセデス・ベンツ(ドイツ) - 高級EV市場で成長を続けており、2.6%のシェアを持っています。
9.起亜(韓国) - 手頃な価格帯のモデルで人気を集めており、2%のシェアを記録しています。
10.アウディ(ドイツ) - プレミアムブランドとして人気が高く、ランキングに入りました
Visual Capitalist Electrek


このランキングは、メーカーの販売台数および売上をもとにしたもので、テスラやBYDが依然としてグローバルリーダーとしての地位を占めています。
Visual Capitalist Electrek

 
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2024年10月29日
アイデアよもやま話 No.6038 中国、世界初で”月の裏側”からサンプル!
6月30日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)で中国、世界初で”月の裏側”からサンプルについて取り上げていたのでご紹介します。

6月25日、月の裏側で活動していた中国の無人探査機、「嫦娥(じょうが)6号」が内モンゴル自治区に帰還しました。
世界で初めて月の裏側から月のサンプルを地球へと持ち帰りました。

嫦娥とは仙女になって月に昇っていったという伝説上の女性ですが、中国はこの嫦娥と名付けられた探査機による宇宙開発を2000年代から加速。(こちらを参照)
今回、「嫦娥6号」が月の裏側から土壌などを持ち帰ることに成功しました。
月の裏側からのサンプル持ち帰りは史上初です。
これまでアメリカ、旧ソ連もサンプルの持ち帰りに成功していましたが、いずれも月の表側です。
ちなみに、日本初の月面着陸成功で今年注目を集めた探査機「SLIM」も表側で、このうさぎの耳近くへの着陸でした。(こちらを参照)
今回、中国の「嫦娥6号」が着陸したのは地球からは見ることが出来ない月の裏側で、月の南極を含む盆地です。
今回、採取した部分ではありませんが、南極周辺では水資源が氷などのかたちで存在するのではないかと有望視されていて、将来、飲み水や燃料などとして利用出来るか、世界各国が高い関心を寄せているのです。
中国は南極付近を将来の月面基地の候補地としていて、今回の成功を足掛かりに、更なる探査を行う予定です。(「嫦娥7号」、「嫦娥8号」での探査と技術テスト)

では、そもそもなぜ月の裏側に行くことは難しいのでしょうか。
カギを握るのは探査機をコントロールするための通信のための電波です。
月は常に同じ面を地球に向けて回っているので、地球からの電波は月の裏側へは直接届けることは出来ません。
では、「嫦娥6号」はどのようにしてコントロールしたのでしょうか。
そこで中国が行ったのが中継衛星の打ち上げでした。
地球からの通信を中継するための衛星を事前に打ち上げて、これを経由して月の裏側で活動する「嫦娥6号」をコントロールしたわけです。
こうして世界初のサンプルの回収に成功しました。
今回、「嫦娥6号」はフランスやイタリアなどの観測機器を積んでいて、中国は国際協力をアピールしています。

一方、日本が参加しているのはアメリカが主導するアルテミス計画。
中国が「嫦娥」を送り込む月の南極付近へ2026年に宇宙飛行士を送る予定です。
この現状について、大阪大学 宇宙地球科学の寺田健太郎教授は次のようにおっしゃっています。
「これまで月探査はアメリカがリードしてきたが、今回の中国の成果はゲームチェンジャーにもなり得る。」
「中国の開発スピードは目覚ましく、通信などのノウハウを他国に先駆けて確立したのは大きい。」
「資金力を含め、日本は中国に大きく水を開けられた。」

宇宙強国を掲げ、軍主導で開発を進める中国。
古来、アルテミスやかぐや姫など、様々な物語がある月ですが、今後は米中の覇権争いが激しさを増すことが心配されています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(”月の裏側”からのサンプルの持ち帰りに中国が世界初の成功)
・6月25日、月の裏側で活動していた中国の無人探査機、「嫦娥6号」が内モンゴル自治区に帰還した
・中国はこの嫦娥と名付けら探査機による宇宙開発を2000年代から加速した
・世界で初めて月の裏側で月の南極を含む盆地から月の土壌などのサンプルを地球へと持ち帰ることに成功した
・南極周辺では水資源が氷などのかたちで存在するのではないかと有望視されており、将来、飲み水や燃料などとして利用出来るか、世界各国が高い関心を寄せている
・中国は南極付近を将来の月面基地の候補地としていて、今回の成功を足掛かりに、更なる探査を行う予定である
・これまでアメリカ、旧ソ連もサンプルの持ち帰りに成功していたが、いずれも月の表側である
・日本初の月面着陸成功で今年注目を集めた探査機「SLIM」も表側で、うさぎの耳近くへの着陸だった

(月の裏側に行くことの困難さ、および解決策)
・月は常に同じ面を地球に向けて回っているので、地球からの電波は月の裏側へは直接届けることが出来ない
・カギを握るのは探査機をコントロールするための通信のための電波である
・そこで中国は、地球からの通信を中継するための衛星を事前に打ち上げて、これを経由して月の裏側で活動する「嫦娥6号」をコントロールした
・今回、「嫦娥6号」はフランスやイタリアなどの観測機器を積んでおり、中国は国際協力をアピールしている

(アメリカの月の裏側への計画)
・アメリカが主導するアルテミス計画で、日本も参加している
 -中国が「嫦娥」を送り込む月の南極付近へ2026年に宇宙飛行士を送る予定である

(大阪大学の寺田教授の指摘)
・これまで月探査はアメリカがリードしてきたが、今回の中国の成果はゲームチェンジャーにもなり得る
・中国の開発スピードは目覚ましく、通信などのノウハウを他国に先駆けて確立した
・資金力を含め、日本は中国に大きく水を開けられた

また、5月2日付けネット記事(こちらを参照)では中国の宇宙船「神舟18号」が中国宇宙ステーションに到着したことについて取り上げていたので内容の一部をご紹介します。

神舟18号を搭載した「長征2F」ロケットは2024年4月25日21時59分に中国北部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられました。中国航天科技集団有限公司(CASC)によると、神舟18号は発射約10分後にロケットから分離され、所定の軌道に投入されました。
打ち上げから約6時間30分経った2024年4月26日4時32分、神舟18号は中国宇宙ステーション(CSS)のコアモジュール「天和」へドッキングすることに成功。その後、同船と天和を隔てるハッチが開けられ、神舟18号のクルーは2023年10月からCSSに滞在していた神舟17号のクルー3名と合流しました。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

今や、中国の宇宙関連技術レベルは以下のようにアメリアに近づいているのです。
・”月の裏側”からのサンプルの持ち帰りに中国が世界初の成功を達成した
・神舟18号は発射約10分後に「長征2F」ロケットから分離され、打ち上げから約6時間30分経った4月26日4時32分、CSSのコアモジュール「天和」へドッキングすることに成功した

このように、寺田教授も指摘されているように、今や中国はゲームチェンジャーになり得るほど宇宙開発に国を挙げて取り組んでいるのです。
その中国ですが、“偉大な中華圏の復興”をスローガンに掲げており、こうした宇宙開発関連技術の開発には軍事的な適用も含まれているのです。(添付1参照)
しかし、国内外へのメッセージ(中国の平和的発展)は中華圏の偉大なる復興の内容とは矛盾するのです。(添付2参照)

なお、今後の戦争は従来の兵器のみならず、宇宙兵器(添付3参照)も使用したハイブリッド戦争(添付4参照)で行われるのです。
そして、今後の米中の覇権争いはこうしたハイブリッド戦争というかたちで激しさを増していくと見込まれます。

しかし、世界中の国民の立場からすると、今やネット社会と言われるほど、インターネットは普段の暮らしに欠かせません。
ですから、宇宙兵器を含めたハイブリッド戦争が始まれば、社会は大混乱に陥ります。
従って、何としてもこうした戦争は阻止しなければならないのです。


添付1)

習近平国家主席による”中華圏の復興”の内容は?
ChatGPT

習近平国家主席が掲げる「中華圏の復興」には、中国の政治的・経済的な影響力を拡大し、過去の中華帝国の栄光を取り戻すというビジョンが反映されています。この政策は、2013年に「中国の夢」として提唱され、国家の経済力・技術力を高めつつ、共産党の指導力を強化することを目指しています。2049年までに中国を世界のリーダーとして位置づけ、特に中華圏内の国々や地域(台湾、香港、マカオなど)との統合や影響力の強化も含まれます
ISDP Belfer Center。

この政策には次のような側面があります。
1.経済的発展と影響力の拡大:一帯一路構想を通じ、アジア・アフリカ・ヨーロッパにわたる貿易と投資のネットワークを構築し、特に発展途上国との関係を強化しています。これにより、輸出市場の拡大や資源確保を目指しています
Gasgoo。
2.軍事的近代化と宇宙開発:中国は軍事面での近代化と宇宙開発を進め、人工衛星や対衛星兵器の開発を行っています。宇宙を通じた情報優位の確保、敵の妨害、そして中国版GPS「北斗システム」の利用が計画に含まれており、軍事戦略においても宇宙技術が重要視されています
ISDP MIT Press Direct。
3.中国共産党の統治強化:習主席は「党の建設」を強調し、反腐敗運動などを通じて党への忠誠心を高め、国内の安定を保つことを目指しています。また、習近平思想の広範な教育や宣伝が行われ、国民意識の一体化が図られています
National Bureau of Asian Research。
4.民族的アイデンティティの強調と社会統制:香港や台湾問題を含む「中華民族の偉大な復興」を掲げ、中華圏全体での統合を進めるための施策が取られています。これには、特に台湾への統一圧力が強まることが含まれており、国内外での社会的および文化的統一を目指しています。

このように、「中華圏の復興」は、経済・軍事・政治のすべてにおいて中国の影響力を世界的に広げることを主軸としています。
また、この戦略は、過去のリーダーたちが築き上げた国際秩序改革への取り組みと、国内外へのメッセージ(中国の平和的発展)をさらに推し進めるものと考えられています。

添付2)

国内外へのメッセージ(中国の平和的発展)は中国の偉大なる復興の内容とは矛盾するのでは?
ChatGPT

中国の「平和的発展」と「偉大なる復興」の理念には、一見すると矛盾があるように見えるかもしれません。平和的発展は、国際社会との協調を重視し、経済的な発展を通じて他国との友好関係を築くことを目的としています。一方で、偉大なる復興は、中国の影響力を拡大し、過去の栄光を取り戻すというより積極的で強硬な政策を反映しています
National Bureau of Asian Research Belfer Center。
矛盾の要素
1.軍事的拡張:中国の偉大なる復興の過程で、軍事力の近代化や地域的な影響力の拡大が進んでいます。このような軍事的活動は、他国に対する圧力や緊張を引き起こし、平和的発展の理念に矛盾することがあります
MIT Press Direct ISDP。
2.地域の安定への影響:特に南シナ海や台湾問題など、中国の territorial claims(領有権主張)は、周辺国との緊張を引き起こしています。これにより、平和的発展を重視する姿勢が疑問視されることが多いです。
3.外交政策の対立:平和的発展が多国間協力を目指す一方で、偉大なる復興は、中国の主導的地位を強調し、時に対立を招く外交政策を生むことがあります。例えば、「一帯一路」構想は経済的影響力を拡大する一方で、相手国に依存を強いる側面も指摘されています
Gasgoo。

結論
このように、中国の平和的発展と偉大なる復興は、表面的には相補的に見えるものの、実際には矛盾を孕んでいると考えられます。これは、中国が国際社会の中で自国の立場を確立するために、戦略的なアプローチをとる中で避けがたい状況と言えるでしょう。

添付3)

宇宙兵器とは?
ChatGPT

宇宙兵器とは、宇宙空間で使用されるか、宇宙から地上に対して使用される軍事的な装置やシステムを指します。宇宙兵器は、敵の衛星や宇宙システムを攻撃したり、宇宙空間での優位性を確保したりすることを目的としています。以下のような主要なタイプがあります。
1.対衛星兵器(ASAT):他国の衛星を破壊または機能停止させるための兵器で、ミサイルや高出力レーザーを使用するタイプがあります。ロシア、中国、アメリカなどが開発・試験を行っており、通信や監視を目的とした衛星に対する脅威を与えています
MIT Press Direct ISDP。
2.高出力レーザー兵器:地上や宇宙から発射され、敵の衛星や宇宙機器を破壊または無力化することを目指すシステムです。レーザー兵器は、光速で標的に到達するため、従来のミサイルよりも迅速に敵の宇宙機器を攻撃できる可能性があります。
National Bureau of Asian Research。
3.電子戦装置:通信妨害や偽信号送信によって、敵の衛星通信やナビゲーションを妨害するための装置です。特に、GPSや軍用通信に依存する敵対勢力に対して、電子戦技術は効果的です。地上または宇宙から行うことができ、非破壊的で一時的な効果を持つため、現代のハイブリッド戦略の一環としても利用されています
National Bureau of Asian Research。
4.軌道爆撃システム:核弾頭を搭載した兵器を宇宙軌道上から地上に投下するシステムです。冷戦期に米ソ間で開発が試みられたものの、1970年代の「宇宙条約」により、核兵器や他の大量破壊兵器の宇宙配備は禁止されていますが、核を用いない新しい技術が検討されています。
5.ハイパーヴェロシティ兵器:極めて高速で移動する物体を利用し、敵の衛星や地上の目標を破壊するためのシステムで、これには軌道上からの金属製物体の投下などが含まれます。いわゆる「ロッド・オブ・ゴッド」と呼ばれるシステムは、空力加熱によってターゲットに大きなダメージを与えることが可能です
Belfer Center。

宇宙兵器の開発は、宇宙空間での競争や安全保障の観点から国際社会にとって懸念事項となっています。

添付4)

ハイブリッド戦争とは?
ChatGPT

宇宙開発を含む「ハイブリッド戦争」とは、従来の軍事力に加えてサイバー攻撃、経済制裁、情報操作、さらには宇宙を利用した技術や衛星システムを組み合わせた戦略的な攻撃手法を意味します。この戦争形態では、宇宙の優位性を通じた情報収集や通信、敵国への干渉を目的とし、サイバーや地上の戦闘と連携して敵対勢力の弱体化を狙います。以下にハイブリッド戦争における宇宙利用の具体例を紹介します。
1.サイバー・情報戦との融合:宇宙開発における衛星技術は、偵察や情報収集、敵の通信妨害に役立ちます。たとえば、通信衛星や位置情報衛星を用いることで、戦場のリアルタイム情報を取得したり、敵国の軍事行動をモニターしたりできます。また、宇宙ベースのインフラがサイバー攻撃の対象となることもあり、これは敵国の通信網やナビゲーションシステムに大きな影響を及ぼす可能性があります
ISDP MIT Press Direct。
2.宇宙基盤の兵器と抑止力:一部の国は「対衛星兵器(ASAT)」の開発を進めており、敵対勢力の衛星を攻撃または妨害することで、宇宙空間での優位性を確保しようとしています。これにより、敵国の情報・通信能力を削ぐことができ、他の戦術と連携して影響を拡大することが狙いです
National Bureau of Asian Research。
3.偵察衛星による心理戦・情報操作:衛星画像を通じて敵国の軍事活動を監視し、取得した情報をプロパガンダや外交圧力に利用することも可能です。これは戦闘の直接的な支援だけでなく、敵国内での心理的な圧力や世論操作にもつながります。

ロシアや中国は、こうした宇宙技術を活用したハイブリッド戦術を強化しており、宇宙空間での競争が国防政策の重要な一部となっています。アメリカやNATO諸国も宇宙での影響力を強化するため、宇宙軍や連携協定を設立して対応しています
Belfer Center。

 
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2024年10月28日
アイデアよもやま話 No.6037 中国で進む港のスマート化!
6月26日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で中国で進む港のスマート化について取り上げていたのでご紹介します。 

こちらは世界の港のコンテナ取扱量(2023年)のランキングです。
トップテンのうち、中国や香港の港が7つを占めていますが、その全てで自動運転などを駆使した港のスマート化が進められています。
日本との取引も多い中国の港のスマート化で世界の物流はどう変わるのでしょうか。

世界に先行し、クルマの自動運転などが普及する中国。
中国南部の深圳港は年間約3000万個のコンテナを扱う世界第4位の港です。
7年前からスマート化を進めています。
コンテナを運ぶトレーナは5G回線と中国版GPSの北斗衛星システムで制御する自動運転。
万が一に備えて遠隔でスタッフが監視するものの人が介入するのは、わずか2%だといいます。
既存の車体を改造して使うことでコストを節約。
順次、自動化を進めていて、構内でコンテナ運転を担うトレーラーの約5分の1にあたる38台が自動運転です。
更に積み下ろしをする高さ約50mの大型クレーンをはじめ、コンテナヤード内を移動させるクレーンはほぼ全てが無人で運用されています。
こちらは敷地内にある建物で、クレーンを操る心臓部。
媽湾港 操作部の胡子建マネージャーは次のようにおっしゃっています。
「ここではスタッフ2人で26台のクレーンを操作しています。」
「以前は全て手動でしたが、今はコンテナを船から持ち上げる部分のみ人が操作し、その後の移動とトラックへの積み込みは全て自動で行っています。」

作業のほとんどを自動化することで72台あるクレーンをわずかなスタッフで管理しています。
かつては24時間体制でクレーンに人が乗り込む過酷な仕事でしたが、労働環境も大幅に改善されています。

更に港では手続きなどのソフト面でもスマート化を推進。
その効果は意外なところにも。
ドライバーの一人は次のようにおっしゃっています。
「我々ドライバーの収入が増えました。」

自動運転トレーラーなどが走り、スマート化が進む中国の港。
その流れは手続きなどのソフト面でも。
こちらはコンテナターミナルゲート。
海外へ輸出するコンテナを搬入する港の玄関口です。
以前はここでドライバーが書類手続きを行っていましたが、このドライバーは次のようにおっしゃっています。
「作業はアプリで行います。」
「我々ドライバーは携帯電話でこのシステムを開き、トレーラーのナンバーを検索します。」
「するとコンテナを運ぶ先の位置情報が表示されます。」
「後は指示に従って運転するだけです。」

手続きは全てオンラインで進めるため、ドライバーはスマホのアプリの指示通りにコンテナを届けるだけでいいんです。
このドライバーは次のようにおっしゃっています。
「以前は全て紙の手続きだったので、長い時には2時間も待ちました。」
「今は10分から20分程度で作業が終わります。」
「(以前は)1日3〜4回しか運べませんでしたが、今は1日5〜6回運べます。」
「儲けが増えました。」

更にコンテナの管理もスマート化。
以前はコンテナが港の中を移動するたびにスタッフが場所を入力していましたが、現在はカメラでコンテナを自動追跡。
全てのコンテナの位置は可視化され、一目瞭然となっています。
2017年に港のスマート化を進める政策を発表した中国。
天津や上海など国内21ヵ所がスマート化を終えています。
アリババ傘下の物流大手、ツァイニャオグループ 海運サプライチェーンの李芳芳総経理は次のようにおっしゃっています。
「2024年の中国からの輸出は、昨年より5割増えています。」
「港がスマート化しないと貨物が増えているので増加分を処理出来ません。」

スマート化の恩恵は日本など中国と取り引きがある全ての国にあるといいます。
李総経理は次のようにおっしゃっています。
「以前は中国の深圳からシンガポールやマレーシアへの配送には20日以上かかっていました。」
「今はその半分ほどに短くなっています。」
「港のスマート化は海運業全体の効率とサービスを変えたんです。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・中国では、世界に先行し、クルマの自動運転などが普及している
・世界の港のコンテナ取扱量(2023年)のランキングのトップテンのうち、中国や香港の港が7つを占めているが、その全てで自動運転などを駆使した港のスマート化が進められている

(深圳港の事例)
ハード面:
・中国南部の深圳港は年間約3000万個のコンテナを扱う世界第4位の港である
・7年前からスマート化を進めている
 -コンテナを運ぶトレーナは5G回線と中国版GPSの北斗衛星システムで制御する自動運転である
 -万が一に備えて遠隔でスタッフが監視するものの人が介入するのは、わずか2%だという
 -既存の車体を改造して使うことでコストを節約している
 -順次、自動化を進めていて、構内でコンテナ運転を担うトレーラーの約5分の1にあたる38台が自動運転である
 -更に積み下ろしをする高さ約50mの大型クレーンをはじめ、コンテナヤード内を移動させるクレーンはほぼ全てが無人で運用されている
 -敷地内にある建物にクレーンを操る心臓部があり、ここではスタッフ2人で26台のクレーンを操作している
 -以前は全て手動だったが、今はコンテナを船から持ち上げる部分のみ人が操作し、その後の移動とトラックへの積み込みは全て自動で行っている
 -作業のほとんどを自動化することで72台あるクレーンをわずかなスタッフで管理している
 -かつては24時間体制でクレーンに人が乗り込む過酷な仕事だったが、労働環境も大幅に改善されている
ソフト面:
・更に港では手続きなどのソフト面でもスマート化を推進している
 -コンテナターミナルゲートは海外へ輸出するコンテナを搬入する港の玄関口である
 -以前はここでドライバーが書類手続きを行っていたが、今はアプリで行っている
 -ドライバーは携帯電話でこのシステムを開き、トレーラーのナンバーを検索すると、コンテナを運ぶ先の位置情報が表示され、後は指示に従って運転するだけである
 -手続きは全てオンラインで進めるため、ドライバーはスマホのアプリの指示通りにコンテナを届けるだけでいい
 -ドライバーは、以前はすべて紙の手続きだったので、長い時には2時間も待ったが、今は10分から20分程度で作業が終わる
 -従って、ドライバーは、以前は1日3〜4回しか運べなかったが、今は1日5〜6回運べるので、儲けが増えたという
 -以前はコンテナが港の中を移動するたびにスタッフが場所を入力していたが、現在はカメラでコンテナを自動追跡している
 -全てのコンテナの位置は可視化され、一目瞭然となっている
 -2017年に港のスマート化を進める政策を発表した中国では、天津や上海など国内21ヵ所が既にスマート化を終えている
 -2024年の中国からの輸出は、昨年より5割増えているという
 -港がスマート化しないと貨物が増えているので増加分を処理出来ないという

(中国の港のスマート化で得られる他国の恩恵)
・スマート化の恩恵は日本など中国と取り引きがある全ての国にあるという
・以前は中国の深圳からシンガポールやマレーシアへの配送には20日以上かかっていたが、今はその半分ほどに短くなっている
・港のスマート化は海運業全体の効率とサービスを変えた

なお、番組の内容から湧いた疑問を以下にまとめたので参照下さい。
・日本と中国で、どちらが港のスマート化で進んでいるか?
⇒添付1
・日本の港湾は自動運転車も導入されているか?
⇒添付2
日本の港湾はロボットも導入されているか?
⇒添付3
・日本と中国を含めた、既存の車体を改造してEVにしている国の事例は?
 ⇒添付4

こうして見てくる、2017年に港のスマート化を進める政策を発表した中国ではトップダウンで着実に港のスマート化を進めてきているようです。
しかも国がリードしていることから、対象とする港は全て共通の枠組みで進められていると思えます。

なお、日本も同様に港のスマート化を進めてきているようですが、中国に比べてペースが遅いようです。
“恐るべし、中国“といった状況なのです。


添付1)

日本と中国で、どちらが港のスマート化で進んでいるか?
ChatGPT

港のスマート化に関して、日本と中国を比較すると、現時点では中国がリードしていると言えます。中国は、急速な技術革新と巨額の投資により、スマート港湾の開発で世界の最前線に立っています。一方、日本も独自の取り組みを進めていますが、規模やスピードにおいて中国にやや遅れを取っていると考えられています。
中国のスマート港湾の進展
1.投資とインフラの規模:
 o中国は、国家主導で港湾のスマート化に巨額の投資を行っています。特に、上海港、青島港、寧波舟山港といった世界有数の大規模港湾が、完全自動化やAI技術の導入を進めています。
 o上海港は世界最大のコンテナ港として知られ、自動化クレーン、無人搬送車両(AGV)、AIを用いたリアルタイム貨物管理システムなどが広範囲で導入されています。例えば、上海洋山港では完全自動化ターミナルが稼働しており、人間の介入なしに貨物の取り扱いができることが特徴です。
2.技術革新のスピード:
 o中国はスマート港湾技術において、AI、IoT、5G通信技術の活用が急速に進んでいます。5Gネットワークを活用したリアルタイムデータの共有や、AIを使った最適ルートの自動選択など、最新技術を積極的に導入しています。
 oさらに、ロボティクスや自動運転技術を港湾物流に適用し、労働力を極限まで削減しつつ、効率性を高めています。これにより、港湾内の運搬から出荷に至るまで、ほぼ完全な自動化が実現されつつあります。
3.国家主導の取り組み:
 o中国政府は、港湾を戦略的インフラと位置付け、「一帯一路構想」の一環として、スマート港湾の開発に強い推進力を与えています。これにより、国内の主要港だけでなく、国際的な貿易ネットワークを支える港湾のデジタル化も進んでいます。
日本のスマート港湾の進展
1.規模と焦点:
 o日本も、特に横浜港、名古屋港、神戸港などでスマート港湾の開発を進めていますが、規模やスピードは中国に比べてやや控えめです。主に、労働力不足を解消するために自動化技術が導入されており、自動化クレーンや一部の無人搬送車両が運用されていますが、完全自動化のターミナルはまだ限定的です。
 o名古屋港や東京港では、AIを活用した貨物管理システムやIoTを駆使した最適化が進められていますが、全体としてはまだ「実証実験段階」の技術が多く見られます。
2.技術導入の遅れ:
 o日本の港湾も、AIやIoT、5Gの導入を進めてはいますが、法規制やインフラ整備の面で時間がかかっています。また、港湾の自動化を進めるための資金調達や経済的な規模も中国に比べて小さく、全国的なスマート化が遅れる原因となっています。
 oさらに、日本では地域ごとの港湾整備が分散しているため、統一されたスマート港湾政策が実行されにくい状況にあります。
3.将来の展望:
 o日本政府は、2030年までにスマート港湾の普及を目指しており、Society 5.0の一環として港湾のスマート化を推進しています。特に、自動運転技術やAIを使った貨物管理の効率化が進められており、特定の港湾での自動化技術の導入に力を入れていますが、完全自動化までには時間がかかると見られています。

比較と結論
・中国は、政府の強力な支援と大規模な投資により、港湾のスマート化で世界をリードしています。完全自動化されたターミナルや最先端の技術を積極的に導入し、港湾の効率化と国際競争力を大幅に強化しています。
・日本もスマート化に取り組んでいますが、中国に比べると規模やスピードでは遅れており、特に法整備や投資規模の点で課題があります。ただし、地方ごとに進むスマート化の動きや、独自の技術開発により今後の成長が期待されます。
現時点では、港湾のスマート化においては中国が優位に立っている状況です。

添付2)

日本の港湾は自動運転車も導入されているか?
ChatGPT

はい、日本の港湾では、自動運転車の導入が進んでいます。特に、コンテナの輸送や荷役作業の効率化を目指して、自動運転技術が活用されています。港湾内は道路交通の複雑さが少なく、特定のルートを繰り返し走行するという特徴があるため、自動運転技術が適用しやすい環境です。以下は具体的な導入例です。
自動運転車の導入例
1.横浜港:
 o横浜港では、港湾内でのコンテナ輸送に自動運転トラックが試験導入されています。これにより、人手不足の解消や輸送の効率化、安全性の向上が期待されています。自動運転トラックは、コンテナヤード間の貨物輸送を行い、リアルタイムのルート最適化が可能です。
2.名古屋港:
 o名古屋港では、自動運転車による貨物輸送の実証実験が行われています。特に、5G通信技術を活用して、自動運転車がリアルタイムで制御される実験が進められています。5Gの低遅延通信を活用することで、より高度な制御と安全性の向上が図られています。
3.神戸港:
 o神戸港でも、港湾内での自動運転車の導入が進んでおり、自動運転のトラックやシャトルバスが貨物やスタッフを効率的に運ぶシステムが試験されています。これにより、港湾作業の省力化と効率化が図られています。
自動運転技術の利点
・労働力不足の解消:港湾労働者の不足が深刻な問題となっている中、自動運転技術はその解決策の一つとして注目されています。
・作業の効率化:自動運転車は24時間稼働が可能であり、人間の休息が不要なため、作業効率が大幅に向上します。また、コンピュータによる制御で、正確かつ安全に貨物を運搬できるため、事故のリスクも軽減されます。
・コスト削減:長期的には、人件費の削減や事故対応コストの削減につながります。また、燃費の効率化などの面でも自動運転技術の恩恵を受けることが期待されています。
課題
自動運転車の導入にはまだいくつかの課題が存在しています。例えば、異常な天候や予期しない障害物への対応、既存のインフラとの適合性、自動運転車の高コストといった課題です。また、自動運転技術に関わる法規制や、安全基準の整備も進める必要があります。
全体として、日本の港湾における自動運転車の導入は、スマート港湾の一環として進められており、物流の自動化と効率化に大きく貢献することが期待されています。

添付3)

日本の港湾はロボットも導入されているか?
ChatGPT

はい、日本の港湾では、ロボット技術も導入が進んでおり、特に自動化や効率化、安全性の向上に寄与しています。港湾作業は労働集約的で、重労働や危険が伴う場合が多いため、ロボットの導入はこれらの課題を解決する重要な手段とされています。
港湾におけるロボットの導入例
1.自動クレーン(無人化クレーン):
 o日本の主要な港湾では、クレーンの自動化が進んでいます。例えば、横浜港や神戸港では、ロボット技術を活用した自動クレーンが導入されており、コンテナの積み下ろし作業を無人で行っています。これにより、作業の正確性が向上し、効率的な貨物処理が可能になります。
 o自動クレーンは、AIやセンサー技術を活用してコンテナの位置を正確に把握し、安全かつ迅速に作業を行います。
2.AGV(無人搬送車):
 o無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)は、港湾内でコンテナを自動的に移動させるロボットです。これにより、人手を介さずに貨物の輸送が行われ、作業の効率化が図られています。AGVは決められたルートを自律的に走行し、積み荷の受け渡しや倉庫間の移動を行います。
 o例として、東京港や名古屋港では、AGVを使用してコンテナヤード内での貨物輸送が行われており、労働力不足や運搬効率の向上が実現しています。
3.ロボットアーム:
 oコンテナターミナルや倉庫内での荷役作業には、ロボットアームが導入されつつあります。ロボットアームは、繊細で正確な作業が可能であり、貨物のピッキングや積み替えを迅速に行えます。また、AIと組み合わせることで、貨物の分類や最適な配置を自動的に行うことも可能です。
 o小型荷物の取り扱いが増加しているEコマースの物流にも対応し、ロボットアームが効率的に動作しています。
4.検査・メンテナンスロボット:
 o港湾では設備やインフラの維持管理も重要です。港湾の設備や船舶の点検を行うためのロボットも開発されています。例えば、ドローンや水中ロボットを使用して、港湾の構造物や船舶の外壁を点検し、人間が立ち入れない場所でも安全に作業を行えるようになっています。
 o水中ロボットは、港湾の海底や施設の腐食や損傷を検査し、適切なメンテナンスをサポートします。
5.セキュリティロボット:
 o港湾のセキュリティ強化のために、監視ロボットも導入されています。これらのロボットは、港湾内を自動的に巡回し、異常な状況を検知すると、即座に警報を発するシステムが組み込まれています。カメラやセンサーを搭載し、不審な活動やセキュリティリスクをモニタリングします。
ロボット導入の利点
・労働力不足の解消:港湾作業は人手不足が深刻な問題となっていますが、ロボットの導入によりその問題が大きく軽減されます。
・安全性の向上:危険な作業や重労働をロボットに任せることで、人間の作業者の安全が確保されます。また、ロボットは精密な動作が可能で、ミスを減らすことができます。
・作業効率の向上:ロボットは24時間稼働可能で、休憩を必要としないため、港湾の稼働率を最大限に引き上げます。
課題
・高い初期コスト:ロボットの導入には高額な設備投資が必要であり、特に中小規模の港湾ではその負担が大きいです。
・技術の成熟度:ロボット技術はまだ発展途上の部分もあり、天候や環境条件に左右されやすいことがあります。また、ロボットの管理やメンテナンスには専門知識が必要です。
・人材の育成:ロボットを操作し、維持管理するためには専門的な知識を持った人材が必要であり、そのための教育や訓練が求められます。
全体として、日本の港湾におけるロボット技術の導入は急速に進んでおり、物流の効率化と安全性向上に大きく貢献しています。スマート港湾の実現に向けて、今後もさらにロボット技術の開発と導入が加速すると予想されます。

添付4)

日本、中国を含めた、既存の車体を改造してEVにしている国の事例は?
ChatGPT

日本と中国を含めた、既存の車体を**電気自動車(EV)**に改造している国々の事例は、環境保護や規制強化、コスト削減のニーズから増えています。以下は、これらの国々の事例です。
1. 日本
・日本では、ガソリン車のEV化(レトロフィット)が進行中です。特に、EVモーターズジャパンやeK-carプロジェクトが軽自動車の電動化に取り組んでいます。地方自治体や企業もバスや商用車をEVに改造して利用しています。
・政府は、CO2削減目標に向けて、こうした改造に対する補助金を提供し、特に小型商用車の電動化が進められています。
2. 中国
・中国では、既存の商用車やバスの電動化が急速に進んでいます。特に都市部では、大気汚染対策の一環として、既存のバスやタクシーをEVに改造する動きが広まっています。BYDやGeelyなどの企業がEV改造市場に参入し、古い車両をEVに転換するサービスを提供しています。
・また、政府の支援により、農村部でも古い車両を電動化するプロジェクトが進行しています。
3. アメリカ
・アメリカでは、クラシックカーのEV化が人気です。カリフォルニア州を中心に、EV WestやZelectric Motorsなどが、既存のガソリン車をEVに改造するサービスを提供しています。また、商用車の電動化も進んでおり、特に大型トラックやバスを電動化してゼロエミッションを目指す動きが広がっています。
4. イギリス
・イギリスでは、クラシックカー愛好家の間で、古い高級車を電動化する動きが進んでいます。企業のLunazは、ロールス・ロイスやジャガーなどの車両をEVに改造しています。政府も、低排出ゾーンを設置して、古い内燃機関車を改造することを奨励しています。
5. フランス
・フランスでは、都市部での排出規制が強化されており、古い車両のEV改造が進められています。企業のTransition-Oneは、ルノーやフィアットの小型車をターゲットに、簡易なEV改造キットを提供しています。政府の補助金制度もあり、改造費用の一部を補助する仕組みが整っています。
6. オランダ
・オランダでは、EV改造が持続可能なモビリティの一環として普及しています。企業のEV Europeが、クラシックカーや商用車の電動化を進めており、個人でも改造を行う動きが増えています。都市部の厳しい環境規制も、EV化を促進しています。
7. オーストラリア
・オーストラリアでは、特に大型トラックやバスのEV改造が進んでいます。SEA Electricなどの企業が、物流業界のトラックを電動化しており、都市部でのゼロエミッション推進をサポートしています。政府も、EV改造を推進するための補助金を提供しています。
8. インド
・インドでは、特にオートリキシャ(三輪タクシー)や小型商用車のEV改造が進行中です。企業のE-TrioやNorthway Motorsが、商用車を中心にEV改造サービスを提供し、政府も補助金を提供してEV化を支援しています。都市部の大気汚染対策として、これらの車両の電動化は重要な役割を果たしています。

まとめ
日本と中国を含む多くの国で、既存の車体をEVに改造する取り組みが進んでいます。これらの国々では、商用車やクラシックカーのEV化が特に注目されており、環境規制の強化や持続可能なモビリティ推進の一環として、政府や民間企業が協力して取り組んでいます。

 
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2024年10月27日
No.6036 ちょっと一休み その952 『上場企業の役員報酬から見えてくること』
6月25日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で上場企業の役員報酬から見えてくることについて取り上げていたのでご紹介します。 

今日はトヨタ自動車の豊田章夫会長の役員報酬が16億円を超えてトヨタの歴代最高だったというニュースをお伝えしましたが、このことについて日経ビジネスの編集委員、山川龍雄さんは次のようにおっしゃっています。
「勿論、すごい金額だなとみんな思うと思うんですけども、ただ5兆円の利益を獲得している企業のリーダーとしては、私はむしろ安い水準だと思います。」
「先日、トヨタが品質不正を起こした時には、私は厳しくコメントしましたけれども、それとこれとは別物として分けて考えています。」
「ちなみに、日本企業の歴代の役員報酬、上位、ベストテンを並べてみてみると、こうなります(こちらを参照)。」
「一番下のところで32億円ですから、今回の豊田章夫氏の金額はベストテンには入らないということになりますね。」
「(ただ、名前を見ると、上位は外国人ばかりという指摘に対して、)5位の宮内さんを除くと外国人ですね。」
「日本企業には外国人と日本人の二重基準が存在するんですね。」
「ですから、日本人の会長や社長よりも外国人の取締役の方がはるかにも経ってるっていうケースがざらにあります。」
「ただ、私は、これをね、日本企業の幹部、当たり前と受け止める時代は終わったと思っていて、当たり前と思っている間は、私は日本人全体の賃金水準も本格的には増えないと思います。」
「(伝統的に、日本はデフレ(添付1、添付2を参照)が長かったということで、賃金が安くて当たり前みたいな諦めムードはあったという指摘に対して、)最低賃金の議論も始まっていますけども、これも今のところ政府の方針というのは2030年代の半ばに1500円に持っていくと。」
「でも今もう、欧米は1500円、現時点で超えているところがいっぱいあるわけですよ。」
「ですから、こういうことを考えていると、日本はいずれ先進国から中進国に転落してしまうんじゃないかと私は危惧しています。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、山川さんの見解を以下にまとめてみました。
・トヨタ自動車の豊田会長の役員報酬が16億円を超えたというが、5兆円の利益を獲得している企業のリーダーとしては、むしろ安い水準である
・日本企業の歴代の役員報酬のベストテンでは、一番下のところで32億円なので、今回の豊田会長の金額はベストテンには入らない
・日本企業には外国人と日本人の二重基準が存在する
 -5位のオリックスの宮内さんを除くと全て外国人である
・こうした二重基準が存在する限り、日本人全体の賃金水準も本格的には増えない
・最低賃金の議論も始まっているが、政府の方針は2030年代の半ばに1500円に持っていくというが、欧米は1500円、現時点で超えているところがいっぱいある
・日本はいずれ先進国から中進国に転落してしまうのではと危惧している

なお、日本、および欧米諸国の企業の内部留保の割合、および金額(円換算)については添付3を参照下さい。

要するに、相対的に日本の企業は1990年代初頭のバブル崩壊以降、この30年間、羹(あつもの)に懲りたようにリスク回避のために内部留保を多く積み上げる傾向が強く、世界をリードする新しい技術が日本からほとんど出てこなくなり、デフレの状況が続いているのです。(参照:アイデアよもやま話 No.6032 SBGの孫会長兼社長による円安の背景の見解!
こうした状況下において、経営者も含めて従業員の収入もほとんど上がらない状況が続いているのです。
その結果が上場企業 役員報酬ランキングにも表れているのです。

では、日本企業は今後どのように変化すべきかですが、私の思うところを以下にまとめてみました。
・内部留保の一部をAIやロボットなど最先端技術の関連分野に投資すること
 -AIやロボットなど最先端技術を導入し、DX(デジタルインフォメーション)に取り組むこと
 -AIやロボットなどを活用した新規ビジネスを開拓すること
・内部留保の一部を経営者も含めて従業員の給与アップに回すこと
 -早期に欧米企業の給与と同等以上なるように目標を設定すること
・企業風土をチャレンジ精神が旺盛になるように改めること


添付1)

デフレとは?
ChatGPT

**デフレ(デフレーション、Deflation)**とは、物価が持続的に下落する現象を指します。これは、商品やサービスの価格が下がり続ける状態で、通常、需要が供給を下回る場合に起こります。デフレは経済全体に悪影響を及ぼすことがあり、特に長期にわたるデフレは深刻な問題となります。

デフレの主な特徴
1.物価の下落:商品やサービスの価格が全般的に下がり続けます。これは、企業が価格を下げなければならない状態にあることを示します。
2.消費の先送り:物価が下がり続けると、消費者は「今買わなくても後で安くなる」と考え、支出を控える傾向が強まります。これにより、需要がさらに減少します。
3.賃金の停滞または下落:デフレの影響で企業の収益が減少し、賃金が下がる、または上がらないことが一般的です。
4.企業の利益減少:企業は価格競争の激化によって利益を圧迫されるため、コストカットや投資の抑制を行うことが多くなり、経済成長が抑えられます。

デフレの主な原因
・需要の低迷:消費者の支出が減少し、需要が供給に対して不足すると物価が下がります。
・通貨供給量の減少:通貨供給が減少すると、資金が不足し、経済活動が鈍化します。
・過剰な供給:供給が需要を大きく上回ると、商品の値段を下げないと売れなくなります。

デフレの悪循環
デフレが続くと、消費者や企業の経済活動が低迷し、さらに物価が下がるという悪循環に陥ります。このため、政府や中央銀行は、デフレを克服するためにさまざまな金融政策や経済政策を行うことが求められます。
日本は、バブル崩壊後の1990年代から長期間にわたってデフレに苦しんできました。この状況は経済成長の停滞や企業の競争力低下、賃金の伸び悩みなどの問題を引き起こしました。

添付2)

日本のデフレ状態はいつから続いているのか?
ChatGPT

日本のデフレ状態は、1990年代初頭のバブル崩壊以降に始まったとされています。具体的には、1991年から1992年にかけて日本のバブル経済が崩壊し、その後、経済は長期にわたり低成長期に入りました。これに伴い、物価の下落が続く「デフレ」と呼ばれる状態が発生しました。
デフレが本格的に問題視されるようになったのは1990年代後半から2000年代初頭にかけてで、特に1998年以降、物価が持続的に下落し続けたことが大きな要因です。その後、経済対策や金融政策を通じてデフレ脱却が目指されてきましたが、物価上昇が安定しない状況が続いています。
2013年には、安倍晋三首相のもとで「アベノミクス」と呼ばれる経済政策が実施され、デフレ脱却を目標にしましたが、その効果は一時的で、2020年代に入っても物価や経済の成長が十分に回復していないという見方があります。

添付3)

日本、および欧米諸国の企業の内部留保の割合、および金額(円換算)は?
ChatGPT

日本や欧米諸国の企業がどの程度内部留保を積み上げているかは、経済状況や政策の影響を受けるため、国によって異なります。内部留保(企業が配当せずに保有している利益)は、投資や成長のために使われる一方、給与の上昇や投資停滞の原因にもなることがあります。まず、2023年〜2024年のデータに基づく各国の内部留保の概要を見ていきましょう。

日本
・内部留保の総額:日本企業全体では、2023年度における内部留保は約515兆円に達しています。
 o日本企業は、長年にわたるデフレ経済やリスク回避の文化から、内部留保の増加傾向が続いています。
アメリカ
・内部留保の総額:アメリカの企業全体の内部留保は、$2.5兆〜3兆ドル(約375〜450兆円程度)と推定されています(為替レート1ドル = 150円で換算)。
 o特に大企業が利益を配当せずに保有しているケースが多く、税制や株主への配慮が内部留保に影響しています。
ヨーロッパ(EU全体)
・内部留保の総額:ヨーロッパ全体の内部留保についての統一的なデータは国ごとに異なりますが、大手企業が多いドイツやフランス、イギリスでは多額の内部留保が積み上がっているとされます。
 oドイツの企業では内部留保の総額が約1.5兆ユーロ(約235兆円、1ユーロ=157円で換算)に達していると推定されます。
 oフランスやイギリスの企業も同様に多額の内部留保を保有しており、特に欧州では内部留保が投資に十分使われていないことが懸念されています。

企業の内部留保の割合
各国での企業の内部留保の「割合」は具体的な産業や企業の状況によって異なりますが、以下の点が影響します:
・日本:企業利益のうち、50%以上が内部留保に回されることが多く、投資や賃金に使われないケースが目立ちます。
・アメリカ:特に大企業で多額の利益が内部留保されており、利益の約30〜40%が配当や自社株買いに使われ、残りが内部留保として蓄えられます。
・ヨーロッパ:内部留保の割合は、企業の収益に対し約20〜30%とされ、特に大企業が多額を保有していますが、政策的に賃金や社会福祉に使われることもあります。
日本企業は、リスク回避のために内部留保を多く積み上げる傾向が強く、欧米企業は利益を配当に回す割合が高い一方、やはり多くの企業が内部留保を積極的に行っています。

 
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2024年10月26日
プロジェクト管理と日常生活 No.893 『日本航空で発生した事故・トラブルの再発防止策について』
6月11日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で日本航空で発生した事故・トラブルの再発防止策について取り上げていたのでご紹介します。

日本航空が再発防止策を提出しました。
日本航空の鳥取社長は国交省で次のようにおっしゃっています。
「しっかりとこれから安全を立て直して、グループ一丸となって安全をまた守り抜いていきたいと思います。」

日本航空は相次ぐ安全上のトラブルの再発防止として、滑走路誤進入防止に関するテストによる教育の強化や9月末までに駐機場で使用する機材に緊急用ランプを導入するなど、ハード面の対策も行うとしています。
日本航空では旅客機同士の接触や滑走路への誤進入の他、機長の飲酒が原因で国際線を欠航するなどトラブルが相次ぎ、5月27日、国土交通省から厳重注意を受けています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、5月24日付けネット記事(こちらを参照)によれば、今年に入って毎月のように日本航空では事故やトラブルが起きています。
更に、昨年以前も同様の事故やトラブルが起きているのです。(添付1参照)
そして、当然、昨年以前に起きた事故やトラブルについても、再発防止策は検討されていたはずです。
ということは、前回の再発防止策はあまり効果が無かったと考えられます。
なお、旅客機同士の接触や滑走路への誤進入の他、機長の飲酒が原因で国際線を欠航するなど、日本航空で起きた相次ぐトラブルの考えられる原因について添付2を参照下さい。
また、6月11日に国交省に提出された再発防止策の内容については添付3を参照下さい。

こうしてみてくると、もし、6月11日に国交省に提出された再発防止策が昨年までに起きた事故、トラブルに対する再発防止策をなぞるような内容であれば、あまり効果は期待出来ません。
今回の再発防止策がこれまでに起きた事故やトラブルの根本原因をしっかり把握し、それに対しての的確な内容であることを願います。


添付1)

JALで昨年までに起きた事故やトラブルはなかったか?
ChatGPT

日本航空(JAL)では、昨年までにいくつかの事故やトラブルが報告されています。以下に代表的なものを挙げますが、重大事故というよりも運航上のトラブルや安全管理上の問題が多く目立ちます。
1. パイロットの飲酒による欠航
日本航空で特に大きな問題として報じられたのが、パイロットの飲酒によるトラブルです。近年、複数のパイロットが飲酒検査で基準を超えるアルコールが検出され、国際線が欠航する事態が相次ぎました。具体的には、パイロットが飛行前に十分な休肝時間を取らなかったことが原因とされ、特に2018年から2019年にかけてこの問題が社会的に大きな注目を集めました。
この問題を受けて、日本航空は社内の規律を強化し、パイロットや乗務員の飲酒に関する規則を厳しくする措置を講じました。国土交通省からの厳しい指導もあり、飲酒に関する対策は強化されています。
2. 滑走路の誤進入や接触事故
日本航空では、滑走路誤進入や航空機同士の接触といったヒューマンエラーによるトラブルも発生しています。特に、羽田空港や成田空港などの混雑した空港での運航中に、指示ミスや確認不足が原因で発生したケースがありました。
例えば、2020年には羽田空港でJAL機が管制官の指示を誤解し、滑走路に誤進入したケースがありました。幸いにも重大な事故には至りませんでしたが、安全管理の不備が指摘され、運航手順の徹底が求められました。
3. 機材トラブル
日本航空では、機材の故障や整備不足により発生したトラブルも報告されています。たとえば、エンジントラブルや機内のシステム不具合によってフライトが遅延・欠航することがありました。これらは定期的な整備や点検によって防ぐ努力がされていますが、老朽化した機材や予期せぬ故障が原因で問題が発生することもあります。
2021年には、エンジンの不具合により緊急着陸を余儀なくされたケースもありましたが、幸いにも大事には至りませんでした。
4. 乗客トラブルや保安検査の問題
保安検査を通過した後に、乗客の持ち込んだ危険物が発見されたり、乗客が規定外の行動を取ってフライトが遅延・中止されるトラブルも時折報告されています。これらは、保安検査体制や乗客の管理が重要ですが、空港の混雑時や国際線での手続きの複雑さが影響してトラブルが発生することがあります。
5. コロナ禍による運航体制の混乱
新型コロナウイルスのパンデミックにより、航空業界全体が大きな打撃を受け、日本航空も例外ではありませんでした。コロナ禍では、運航スタッフやパイロットの感染や濃厚接触者としての隔離措置により、欠航や遅延が頻発しました。これに加えて、運航再開後の人員不足や混乱が原因で、通常の運航が滞るケースが多く見られました。
また、コロナ対策として、消毒や検査が徹底された一方で、その対応が遅れたり、乗客との間でトラブルが発生することもありました。
総合的な見解
これらのトラブルは、航空業界全体の問題とも言える部分が多く、JALだけに特有のものではありません。しかし、特に飲酒問題やヒューマンエラーが注目されたことから、日本航空は組織全体での安全意識の向上や規律の徹底が強く求められています。また、コロナ禍による運航体制の混乱もトラブルの背景にあるため、復旧とともに徹底した管理体制が必要とされています。
今後も日本航空は、安全対策や社員教育、運航管理の改善を通じて、再発防止に努めていくことが期待されます。

添付2)

日本航空では旅客機同士の接触や滑走路への誤進入の他、機長の飲酒が原因で国際線を欠航するなどトラブルが相次いでいるが、その原因については?
ChatGPT

日本航空(JAL)で最近相次ぐトラブルの原因について、複数の要因が考えられますが、以下のような可能性が指摘されています。
1. 運航管理の不備と安全文化の課題
運航管理の不備や安全文化の問題が、最近のトラブルの背景にあると考えられています。特に、旅客機同士の接触や滑走路への誤進入などのインシデントは、ヒューマンエラーや運航手順の徹底不足が原因である可能性が高いです。航空業界では、こうしたヒューマンエラーを防ぐために、厳格な運航ルールやチェック体制が求められますが、それが十分に機能していない場合、トラブルが発生しやすくなります。
特に、日本航空では**安全管理システム(SMS)**の強化が課題とされており、現場の声が適切に反映されていない、あるいはリスク管理が不十分なケースがある可能性が指摘されています。
2. パイロットの飲酒問題
日本航空では過去にもパイロットの飲酒問題が報じられており、飲酒が原因で欠航する事態も発生しています。これは、航空会社全体の規律や安全管理体制に大きな問題を浮き彫りにするものです。国際的な規制に基づき、パイロットはフライト前に一定期間アルコールを摂取しない義務がありますが、その徹底が不足している可能性があります。
飲酒問題については、JALを含む航空会社がより厳格な飲酒管理を導入しているものの、監視や検査の頻度、管理方法の厳格化が不十分であれば、トラブルの再発リスクが残ります。
3. コロナ禍後の運航体制の混乱
新型コロナウイルスのパンデミックによる長期間の運航停止や減便が、航空会社全体に大きな影響を与えており、人員配置の問題や業務の再構築に関して混乱が生じている可能性があります。運航スタッフやパイロットがコロナ禍の影響で離職や休職を余儀なくされ、運航体制の復旧がスムーズに進んでいないことも、トラブルの一因となり得ます。
特に、運航再開後に新人パイロットやスタッフが増えた場合、経験不足や訓練の不足がリスク要因となることもあります。また、長期間の運航停止後に安全意識が低下する「リスク認知の鈍化」が発生することもあり、これがトラブルの原因となっている可能性もあります。
4. 労働環境の問題
航空業界では、厳しいスケジュールやストレスの多い環境が常に問題視されています。パイロットや整備士、空港スタッフの労働環境が過酷であったり、適切な休息が取れていない場合、疲労が蓄積し、ヒューマンエラーが発生しやすくなるといわれています。特に、国際線運航では長時間のフライトが続くため、十分な休息時間が確保されていない場合、重大なエラーが起こるリスクが高まります。
5. 規律の甘さや従業員教育の不足
パイロットの飲酒問題や誤進入といった問題は、企業全体の規律の甘さや従業員教育の不足が原因となっている可能性があります。特に、パイロットや運航スタッフへの安全教育や、企業としての安全文化の浸透が不十分である場合、個人の判断ミスが大きなトラブルに発展することがあります。
対策
日本航空や他の航空会社は、これらの問題に対処するために以下のような対策を進めています。
•安全教育の強化:ヒューマンエラーを防ぐための定期的な安全教育の徹底。
•運航管理体制の再構築:運航体制や手順の見直しと、より厳格な監視体制の導入。
•飲酒管理の厳格化:パイロットの飲酒検査の強化や、違反者に対する厳しい処分。
•労働環境の改善:パイロットや運航スタッフの労働時間管理や休息の確保を徹底する取り組み。

これらの対策によって、今後トラブルの再発防止が進められていくと考えられますが、航空業界全体の持続的な改善が求められています。

添付3)

6月11日に国交省に提出されたJALによる再発防止策の内容は?
ChatGPT

JALが2024年6月11日に国土交通省へ提出した再発防止策には、以下の詳細が含まれます:
1.アルコール管理の強化:パイロットの飲酒問題を受け、飲酒検査の頻度を増加し、検査手順を厳格化。
2.安全教育の徹底:乗務員への安全に関する訓練を強化し、運航時のミスを防止するためのリスク管理を強化。
3.組織体制の改善:全社員に対し、安全文化を浸透させるため、コミュニケーションや報告体制を見直す。

これらの対策は、再発防止と航空安全の確保を目的としています
日テレNEWS NNN

 
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2024年10月25日
アイデアよもやま話 No.6035 生成AI関連の特許出願数の国別ランキング!
7月5日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で生成AI関連の特許出願数の国別ランキングについて取り上げていたのでご紹介します。 

こちらは今週(番組放送時)、国連の専門機関が発表した生成AI関連の特許出願数の国別ランキングです。
この10年でトップに立つのは中国。
他の国々を大きく引き離しています。
その中国では政府肝入りのAIの展示会が始まっています。
メインは人型ロボットです。

国内外から500以上の企業が集まり、中国・上海で開かれているAIの展示会「2024世界人工知能大会」。
開会式では李強首相が次のようにおっしゃっています。
「多くの発展途上国は人工知能の発展から真に利益を得ていない。」
「中国人は常に皆で共に発展することこそ真の発展であると考えている。」

7回目となる今年は、初めて首相が演説するなど、政府のAI産業への意気込みの強さが伺えます。
会場では、たった1枚の顔写真からバーチャルヒューマンの動画を作成するAIや自動車の開発に応用出来るAIなど、最新のAI技術を披露しました。
こうした中、AI大手の百度(バイドゥ)の謝広軍副総裁は次のようにおっしゃっています。
「元のバージョンに比べると値下げ幅は70%に達した。」

提供するAIサービスの大幅値下げを発表。
中国のAI産業は11兆円を超えるほどに成長する一方で、競争も激しくなっているのです。
展示会で目立ったのが、会場の一画に今回出展している18台の人型ロボットが一堂に集まっていることです。
中国政府は昨年、人型ロボットを新たな経済成長の柱に据え、2027年までに世界をリードするとした国家目標を発表。
各社が開発に力を入れているのです。
こちらは介護現場での活用を想定したロボット、44もの関節で自在に動くことが出来るうえ、AIの活用で会話も可能です。
更には、既に昨年から量産と販売を始めた工業用ロボット(こちらを参照)も登場。
こちらのロボットは非常にバランス感覚が優れているので、ちょっと押してみても全然倒れません。
こうしたロボットを自動車の工場で活用する取り組みも始まっています。
更に中国が目指すのが一般用家庭ロボット(こちらを参照)の導入。
こちらはAIアルゴリズムを活用し、25のモーターとセンサーで人間の表情を再現するロボット。
開発中ということもあり、再現度はまずまずですが、将来的には人間と同等の感情表現を目指します。
このロボットを開発中の卓益得机器人の説明員は次のようにおっしゃっています。
「小さい頃に鉄腕アトムを見たことがある。」
「アトムが我々の生活に出てくるシーンを想像出来る。」
「人型ロボットをこの方向に向かって発展させるよう努力している。」
「それが我々の将来。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・国連の専門機関が発表した生成AI関連の特許出願数の国別ランキングで、この10年で断トツのトップに立つのは中国である
・その中国では政府肝入りのAIの展示会「2024世界人工知能大会」が上海で始まっている
 -メインは人型ロボットである
 -国内外から500以上の企業が集まっている
 -7回目となる今年は、初めて首相が演説するなど、政府のAI産業への意気込みの強さが伺える
 -会場では、たった1枚の顔写真からバーチャルヒューマンの動画を作成するAIや自動車の開発に応用出来るAIなど、最新のAI技術を披露した
 -展示会で目立ったのが、会場の一画に今回出展している18台の人型ロボットが一堂に集まっていることである
 -展示会では、介護用ロボット、工業用ロボット、バランス感覚が優れているロボット、家庭用ロボット、人間の表情を再現するロボットなどが展示されている
・中国のAI産業は11兆円を超えるほどに成長する一方で、競争も激しくなっている
・中国政府は昨年、人型ロボットを新たな経済成長の柱に据え、2027年までに世界をリードするとした国家目標を発表したので各社は開発に力を入れている

まず驚くのは、生成AI関連の特許出願数の国別ランキングで、この10年で断トツのトップに立つのは中国であるということです。
そして、中国政府は昨年、人型ロボットを新たな経済成長の柱に据え、2027年までに世界をリードするとした国家目標を発表したので各社は開発に力を入れているのです。
しかも、既にロボットの販売台数の世界ランキングではトップです。(添付1参照)

なお、EVの販売台数の世界ランキングも中国がトップです。(添付2参照)
これまで、中国製のEVにおいては、政府の大きな支援を受け、EVメーカーは大量生産してコスト削減をし、低価格で海外輸出をした結果、輸出先の国々で大量に販売してきた結果、現地のEVメーカーが打撃を受け、現地政府により中国から輸入したEVについては関税の引き上げで対抗するといった事態になっているのです。

ここで注目すべきは、かつての中国製の製品は、“安かろう、悪かろう”で安いけれども品質が良くないと言われてきましたが、海外輸出される最近の中国製EVは、そのスタイルも洗練され、品質も高い評価を得ているようです。(添付3参照)
恐らく、中国製のロボットもEVが世界を席巻しているのと同様の道を歩むと思われます。

さて、習近平国家主席の率いる今の中国は「偉大なる中華圏の復興」を最大の目標として掲げております。(添付4参照)
そして、今回ご紹介した生成AI関連の特許出願数、EVの販売台数、更にロボットの販売台数、これら全てで世界ランキングでトップといった中国の成果は、経済的、軍事的、国際的な強国としての中国の復興を達成すること、すなわち「偉大なる中華圏の復興」の達成の一環なのです。
一方、中国製であっても、高品質、低価格、しかも安全であれば、日本も含めて、世界中の消費者は中国製の製品を購入するようになると思います。
こうした面での中国の世界的な貢献は望ましいのですが、一方で、「偉大なる中華圏の復興」の達成に向けた覇権主義国、中国の取り組みが進むとともにいくつかのシナリオが考えられますが、既にサプライチェーンの再編や経済制裁、関税の引き上げなど、その一部は現実になっています。(添付5参照)


添付1)

ロボットの販売台数の世界ランキング?
ChatGPT

2023年時点で、世界のロボット市場は中国、日本、アメリカ、ドイツといった主要地域によって大きく影響を受けています。以下は主要なロボット市場のハイライトです:
中国は世界のロボット市場を支配しており、全体のロボット設置の51%を占めています。2023年には、特に自動車や電子機器の分野で、175万台以上の産業用ロボットが工場で稼働しています。
日本は世界のロボット生産の38%を担うもう一つの主要なプレーヤーです。2023年には国内需要がやや減少したものの、160,801台のロボットを輸出し、輸出は依然として強力です。
アメリカは2023年に37,587台の産業用ロボットを設置しており、その主な設置先は自動車産業です。アメリカの工場で稼働しているロボットの総数は約381,964台で、安定した成長を示しています。
ドイツはヨーロッパ最大の市場であり、2023年には28,355台のロボットが設置され、特に自動車産業が強力な推進力となっています。
インドのような新興市場も急速に成長しており、2023年には設置台数が59%増加し、8,510台に達しました。これにより、インドは世界市場で重要なプレーヤーとなっています。
世界のロボット市場全体は引き続き成長が予測されており、2024年には産業用ロボットの設置台数が541,000台に達すると見込まれています。

添付2)

EVの販売台数の世界ランキング?
ChatGPT

中国のBYDは、300万台を販売し、そのうち144万台がプラグインハイブリッド車(PHEV)で、トップの座を占めています。次に、テスラがバッテリー電気自動車(BEV)のリーダーとして続き、181万台を納車しました。これは2022年比で38%の増加です。中国は引き続き世界をリードしており、全EV販売の60%を占め、次いでヨーロッパ(25%)、アメリカ(10%)が続きます。
市場シェアに関しては、2023年の全軽自動車販売の15.8%がBEVおよびPHEVで占められており、中国が33.9%でトップに立ち、ヨーロッパが21.4%、アメリカが9.4%で続いています。この傾向は2024年も続くと予想されており、世界のEV販売はさらに25%成長し、約1,800万台に達すると予測されています。

添付3)

中国製のEVの海外での評価はどうか?
ChatGPT

中国製の電気自動車(EV)は、近年、海外市場で大きな注目を集めており、特にその品質とコストパフォーマンスが高く評価されています。以下に、主な評価ポイントを挙げます。

1. コストパフォーマンスの高さ
中国製EVは、他の国のブランドと比較して低価格で提供されることが多く、これは多くの市場で大きな魅力となっています。特にヨーロッパや東南アジアでは、価格競争力が非常に高いとされています。
2. テクノロジーの進歩
中国のEVメーカーは、バッテリー技術や自動運転技術など、最先端の技術を迅速に採用しています。BYDやNIO、XPengなどの企業は、これらの技術を搭載した高性能なEVを製造しており、その技術力が評価されています。
3. デザインと品質の向上
中国製のEVは、過去の「安価だが質が低い」というイメージを脱却しつつあります。近年、内外装のデザインや車両の信頼性が向上しており、特に欧米市場では質の高い製品として認知されています。BYDの「Han」やNIOの「ET7」などは、ヨーロッパでも高い評価を受けています。
4. 環境規制への適合
ヨーロッパなどの厳しい環境規制に適合したモデルも多く、EVの市場シェアが拡大しています。特に中国のEVメーカーは、欧州の厳しい排出基準に対応するために、技術革新を進めており、その結果、多くのモデルが現地の規制に適合しています。
5. ブランド認知度の課題
一方で、テスラやフォルクスワーゲンなどと比べると、まだブランドの知名度が低い場合があり、特にアメリカ市場では課題が残っています。しかし、アフターサービスやブランド戦略の強化を通じて、徐々にその信頼性と知名度を高めつつあります。
6. 生産能力と供給チェーンの強み
中国は、世界最大のEV市場であると同時に、EVの生産能力も高く、バッテリーの製造でも大きなシェアを持っています。この供給チェーンの強さが、海外市場での競争優位性を支えています。

総じて、中国製EVは、価格、技術、品質のバランスが良いとされ、特にコストを重視する市場では高く評価されています。ただし、ブランドの信頼性向上や、アフターサービスの充実が今後の課題となるでしょう。

添付4)

習近平国家主席の最大の夢は?
ChatGPT

習近平国家主席の「最大の夢」としてしばしば言及されるのが、「中国の偉大な復興」、つまり「中国夢(チャイナ・ドリーム)」です。このビジョンは、彼が2012年に中国共産党のトップに就任して以降、頻繁に強調されており、中国を強大で豊かな国にするという歴史的な目標を指しています。

「中国夢」の主要な目標
1.経済的な繁栄 中国を経済大国として世界においてさらに強固な地位にすることが、習近平の目標の一つです。これには、技術革新、製造業の高度化、新興産業の発展などが含まれ、彼の「一帯一路」構想や「共同富裕」政策も、この経済的繁栄を支えるための一環といえます。
2.国際的影響力の拡大 習近平は、中国の国際的な影響力を拡大し、米国などの西側諸国に匹敵する大国としての地位を築こうとしています。中国は、国連やG20などの国際機関での影響力を強化し、地域的なリーダーシップを持つ国となることを目指しています。
3.軍事力の強化 習近平は、中国人民解放軍の近代化と軍事力強化を進めています。これは、国際的な舞台での軍事的抑止力を高め、中国の主権と安全保障を守るためです。2027年までに「世界一流の軍隊」を構築することを目標に掲げています。
4.中華民族の偉大な復興 このフレーズは、習近平の国家戦略の核心を成すものです。中国の歴史を振り返り、列強による圧迫や植民地支配に苦しんだ過去を乗り越え、国民の誇りを取り戻すことが目指されています。これには、台湾問題の統一も含まれており、「一つの中国」政策を強く主張しています。
5.社会主義体制の堅持と強化 習近平は、共産党の統治をさらに強化し、中国の社会主義体制を揺るぎないものにしようとしています。これは、中国国内での安定と共産党の支配を長期にわたって維持するためであり、「習近平思想」や「習近平新時代の中国の特色ある社会主義」という独自の路線が強調されています。

結論
習近平の最大の夢、すなわち「中国夢」は、経済的、軍事的、国際的な強国としての中国の復興を達成することです。これには、国内での安定した統治、経済成長、国際的なリーダーシップの確立、そして中華民族の誇りを取り戻すことが含まれています。

添付5)

民主主義国と覇権主義国との対立はどのような結果をもたらすか?
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民主主義国と覇権主義国の対立は、世界的な地政学的、経済的、社会的な構造に多大な影響を与える可能性があります。特に、米中対立やロシアなど権威主義的な国との緊張が高まる中で、この対立がどのような結果をもたらすかについては、以下のいくつかのシナリオが考えられます。

1. 新たな冷戦状態の進行
民主主義国と覇権主義国の対立が進むと、新たな冷戦状態が生まれる可能性が高まります。冷戦時代と同様に、世界は2つの異なるブロックに分かれる傾向があり、民主主義陣営と権威主義陣営が対立する構造が強化されるでしょう。米国、欧州連合、日本、オーストラリア、インドなどが民主主義陣営を主導し、中国やロシアなどが権威主義陣営を代表する形で、経済、軍事、外交面での緊張がさらに激化する可能性があります。

この冷戦状態では、**経済的なデカップリング(分断)**が進むと考えられます。すでに、米中間の技術戦争やサプライチェーンの再編が進んでおり、民主主義陣営と覇権主義国が異なる経済ブロックを形成することで、貿易や投資の流れが変わるでしょう。

2. 経済的影響と技術分断
覇権主義国との対立が激化すると、経済的な影響は避けられません。特に、米中対立が深まると、技術競争や技術分断が進行します。5GやAI、量子コンピューティングなどの分野で、中国と米国はすでに激しい競争を繰り広げており、それぞれの陣営が独自の技術基盤を形成し、互いに非互換なシステムを構築する可能性があります。これにより、世界の技術進歩が2つの異なる軸で進み、グローバルな標準化が困難になるでしょう。

さらに、サプライチェーンの再編や経済制裁、関税の引き上げが進むことで、世界経済全体に不安定要素が生じ、特に発展途上国や新興市場が大きな影響を受ける可能性があります。また、エネルギー、食料、医療などの分野でも、対立による供給網の寸断が危機的な状況を引き起こすことも懸念されています。

3. 安全保障リスクの増大と軍事的緊張
覇権主義国との対立が進むことで、安全保障リスクと軍事的緊張が増大します。特に、台湾問題や南シナ海の領有権問題など、米中間の軍事的対立は重大な紛争を引き起こす可能性があります。ロシアと西側諸国との間でも、ウクライナ問題やNATO拡大に関する軍事的緊張が続いています。

対立がさらに激化すれば、軍拡競争が進み、核兵器やサイバー戦争のリスクも増大するでしょう。これにより、地域紛争や代理戦争が多発する可能性が高まり、国際社会の不安定化が進行します。また、軍事的緊張が高まることで、各国が防衛予算を拡大し、他の社会的課題への予算が削減されることが懸念されます。

4. グローバルガバナンスの機能不全
民主主義国と覇権主義国の対立は、国際機関やグローバルガバナンスの機能不全を引き起こす可能性があります。国連や世界貿易機関(WTO)、世界保健機関(WHO)などの多国間機関は、米中間や西側諸国と権威主義国との対立によって、意思決定が停滞し、国際協力が難しくなることが予想されます。

特に、気候変動対策やパンデミック対応など、国際的な協力が不可欠な課題において、覇権主義国が協力を拒否するか、対立によって共通のルールや目標が設定できない場合、地球規模の問題に対処するための国際機関の役割が縮小するでしょう。これにより、世界全体の課題解決能力が低下し、国際社会の不安定化がさらに進む可能性があります。

5. 民主主義の強化または揺らぎ
覇権主義国との対立は、民主主義国にとっても内的な挑戦となる可能性があります。一部の国々では、対立が激化する中で、民主主義の価値観を再確認し、内部の結束を強める動きが出るかもしれません。たとえば、欧州連合やNATO、クアッドなどの同盟国間での協力強化が進むでしょう。また、自由や人権の重要性が再認識され、民主主義国の政治体制の強化が図られる可能性もあります。

しかし、逆に、対立の激化により、内部の不安定要素が増すことも考えられます。経済的困難や国際的な圧力が強まる中で、ポピュリズムや極端なナショナリズムが台頭し、権威主義的な指導者が民主主義を制約しようとするリスクも存在します。特に、経済的な不平等や社会的な分断が拡大すると、民主主義が揺らぐ可能性があります。

6. 国際同盟とパートナーシップの再編
民主主義国と覇権主義国との対立が長期化する中で、新たな国際同盟やパートナーシップの再編が進むでしょう。米国を中心とした自由主義陣営は、より多くの国々と経済的・軍事的な協力を強化しようとし、特にインド太平洋地域やヨーロッパでの連携が強まると予想されます。一方、覇権主義国は、独自の同盟関係を強化し、互いに協力して西側諸国に対抗する可能性があります。

たとえば、ロシアと中国が安全保障やエネルギー分野での協力を強化し、他の権威主義国家や発展途上国と連携を深めることが考えられます。このような同盟の再編成は、世界的なパワーバランスの変化を引き起こし、地政学的な不安定さが増すことになります。

結論
民主主義国と覇権主義国の対立は、新たな冷戦構造の進行、経済的・技術的な分断、安全保障リスクの増大、国際機関の機能不全、民主主義の内部対立、国際同盟の再編など、さまざまな結果をもたらす可能性があります。対立が深まるほど、世界の地政学的構造が大きく変わり、国際社会全体の不安定化が進むリスクがありますが、一方で、民主主義陣営が結束を強化し、自由や人権の価値を守るための取り組みが進む可能性もあります。

 
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2024年10月24日
アイデアよもやま話 No.6034 新しいモビリティ? 海床ロボット!
7月4日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で海床ロボットについて取り上げていたのでご紹介します。 

東京・江東区内の川に浮かんでいたのは一艘の木造船。
竹中工務店 まちづくり戦略室の高浜洋平さんは次のようにおっしゃっています。
「こちらは船ではなくて海床ロボット(3m四方)といいます。」

早速、乗せてもらうと、ゆっくり動き始めました。
操縦士がいなくても完全に自動で動いています。
海床ロボットの底には制御システムとバッテリーを搭載、コントローラーで動かします。
馬力も小さいため、船舶免許はいりません。
海床ロボットの位置情報を入力すると、GPSでルートを認識し、目的地まで自動運転も可能になります。
少し、風が吹いていても乗っていて、あまり揺れは感じません。
通常の船はスクリューが後ろについているので、前後にしか動けません。
しかし、海床ロボットは4つの隅にスクリューを付けることで水面を自由に移動出来ます。
その場に止まり続けることも出来ます。
今回、竹中工務店などの民間企業や東京海洋大学などが共同プロジェクトとして開発しました。
高浜さんは次のようにおっしゃっています。
「(建設会社はなぜ海床ロボットを作ろうとしたのかについて、)陸の上で建物を造ったり、街をつくっている会社でございますので、水の上に床をつくる、空間をつくる。」

海床ロボットは“水の上に町をつくる”という発想から行われたプロジェクトです。
既に各地で実証実験を行っていて、一般販売も近いといいます。
高浜さんは次のようにおっしゃっています。
「一番ベーシックなものとして、1000万円ぐらい。」
「年間、50台くらい売れたらいいかなとか。」

海床ロボットは移動手段の他、水上でのコンサート会場やレストラン、更に海や川の掃除などに活用出来るといいます。
高浜さんは次のようにおっしゃっています。
「水辺の重要性はものすごく強まってきていますし、まだまだ日本の水辺は未開拓だと思っているので可能性はすごくあると思っています。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・竹中工務店などの民間企業や東京海洋大学などが共同プロジェクトとして海床ロボットを開発した
 -海床ロボットは“水の上に町をつくる”という発想から行われたプロジェクトである
・その特徴は以下の通りである
 -操縦士がいなくても完全に自動でゆっくり動く
 -海床ロボットの底には制御システムとバッテリーを搭載、コントローラーで動かす
 -馬力も小さいため、船舶免許は不要である
 -3m四方の大きさである
 -海床ロボットの位置情報を入力すると、GPSでルートを認識し、目的地まで自動運転も可能になる
 -少し、風が吹いていても乗っていて、あまり揺れは感じない
 -4つの隅にスクリューを付けることで水面を自由に移動出来る
 -その場に止まり続けることも出来る
・既に各地で実証実験を行っており、一般販売も近い
 -価格は一番ベーシックなもので約1000万円である
 -年間、50台ほどを見込んでいる
・まだまだ日本の水辺は未開拓であり、可能性はすごくあるという
 -移動手段の他、水上でのコンサート会場やレストラン、更に海や川の掃除などに活用出来るという

こうしてまとめてみて、海床ロボットは、これからの乗り物の備えるべき基本要件を備えているように見えます。
ただ、以下のような懸念される点があります。
・フル充電での航続距離はどの程度か?
・自動で障害物を回避出来るのか?
・どのくらいの風まで流されないで走行可能か?
・どのくらいの高さの波に絶えられるのか?
・重量制限はどのくらいか?

ということで、いろいろ懸念材料はありますが、海床ロボットは気軽な水上のレジャー手段として、あるいはコンサート会場やレストランなどとしての可能性を秘めています。

 
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2024年10月24日
【画期的な発電装置の試作機作りのボランティア、および企業の募集】

当ブログを発信しております弊社(株式会社BMC)では現在、ある発電装置の開発を進めております。
なお、この発電装置はアイデアよもやま話 No.2025 私のイメージする究極の発電装置とは・・・)でお伝えした要件を満たすと見込まれますが、試作機作りの段階で技術力不足により難航しております。

しかし、この発電装置の実用化の暁には再生可能エネルギー発電の一翼を担えると確信しております。
なお、この発電装置は既に国内特許、および国際特許を取得済みです。

 

つきましては、電子回路関連業務の経験、あるいは知識をお持ちで、試作機づくり、およびデータ検証作業にご協力いただける方をボランティアとして募集いたします。

なお、年齢、性別は一切問いません。

新しいものづくりに対するチャレンジ精神が旺盛で、時間に多少なりとも余裕のある方は是非ご応募いただきたいと存じます。

定年退職された方や学生の方、あるいは現役の技術者など、エネルギーを持て余しておられる方は大歓迎です。

特に大学や専門学校などで電気工学を専攻されている方には卒業論文のテーマ候補としてご検討いただければ幸いです。

ただし、日本国籍を取得し、日本語の読み書きが十分に出来る方と限定させていただきます。

応募される方は、info@e-an.co.jp までメールでご連絡下さい。

なお、試作機の製作に際して、必要なパーツにかかる費用は弊社にて負担させていただきます。

また、この件に関して、ご興味のある企業様におかれましては、別途ご相談させていただきますので是非ご連絡下さい。

 

以上、よろしくお願いいたします。

                         (株)BMC代表取締役 屋代 雅邦              


 
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